海に行った
地元に比べたら
それはそれは栄えて
たまに人工的なにおいもした
それでもいい
塩のにおいを感じたかった
どうやらひとりで散策に来たのは
わたしだけのようだった
子供が言うことをきかずぐずり
鬼のようになる疲れきった母親
ダメしか言わない父親がいた
自分が小さい時に家族で色々外出して
重なる部分もあった
他にもいろいろすれ違った
付き合いたてだろうか
やけに会話が有頂天で
止まらないカップル
馴れ合いの甘えなのだろうか
やけに刺々しい言葉で不機嫌
会話のないカップル
混むであろう岬の東屋を独占して
なんも思わないんだろうか
老夫婦
人の多いところで歩きタバコの夫に
注意もできないように見える妻
自然の中の生き物や
ただ上を見て息をすることに
集中できた
多分人に合わせていたら
自然を感じることに
集中できなかったかもしれない
他には明らかに趣味の
カメラをもった
おじさんがいた
仕事って感じではない
季節の移ろいを
その腕におさめていた
ただし写真には
他の人がうつる
それでもいいのかと
不思議に思った
景色だけが欲しい気持ちを
諦めたのか
そうであれば
すごいな
近くの寺に
立派な仏像があり
細やかで美しく
見ていると
「で、お前はどうなりたいのだ」
聞かれている気がした。
家族
それはきっと他人同士の集まりだ。
うまくいっていると思っても
外面の形だけ豪勢に作っても
中身の土台をしっかり作っている途中でも
作り上げたと思っても
体裁だけ整えても
体裁だけ整えているつもりがなくても
向き合おうと努力しても
いつなにが欠けどうなるかわからない
病気
夫婦間や親子間
子供の抱える問題
いきなりの事故
死別
仲の良いと思っていた家族の終焉
何を選んでもそれぞれで
苦しいのだと思うのだが
つい隣の芝生を青く見て
比べられない次元の違うものを
知って比べた気になることは
愚かなことなんだろう
その時その時で
適切なものは
ちょうどいいものは
変わっていく
ずっとこれで安泰なんてものは
ない
だから常識や世間的にはっていう
漠然としたものに占拠されたり
日々の小さなことや感情に
いちいち支配されていては
時間は限りがあるのに愚かで
あまり賢くないと思った
ひとりでいても
だれかといても
つらいことはどの生活にもそれぞれにある
そしてそれは
比べられない
なにかの時がきたときに
どのきつさを選ぶかだ
寺のししおどし
水がいっぱいいっぱいになると
「カコッ」って溜まった分を吐く
人もそうだ
いっぱいいっぱいだと
冷静になれないのだ
いつもと違う景色は
こういう気づきがあったりする
動くことは疲れるけど
人といると気遣いに覆われて
こういった気づきはない
だから
ひとりで出かけるのが好きだ
家で淹れたコーヒーをもって
