走っていると走ることに慣れる。
あんま疲れくなる…
というよりは休憩したくない。
え、もうちょっとしてから休憩しようよ~
やっぱ休憩いらねえっか~
朝6時からこいで、夜8時くらいまでみたいに馬鹿みたいにこぐ日もある。
1日200キロとかこいじゃう日もある。
というのも荷物がふつうのチャリダーの人たちと比べて圧倒的に少ないから。
俺らは身軽すぎるんだ。

なんて調子こいていると、一気に疲れが出たりもする。
たった2週間のチャリ旅。
チャリ旅としては入門編の入門だと思うんだよね。
体調管理もできないし、コーラばっか飲んでるし!

赤土ってのが大変。
舗装されてないところが、村、町だと結構多い。
でこぼこ道もあれば、砂が巻き上がってしまうところもある。
車、バスが猛スピードで駆け抜けた時、砂の巻き上がりがひどくて、一回
自転車をおりちゃったこともある。
パンクも7回くらい。マニュエルはチューブも2回買い替えることになっちゃった。
道は結構、深くなっていくにつれて果てしない。
30~40キロおきに村。100キロ間隔くらいで町はあるんだと思う。
どっかの町での朝ごはん。
村、町…
いろんなそれらを訪れると感じることがある。
いい人たちがいるところ、よくない人たちがいるところ…
歓迎してくれる人たちがいるところ、あんまりいい目で見ないところ…
同じ食事でも値段が明らかに”ぼったくり”のところ。
2、3倍変わってくるのにはびっくりする…
ガーナに関してはそんなに治安とかそういうレベルでのよくないのとか
感じたことはないけど、こうして旅してると改めて認識できることがある。
”世界中、どこにでも良い人はいるし、どこにでも悪い人はいる”
でも、
自分の哲学でもっと言うなら、
”世の中、良い人の数は悪い人のそれに勝る”んだとは思うんだけどね。
ガーナは西アフリカの中で一番平和だ。と言われてる。
その理由が分かる気がする。
比較対象はわからないけど、絶対的なものとして”平和だ”って言いたい。
村に入っていけば行くほど…
人は単純になっていく。
大人も子供もみんなオレらに興味津々になっていく。
そして音楽にあふれる国。
どんな村だって、でっかいスピーカーもってたりして、ガーナの音楽、
ナイジェリアの音楽を流し続けてる。素敵なメロディー。
音楽が近くなると、”あぁ、あとちょいで着くぞ!”なんて…
政情不安定な国が多い西アフリカにおいて、大統領が亡くなってしまったら
政権をめぐっていろんな争いが起こることだろう…
自転車旅をはじめる2,3日前にガーナでは大統領が亡くなってしまった
わけだけど、ガーナはいたって平和。争いごとなんてどこでも起こらなかったよう。
オレらは、どこかの村人からもらった、大統領追悼を意味する赤と黒のバンド
を自転車にくくりつけるんだ。
村のこども。
村の小学校。
授業中にみんな飛び出してきた。
だから自転車を止めるw
みんなで写真撮ってたら、先生が”戻ってきなさい”って!
怒ってるけど、笑ってた。
こういう時間が本当に自転車をこぐ原動力につながっていくんだよね。

TIA
(This Is Africa)
オレらはなんかあると必ず”TIA”って叫んでた。
普段雨季だから曇ってるくせに、急に太陽がこれでもかってしゃしゃり出すとき。
(服を脱ぐしかねえええ)
スーツケースを頭にのせたおばちゃんが走ってるのを見たとき。
トイレで無限のハエにたかられて、叫んでしまったとき。
村でおっぱい出してるおばちゃん見たとき。
小便するとことバケツシャワー浴びるとこが一緒だったとき。
果てしない赤土の道を目の前にしたとき…
大地には人間は立ち向かえねえ。
意外と何を考えるでもなく、ひたすら無心で1つ1つ。
ペダルをこいでいくほかはないんだ。
もっといろんなことをぐちゃぐちゃ考えながらチャリをこぐのかと思ってたけど、
そんな余裕もまだないせいか、余計なことはあんまり考えれてなかった。
こんな生活を2週間。
意外にシンプルなものなんだよね。
シンプルな時ほど、自分のなかにシンプルに入ってくるのかもしれない。
疲れた、しんどい、嬉しい、うまい、…
村で疲れて座りこんでたときにもらったマンゴー。
とにかく嬉しいし、とにかくうまい…
ナイフなんかないから、かぶりついて皮を歯で引きちぎって食うんだ。
休憩中に飲むコーラ。
爽快感がたまらない。
毎日毎日休憩の度に飲んでる。
こんな生活を2週間。
そしてようやく着いたんだ。
終点ケープコースト。

オレらはかねてからの願いのピザを食べにいった。
この2週間、村、町周ってきてなんもおいしいもの食えなかったしなあ!

”オレらいい旅してたよな”
自分たちの旅に酔ってそれで満足する。
いい時間。
明日から朝起きると、またいつもみたいに自転車を果てしなくこぐ日々がはじまり
そうな気もするけどここで終わり。
とりあえず満足してんだ。
マニュエルはまだガーナにいるからチャリでもう少し旅を続けるって。
オレはシエラレオネへのフライトがもうすぐだからアクラにいる知り合いの所へ帰る。
2週間24時間一緒にいつづけるって不思議な感じ。
でもマニュエルとはここでお別れ。
マニュエルはマニュエルの旅をここからはじめるし、
オレはオレの旅をここからはじめる。
マニュエルは来年日本に来るって。
またどっか旅でも出たいなって思う。
ゆっくり休んで次の日、チャリをバスにつぎこんで首都のアクラに帰る。
近所の女の子がちゃんと帰りを待っててくれたよ…
おわり(完)







