ひさびさにこのカテゴリでエントリを書いてみます。

2012年も残り2ヵ月半を切り,どことこなく年末が見えてきているような見えてきていないような……。

そんな中,このタイミングで,改めて今年のソーシャルネットを振り返ってみようと思います。

■まずはLINE!
2012年,大躍進したコミュニケーションツールといえば「LINE」ですね。

先に断っておきますが,僕自身はLINEはソーシャルネットとは思っていないです。あくまでコミュニケーションツール。

さてさて。

もともとガラケー版LINEを去年の6月にインストールしていたんですが,まったく使っておらず。

https://www.facebook.com/tomihisa/posts/245782148772115

この自分のやりとりを見ても,LINEのことをまったくよくわかっていませんでした(^^;

それから昨年末,たしか新宿でモツ鍋をつつきながら,ふとしたやりとりから「LINEおもしろいですよ」と勧められ,iPhone版で改めて使い始めてみたら。このスタンプ文化,本当にすごくいいですね!!スタンプが持つ空気というか,裏に潜まれる表現というか。

まさにノンバーバル!そして,エモーショナル!

これはスタンプだからというよりも,「“LINEのこの”スタンプだから」という部分に大きく依存しているように思います。
LINEチーム,スタンプクリエーターの皆さん,本当にすごいなー!!!

ちなみに僕が当初から一番好きなスタンプはこれ。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-LINE

こういうスタンプをただただ直感的に使う,それだけで楽しいコミュニケーションが実現できていると感じています。
(余談ですが,その後のスタートしたLINEスタンプビジネスにどっぷりハマった自分ですw)

■クローズドコミュニケーションはどうなったのか?
その後,LINEはさらに爆発的普及し,それに伴い,改めてクローズドなネット空間が見直された(≒注目を集めた)気がしています。

2009~2011年のTwitter,Facebookの浸透によって,(本質ではないにしても)「実名だ!」「オープンだ!」という,メディアやソーシャルネット上の情報に煽られた1つの流れがあり,さらに東日本大震災によって情報格差を減らそう,みんなに平等に情報を伝えようという動きが,(主観ではありますが)その動きを加速させたように感じています。

一方で,そういう流れがあって,mixiブームに使われ始めていた「SNS疲れ」的な言葉が巷で再びちらほら,僕の周りでもちらほら聞こえてくるようになりました。たぶん,オープンに(しようと)しすぎた結果,(当人としては)必要以上のコミュニケーションが発生してしまっていることに起因することが多いんじゃないかと思います。

でも,正直,僕はSNS疲れとか感じたことないし,そもそも疲れたらやめると思うので,あくまで憶測なのですが。正直,この言葉の意義とか定義とかはどうでもよくて。
あえて,本質論で言えば,SNS疲れって,ようは自分のソーシャルグラフに疲れていることを自分で言っているような気がしていて,それって,自分の身の回りにいる人たちの否定にもつながっちゃうことだと思うし,ちょっとさみしい気がするので嫌いな言葉ではあります。

話を戻して。

2012年は,こうしたオープン化と疲れが出てきたという背景の中,そこにLINEという新しいコミュニケーションツールの普及が,過去とは違うクローズドコミュニケーションへの流れを作ったと個人的には思っています。

■ライトだけどヘビー。そしてウェット。そんなソーシャルネット。
そして,その流れがあった上で。

年初の「ソーシャル再考:共有(シェア)すること」というエントリでも書いた,

・ノンバーバル
・ロケーション
・ライト


というソーシャルネットの特徴,そこにクローズドという性質が強く加わることで,

ライトだけどヘビー

なコミュニケーションが,今,増えつつあるように感じています。

その1つの例が,先ほどのエントリでも取り上げたPathです。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-Path

まだまだ一般的なサービスにはなっていないですが,今後,Pathのようなクローズドなソーシャルネットが普及することで,ライト(手軽)でノンバーバルな(言葉によらない)コミュニケーションを行うことで,その人のソーシャルグラフはますます濃くなりがちで,結果として,ソーシャルネットそのものがライト(手軽)だけどヘビー(濃く・深く・重く)になっていくのではないかという仮説です。

わかりやすく言うと,仲の良い友達と,個室居酒屋で,恋話とか人生相談とか,たわいもない話をネット上でできる感じでしょうか。いわゆる内輪感。曲で例えると,B'zの『Pleasure '91~人生の快楽』の世界観。あれが,どんどん濃く・深く・重くなっていくイメージです。そう,年とともにあの曲の歌詞も変化していくように。
(わかりにく例でしたらスミマセンw)



実はこれって,mixiが流行ってハマっていったときの自分の感覚にクロスオーバーする部分もあります。
(Pathは足あとアイコンがあるので余計にそう思うのかもしれないですね)

ただ,あえて自分の中では意識して気をつけたいと思うのは,同じクローズドでも,1対1でするコミュニケーションとソーシャルネット上のコミュニケーションは別物ということ。ここは,mixiの普及期に感じたものとは(個人的に)ちょっと異なっています。

というのも,LINEが普及したことで,LINEのようなツールと他のソーシャルネットが日常的に同じ感覚で同じデバイスから使うことがあたりまえになり,その結果,1対1でするコミュニケーションとソーシャルネットでの(とくに他人の)コミュニケーションが混在しやすくなるんじゃないかと思うからです。実際,Pathに限らず,FacebookやTwitterのようなオープンなソーシャルネットでもLINEっぽいコミュニケーションをする人を見かけたりしますし。

それは裏を返せば,インターネットなんて「所詮ツールだよね」の部分がますます薄れていって,本当に身近なコミュニケーションインフラになるツールやサービスが増えていることだと思います。そして,2012年は,あらためてそれを強く感じた1年でした。

はたしてこれが良いのか悪いのか,今のところ僕にはわからないですけど,この時代ならではのものだと思っていますし,次のネットコミュニケーションの世界観につながっていくのかもと。

本当に主観ですけど。

いずれにしても,ソーシャルネット・Webサービス大好き人間の自分としては,ソーシャルネットのmixiもFacebookもPathもTwitterも,そして,コミュニケーションツールのLINEも,楽しみながら使っていきたいです。

もちろん,ネット上のやりとりはもちろん,そもそもとして存在するオフライン,リアルのコミュニケーションも大切に :-)

LADY NAVIGATION/Pleasure ’91~人生の快楽