生きれば生きるほど

今いるこの場所が好きになる

みんなが気づき出してる

私の手を引く年長者

昨日までと変わらない世界の中で


通り過ぎてくだけの他人たち

景色に紛れていった

命の輪郭など見えるはずもなく

見ようともしてなかった私


名前すら呼ばれない

肩書きが闊歩する

車掌さん、名前を聞かせて

本の文字に目を奪われてる学生さん

スマホ片手にリスケするサラリーマン

今この瞬間も自分だけの人生を走ってる

自分だけの命燃やしてる

今日という日

あなた達が少しでも幸せでありますように

1つでも多く心癒されますように



誰かが伝えてくれた

君が好きだよ

そんな言葉すら響かなかったあの日の私

なんだか抜け殻みたいで虚しくて俯いた

人の痛みはおろか

演じてる事にすら気付けずにいた


可もなく不可もなし

言わずと知れた大人のセオリー

言わずもがな

作られた大人のセカイ


だんだんと空気も冷えて

冬を予感する

あなたとはしゃいだ真夏の夜が

私を生き返らせた

思い出してく

目の前で笑うその他人の顔の見えない場所で

鼓動が騒いで身体中の血液が走ってる


端的な言葉でコミュニケーション取る君と

無言でその奥を見つめる私

噛み合わないなぁ

ジキルさんはハイドさんを庇ってる

そして

ハイドさんはジキルさんを敬う言葉で罵るの

シナリオにはない二人の関係性に踊るキミ



なんだか今日も

イライラした顔が溢れて

車掌さんの声は我が道を行く

いつか一人シネマで観たあの情景を

思い出して私は笑いを堪えてる