早い・・・・・・・早すぎる。

時の流れが、私の廻りでは年々速まっている。

きのこが終わり、秋だねえ、なんてぼんやりしてたら

あと1週間で12月じゃないの。


物がいつでも手に入り、昔のように正月用に準備する物は減ったけど

おばあちゃん達年代にとっては、正月は未だに特別な日。


少しづつ進めてきた庭の手入れだが

1番大変なのが『松』

怪我をする前には、おばあちゃんが手入れしていたが

高い所は大変なので、ここ数年は近所の植木屋さんに頼んでいた。

そのおじさんが、昨年から寝たきりになり

今年は自前で何とかしなくてはならなくなった。


夫が小さい松をちょっとだけ手入れしたが

下にシートも敷かず、やった形跡が解からないと

不満そうな顔。

大きい松は、背の高い義弟に頼んだらしいが

子守に忙しくて、始めるそぶりも無し。


じゃあ、ここは嫁の出番?

脚立、手袋、手甲と準備して、上から始める。

(古い松葉を摘み取るのだそうだ)



クレソン畑でつかまえて

ブルーシートも敷いた。

手袋と上着の隙間に松葉が当りチクチクと痛い。

脚立に跨って取っていたら、近所のYちゃんが通りかかり

『松の手入れなんて出来るの?見てて危なっかしいよ~』


次は義妹と姪が通り、『松は大変だね。でもおばあちゃんはきっと

ああじゃない、こうじゃないって文句言うと思うよ~』


みんなに冷やかされたけど、めげずにしばらく続けていたら

晴れていた空が急に曇り、冷たい風が吹いてきた。

フン・・・お天気まで馬鹿にして!


と、そこでおばあちゃんが自分の部屋から

バ『あんたぁ。松なんてできるのかね。上からやるんだよ』


私『上からやってるよ。

 古い葉を落とせば良いんでしょ?』


バ『そんなやり方じゃ駄目だよ、私が間を見てやるからいいよ。

 もう寒くなってきたから家に入って』


はいはい、解かりました。

やっぱり私も駄目出しされちゃったね。




クレソン畑でつかまえて


 もう山茶花が咲き始めた。

おばあちゃん、年を越すと、満90歳。

元気だよねえ。