キスした。


たくさんキスした。



あー、このまま一緒に居たい



昔の記憶が蘇る。





私の初恋。


私にたくさんの初めてをくれた人。



初めて家に連れて行って人。


初めてキスをした人。


初めてした人。






知らず知らず封印された記憶が


走馬灯のように蘇る。







あれは私が14歳だった。


20年前。




私の住む家は、外壁工事をしてた。


毎日ペンキの匂いが漂ってた。



冬の寒空の下、ペンキの匂いを感じるたびに


何年経っても彼を思い出す。







夜な夜な小学校とか行った。



クリスマスにはマフラーを貰った。



元旦は早朝から一緒に地元を散歩して


地元中の鳥居を巡った。



バレンタインには私の手作りケーキを一緒に食べた。


もののけ姫を見て


映画が終わる頃、


初めてのキスをした。


画面が砂嵐の中、


毛布にくるまって何度も何度もキスをした。




私の2歳年上の彼。



学校が終わると坂の下で待っていたり


家の下で待っていたり。



夜遅くに出歩けない私に


近くの公園から電話してきて


ベランダ出て!


と互いに米粒くらいの姿を見ながら電話したり。


彼は高校を辞め、仕事をしていた。


作業着を着てる彼が大好きだった。



付き合っていた頃は


よくカラオケ行った。









忘れたフリして今を過ごすべきか


それとも思い出話をしてもいいのか


考えながら一緒にいたの。



でも、やっぱり彼の歌声が好き。



歌が上手い彼が今もカッコよくて。




こんなこと自分で言うのいたいけど、


私も歌が上手いから←笑



多分楽しくなっちゃったんだと思う。




ねぇ、キスしてもいい?


まるでそんな感情を笑いに変えるように


カウントダウンして


私にキスをしてくる。




いつしか私の隣に座り出し


私の肩に手を回す




何度も何度も何度も何度も、


私の名前を呼んでくる。



そして、


ハイタッチしてくる




いつしか私も彼を受け入れて


何度も何度もキスをした。




トイレから戻った


私の席は


彼の膝の上。





今日オレは、トムさんを抱きたい!



そんな宣言をされたりして。






別れてから、


どうして彼は私と付き合ったんだろう?


とかずっと考えてた。



私はギャルでもないし


決して可愛い女子でもなくて


絶対彼のタイプじゃないはずなのに


私を見つけ、気を止めてくれたフックは何だったんだろう?





この再会でもそう。


私なんか絶対タイプじゃないはず。


確かに私たちはかつて付き合った過去はあるけど


手を出してくるような女の匂いなんて


私にはないはず。



でも、本心はね、


すごく嬉しかった。






今、こんなに冷静に書いてるけど



居ても立っても居られないような



身体の感覚がなんか狂ってる。



彼のこと考えてばかりで


思い出を巡らせて


何も出来ずに


とにかくタバコの本数ばかり増えてく。




彼が私を見つめ


何度も何度もキスをしてくれる日が来ること


何度想像したことか。




別れてから


どれだけ引きずったことか。




忘れたくて


どれだけ遊び散らしたか。




頭が整理できないから


ただただ


思いついた言葉や


思い出したことを綴ってる。





彼とのキス。


身体中が思い出す。


また会いたい…


今度こそは


彼と2人きりで過ごす時間が欲しい。




身体が暴走してる。



忘れてしまうのが惜しい。