昨日,Appleの共同創設者の一人,Steve Jobsさんが亡くなりました。

Steve Jobs
1955-2011
http://www.apple.com/stevejobs/
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-for Steve Jobs

各所からも追悼・哀悼メッセージ,コンテンツがアップされました。

Obama大統領のメッセージ
President Obama on the Passing of Steve Jobs:
"He changed the way each of us sees the world."

http://www.whitehouse.gov/blog/2011/10/05/president-obama-passing-steve-jobs-he-changed-way-each-us-sees-world
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-obama

Google
http://www.google.co.jp/
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-Google

Facebook
Mark Zuckerberg CEOのメッセージ

http://www.facebook.com/zuck/posts/10100100934727791
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ソフトバンクグループ
孫正義代表のメッセージ

http://mb.softbank.jp/
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-SBM


虚構新聞でも。

ジョブズ氏の魂、新型iPhoneに宿る(これは嘘ニュースです)
http://kyoko-np.net/2011100601.html


Macintoshという,パーソナルコンピュータの世界を切り拓いたプロダクツを開発し,Apple Computerを創業。その後,紆余曲折を経てAppleに返り咲いた後は,iMacをはじめ,iPod,iTunes,iPhone,iPadなど,私たちの身近にあるさまざまな「モノ」(あえて「モノ」としてみました)を産み出した人物を惜しむ声が,僕の周囲からもたくさん聞こえました。

すでに何年も前から闘病生活を行っていて,今年8月にAppleのCEOを退任して以降は,かなり危険な状態なのではないかという憶測も飛び,昨日,ついに帰らぬ人となってしまいました。

僕自身,狂信的なApple信者かというと,実はそれほどでもないのですが(苦笑),それでも,今の仕事に就いていること,また,これまでの人生経験,とくに大学以降でApple関連の製品にはすごい影響を受けているので,Steve Jobsさんが亡くなったこのタイミングで,自分自身とAppleの関わりについて振り返ってみたいと思います。

■初めて触ったApple製品 - Macintosh IIci/IIcx
初めて触ったApple製品は,大学に入学してすぐ,Macintosh IIci/IIcxでした。僕が通っていた大学は芝浦工業大学という,理系単科系大学で,所属はシステム工学部(現システム理工学部)でした。
このシステム工学部は,僕が入学した時点で設立3年目の新設学部,そのウリの1つが,このMacintoshだったのです。当時,学部名がカタカナという珍しさによる惹きもあったんですが,大学の設備として「コンピュータ(僕の頭の中では,当時はまだMacintoshという単語がなかったです(^^;)をたくさん用意している」という売り文句に惹かれ入学したのを覚えています:-)

※余談ですが人生で初めて触ったコンピュータは,NECのPC-6001。NECに勤めていた叔父から小学校の時にもらったものです。いろいろ起動するのにカセットテープからの読み込みが必要でした(笑)

大学に入ってからは,Microsoft Excel(Excelって元々Mac向けのアプリで,それからWindowsに移植されたんですよね)とか,Hyper Cardとか使ったり。あと,自分の中にはインターネットという概念がまったくなかったのですが,授業でGopherとかtelnetの使い方,あとはMosaic,大学2,3年ごろからはNetscape NavigatorでWebブラウジング(これも,当時はWebブラウジングって概念がなくて,いっぱい情報が見られるなーぐらいの感覚で),いわゆる「ネットサーフィン(死語w)」をしていました。

あと,学内のマシンも卒業までにQuadra,その後のLC(Law Cost)シリーズ,Power Macintoshへのアップグレードが行われていました。

■初めてのマイマシン - Apple PowerMacintosh 7100/66av
初めてのマイマシンは,Apple PowerMacintosh 7100/66avでした。大学3年の後半に親に買ってもらって。そのときにはもう大学院への進学を決めていたこともあり,「卒業研究に使うから(という,一部(?)建前上の目的w)」でゲット。
もちろん卒業研究(HyperCardを使ったもの)でも使ったし,あとは,「Art School Dabbler」というペイントソフト「Painter」の廉価版を買って絵を書いたり,「Doom」という3D型のシューティングアクションゲームをやってパソコン酔いをしたのが懐かしいですw

これ,「Art School Dabbler」で描いた画。
$馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-画

■大学の卒業研究 - Hyper Card
卒業研究では「工学設計」「数理計画」をテーマにした川面教授の下,研究室に所属していました。ここでは,GA(遺伝的アルゴリズム)やニューラルネットワークを使った自律型プログラムおよびコンピュータネットワークによる設計の最適化や,2次元・3次元CADの開発(余談ですが,1995年当時,本当に3D CADを作ってしまった先輩がいて本当にビックリしました),あとはデジタルカメラを通じた画像認識など,今ではあたりまえになっていて,当時では先進的な技術の基礎研究に取り組んでいる研究室でした。
その中で僕が選んだのが「体系的アプローチによる工学設計」というもの。簡単に言うと,車輪の再発明をせず,これまでに研究・開発された技術や基礎要素,理論を組み合わせて,よりユーザに便利なものを作っていくための仕組み,設計法を作っていこうというものです。ベースとなったのは『工学設計 - 体系的アプローチ』(G.ポール/W.バイツ[共著],ケン・ワラス[編],設計工学研究グループ[訳],培風館,1995年)という書籍です。
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-工学設計

この考え方を,CAI(Computer Aided Instruction)システムとして作り上げていこうということで,「体系的アプローチによる工学設計法に関するCAIシステムの試作」というテーマの卒業研究がスタートしました。
かなり前置きが長くなりましたが,このシステムのベースとして採用したのがHyperCardです。おそらく30代中盤ぐらいの,Macユーザの皆さんならご存知かと思いますが,「ハイパーテキスト」の理論を具現化したソフトウェアで,ボタンやアクションなど基本機能がオブジェクトとして用意されている他,HyperTalkというスクリプト言語を使ったプログラミングが可能でした。

HyperCard
http://ja.wikipedia.org/wiki/HyperCard

研究としては,体系立てた工学設計の理論,各種要素をデータベース化し,知識の体系化による学習のサポートの他,任意にデータを追加できるようなシステムに作り上げていくことを目指していました。

ただ,プログラミングがどうこうというよりも,自分で動くものを作れる,また,音が出せる(楽譜を打ち込むことで好きな曲を出せました)など,とにかく「創る」体験を,Mac上で行えることが嬉しくて,ついつい研究の本質とは関係ない,設計フローの自動描画とか余計な機能を実装したり,無駄なアクションを追加したりして時間を食ってしまったなぁ,なんてことを思い出しましたw
話が逸れましたが,この「創る」楽しさを提供してくれるMacintoshって,本当にすごいモノなんだということを改めて感じています。
あと,僭越ながら,この研究などにより,在籍時に日本機械学会畠山賞を受賞することもできました。

1996年度日本機械学会畠山賞受賞者
http://www.jsme.or.jp/shou4-96.htm

その後,大学院に進んでからは,(周りの友人,先輩,後輩がSunのEWSとかWindowsのオブジェクトプログラミングをしていて)一人ぼっちが寂しくなり,「次はマルチプラットフォームだ!」という考えが強くなって,Javaへの以降などもしていました。でも,使っていたのはPower Macintoshですが:-) Java 1.0のコンパイラなどを使って,サーバサイドプログラミングをちょっとかじり,無事修了することができました。

■仕事での関わり(その1) - DTP
就職は,今も在籍している株式会社技術評論社へ。出版社,そして,DTPまっさかりの時代だったこともあり,入社後はバリバリMacintoshを使いました。

僕が最初に配属された『Software Design』という雑誌の編集部では,Quark Express+Macintoshという組み合わせのDTPを行っていて,基本的にはデザイナーさんに記事のフォームを作っていただき,組版(DTP)部分は編集部で担当するというスタイルを多くとっていました。なので,新人時代はニュースコーナーの記事執筆やDTPを,その後は,特集の企画・編集をしながら,その記事のDTPをすることで,ほぼ毎日Macintoshに触っていたように思います。

ちなみに日常業務用マシンはWindowsで,2000年に出張用として自分で買った最初のノートPCも東芝Libretto,次もSONY VAIOと,この頃からコンピュータ的にはWindowsへ傾倒していったように思います。
それでも,今も,社内ではMac OS Xマシンを使った業務はありますし,まったく使ってないというわけではないのですが。

その他,実務的な関わり以外にも,企画面で多数Apple,Macintoshと関わりました。思い出深いものの1つは,2000年のMacWorld Expo/Tokyo。ここで,初めてSteve Jobsさんのプレゼンを生で見ることができました。
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-SD2000年4月号

その後,Macintosh上でのLinuxなどの企画も担当しつつ,とくに関わりが強くなったものとしては,Mac OS Xが挙げられます。Mac OS X,そしてサーバ用OSのMac OS X Serverがリリースされてからは,周りにその企画を担当する人がいなかったということもあって,コミュニティの皆さんと一緒に,使い方やプログラミング,サーバ構築・運用などなどいろいろな企画を立てていました。Xserveを借りてレビューとかもしたなぁ(遠い目)。
それから,会社が目黒にあった頃は,OS X Serverでファイルサーバを立てて,部内のファイル管理業務などもちょっとやったりしてました。

■仕事での関わり(その2) - プレゼンテーション@Apple Store, Ginza
仕事でのAppleとの関わりという点でもう1つ。
昨年8月19日,スイッチ鷹野さんにお誘いいただき,当時アドビ(現バスキュール号)の西村さんと一緒に,CSS Nite in Ginza, Vol.51に出演させていただきました。テーマは電子出版。
この時の発表資料はMacでInDesignを使って作りました。

この時の会場が,Apple Store, Ginza

こういった形でのAppleとのつながりもあったりします。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-CSSNite51_2
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-CSSNite51
(撮影:飯田昌之さん)

■身の回りのApple製品 - iPod Shuffle,iPhone 3GS,iPad
就職してからは,仕事以外ではちょっとApple関連のモノから離れていたのですが,2008年にiPod Shuffleを購入し,そして2009年にiPhone 3GS,2010年にiPadと,最近また少しずつAppleのモノを使ってきている感じです。

iPhone(2009年7月11日)。
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-iPhone馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-iPhone購入

つづいて,iPadの購入。

まずは予約(2010年5月10日)。
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-iPad予約

入手日当日(2010年5月28日)。
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ゲット!
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-iPad

中学の時にドラクエを買ったことを思い出しました:-)

ちなみに,iTunesストアでの購入もほとんどしたことがなくて,今年の6月30日,布袋の30周年記念で先行リリースされた,

- C'MON EVERYBODY / SIGUE SIGUE SPUTNIK
- バンビーナ(BAMBINO MIX) / RIP SLYME

の2曲を購入したのが初めてです(いまのところこれ1回のみ)。

今は,iPhone 4Sをどうするか,あるいは次のiPhone 5まで待つか,日々悩んでいます:-)

■おまけ
あと,いくつかおまけを。

○Apple本社
Apple本社(の外観)と本社のApple Store。

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馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-Apple Store3馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-Apple Store2

パソナテック第1回シリコンバレーツアーPhotoレポート
http://gihyo.jp/news/report/01/silicon-valley-tour

2008年7月に開催された,パソナテックさん10周年記念のシリコンバレーツアー取材時に。
Apple訪問が主目的ではなかったため,ストアでお土産をいくつか。
このパーカーはよく着ています(今日も着ています)。
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-パーカー


○リトアニアのApple Storeと看板
2009年,ふらっと旅行で行ってきたリトアニアでのヒトコマ。首都ヴィリュニスにApple Storeがオープンしたタイミングでした。それほど大きなスペースではなかったですが,他と同じテイストになっていました。
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-リトアニア
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-リトアニア2


○家にあったAppleの「モノ」
前述の,iPhone 3GS,iPad,iPod Shuffle,そして,大学の恩師にもらった「PowerBook 145B」。電源アダプタがみつからないのですが,いつか探してもう1度起動させてみたい!
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以上,自分話と合わせつつ,Appleとの関わり,つながりを振り返ってみました。あえてこういう形で振り返ると,いろいろ接点があるものだなと思い,Apple,そしてJobsさんが,それだけ自分の身近に存在している「モノ」を産み出してきたことを実感できます。本当にスゴイ人だったな,と。
(たぶん書ききれていないモノがいっぱいあるんだろうなー)


Steve Jobsさん,安らかに。

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