とっても綺麗で、誰もが振り返る。
いつでも素敵なママは、私の憧れ。

ずっと病弱で内気な私を、いつも気にかけて支えてくれる。

ママには、何も隠せない。

私の顔色ひとつ見ただけで
熱があるのか、頭が痛いのか、疲れて無理してるのか…

そして…
寂しいのか、泣きたいのか、甘えたいのか…

よく「大丈夫?」って、人から声をかけられることが多い。

心配かけたくなくて、迷惑かけたくなくて
「大丈夫です。」と、いつも返事をしてしまう。

だけど、いくら我慢しても強がっても
ママには、お見通しなの。

だから、ママは、「大丈夫?」って聞かない。
微笑んだまま、黙って優しく抱きしめてくれる。

どうしてわかるんだろう?そう思ったときだって
「あなたを愛してるから。」って、微笑まれた。

背中を、優しくポンポンしてもらってると
すごく安心して落ち着くの。

ママに包まれるだけで、身体も気持ちも落ち着いてしまう。
不思議な魔法にかかるの。

でも、ママは、私を抱きしめた後、
「レイさんを抱きしめていると、私のほうが癒されるわ。」って…

とても嬉しかった。

ホントはね、ずっと傍にいて甘えていたい。
私、タオちゃんよりも、ママっ子歴長いんだもん。ふふふっ…


『レイさん。すごくご機嫌ね。』

『ママ。今日も麗しいですわ。』




パパは、すごく頼りになる懐大きく愛情たっぷりな人。
私たちを、見守る眼差しは、とっても温かい。

いつも、見てくれている。
いつも、欲しい言葉をかけてくれる。

私のダンスを、とても褒めてくれる。
「レイのダンスは、とても神秘的だね。」

ふふっ、神秘的だって…。

いつも向かい合うように、視線と気持ちを合わせてくれる。
だから、一緒にいると心地がいい。

レッスンに没頭してると、「レイ、極めすぎ~!」
そう、おどけたようにして声をかけてくれる。

わかってる。無理して倒れないように、
ずっと見守ってくれてる事、感謝しています。

チェンチェンと悪戯を計画しているときは、男の子。
タオちゃんといると、ママになる。うーん、たまに一緒に赤ちゃんになる?

ルハンちゃんと大騒ぎしてる時は、親友かしら?
ファザコンのルハンちゃんだから、恋人ごっこかな。

ママといるときは?
きっと、もっと甘えさせてくれてるのかな?

ママが言うの。
レイさんの将来のパートナーには、
パパのような心の広い人が傍にいてくれると安心するって。

パートナーって…
そんな、まだ、殿方なんて、私、恥ずかしくて…。
私は、ずっといまのままで満足なのに…


『レイ。どう?カッコ良く撮ってくれてる?』

『はい。世界一カッコいいパパです。』




最近、チェンチェンの成長が目覚ましい。

丸い澄んだ瞳、無邪気な笑顔、くるくる変わる表情は、
ずっと変わらないけれど…

色んな意味で、とても、やんちゃになった。
好奇心のまま、もっともっとと求め、夢中になる姿が頼もしい。

目覚めてから、寝るまでの間、ずっと楽しんでる。
そんな姿が、ときどき眩しい。

彼が、私との時間を恋しく思う時って、お腹が空いたり、眠くなるときかしら?
陽だまりの匂いを纏って、「ただいま!」って。

「おいしいね!」って、口いっぱいにおやつを頬張りながら
さっきまでの『探検』を、身振り手振りでおしゃべりしてくれる。

次の『探検』のために、優しい眠りにつかせてあげる。
寝顔は、あどけないままなのが、嬉しくなる。

よく、私にピアノ弾いてってお願いしてくる。

小さい頃は、楽しそうにはしゃぎながら眺めていたのに
近頃の君は、少しうっとりした顔をする。

どうしたの?って聞いたら、
さっきまでの表情をかき消して、焦ったようにはにかみながらも…

「レイヌナの指、とってもキレイだね。」って…
思わず、心が、くすぐられちゃった。

君が、こんな言葉を、口にするようになるなんて
パパ譲りなんだって思ったわ。


『レイヌナ?…なんか照れちゃう。』

『ふふっ、照れてる君もステキ。』




今、少し眠いし、甘えたい顔してる。
ママが、ご挨拶まわりで席はずしてるから、もう寂しいんだわ。

一日中、あんなにママを独占してるのに?
まだ、甘え足りないの?

いつまでも、赤ちゃんマンネでちゅね。
でも、素直に甘えられて、羨ましい。

そのまま、無垢なまま、
真っ直ぐ大きくなって欲しいわ。

笑って、喜んで、泣いて、怒って…
たくさん食べて、たくさん遊んで、たくさん寝て…

生まれたときから、すべて許されたことだったのに
いつ頃からかな?いつの間にか、自分で、セーブしだしたのって…

こうして大人になって行くんだと。
そう、自分で思ってた。

でも、セーブの加減って?
どれくらいなのか、途中で、わかんなくなっちゃった。

一度、セーブしたのを、少し戻そうとしたら、
周りの目には、すごく大きく映るんだってことも知った。

変わろうとすることって、倍以上の強さがいるんだなって…
その強さって、生まれ持ってこなかったよね?

もしかしたら…、私が、忘れてきたの?
タオちゃん見てたら、やっぱり私だけ忘れてきたのかも…

「僕は、ママが、大好き!」
そう、屈託のない笑顔で口にするタオちゃん。

言葉を、声に出して伝えてるってこと?
あ、でも、そうしちゃうと…

あ、ほら、すぐこう考えちゃう。
たまには、少しタオちゃんっぽく、私も言ってみようかな。

ふふっ。
タオちゃんって、大事な宝物は、いつも握ってるのよね。
この間までは、パンダさんのぬいぐるみだったのに。


『僕のママどこ?眠くなっちゃった。』

『タオちゃんはいい子ね。もうすぐ戻られるわよ。』




「レイさん?せっかくのミルクティー冷めちゃったよ。」
「うん。」

「珍しいね。今日は、どうしたの?」
「うん、そんな気分なの。」

「あはっ、なにそれ~!」
「ルハンちゃんって、……やっぱり可愛い。」

「うん、知ってる~!っか、その間、要らないでしょ!」
「言う?」



天使のような愛くるしいあなたの笑顔に
誰もが、心を掴まれてしまう。

その瞬間、時間が止まったかのように、誰もが息をのむ。
再び、自らの鼓動を感じ取る時は、もう、違う音で弾んでいることを自覚する。

そう、最初は、この愛くるしい容姿から受ける
そのままの印象を、誰もが抱く。

そう、期待され、押し付けられる。
わかってるけど、お構いなしにありのまま振舞う。

そう、誰もが、戸惑う。
わかってるけど、お構いなしにありのまま振舞う。

初めて会ったときに、誰が想像できるかしら?
ふふっ、絶対、無理よね。

笑顔の瞳の奥に、強く熱い何かを感じ取ったとき。
簡単には、寄せ付けないオーラを感じ取ったとき。

多くは怯んだりする。
それでも、更に近づきたいと思わせる魅力がある。

ありのままのあなたに、多くの好意や愛情が注がれる。
だけど、あなたが、それに応えようとする人は、家族や友達。

あなたが、自ら心を動かすことがない限り
ありのままの“特別な笑顔”は、向けられない。

でも、一度、向けられると、ずっと惜しみなく注がれる。
向けられたい一心になると、さながら、障害物レースかしら?

でも、最近、“特別な笑顔”のレパートリーが、秘かに増えたでしょ?
ふふっ、私の気のせいかしらん?

ルハンちゃんの特別な心のゴールに飛び込んでくる人、
もう、自分でわかってるでしょ?

最近、パパが、寂しがってるの気がついてる?
大切に育てた大事なルハンちゃんを、奪われたくないみたい。

ずっと、パパが一番!パパのお嫁さんになる!
そう言ってたけど、まだ変わらない?


『ルハンちゃん。最近、お肌の調子が良くってよ。』

『えっ?なっ…、えっ、そ、そう?』




じゃ~ん!
ここから、ルハンちゃんが隠し撮り~!

うーん。
ホント、レイさんって綺麗!

この可愛いルハンが、綺麗の座を譲ってあげるくらい。
でも、本人、まったくの無自覚!

美しくて、繊細で、優しくて、思いやりがあって…
びっくりするぐらい天然で、抜けてるんだけどね。

無自覚すぎて、うようよ寄ってくるナムジャに気がつかない。
無防備すぎて、心配でならない。

ただ、純粋な人だから、とても傷つきやすいの。
疑うことを知らないから、自分が悪かったかのように悲しみだす。

レイさんの綺麗な顔に、涙ってのも、ドキッとする美しさがあるんだけど
見ている側も、切なくなるくらい悲しくなるの。

どれだけパパやママや私が、守りきってることか!
特にママは、心配で心配でたまらないみたい。

いつも、やわらかい空気を纏ってる。

レイさんの隣りにいるとね、癒されるの。
何の言葉も要らない。

ただ、隣りにいるだけで、自分の中の黒々した部分が
不思議と、すっと取り去られてしまうの。

その分、レイさんが、心痛めてくれているのかって心配になるくらい。
でも、隣りで、微笑んでるだけ。

言葉にして、アレコレ伝えることをしない人だから
微笑みながら、寄り添われたり、両手で頬を包んでもくれる。

思わず、そのやわらかさに全身で甘えてしまう。
うん、私たち家族はね。

でもこれって、世間では、魔力だわ。

こんな魔力、家族の中だけに閉じ込めておかないと
無自覚・無防備レイさんは、パパやママや私だけじゃ守りきれない!

幸い、人見知りだし、にぎやかな所も苦手だから、
今まで、事なきを得てるってのもある。

こんなにすべてを守ってあげたくなるレイさんだけど
ステップを踏み出すと、変身するの!

静から動へのギャップの差が、スゴイの!

そう言うと、「ルハンちゃんが、なに言ってるの?」って
くすくす笑いだすんだけどね。

普段は、佇まいがふんわりしてるのに、ステップ踏み出すとシャープになる。
指先から、星屑の瞬きが飛び散ってそう!
これ、ルハン的に、いい表現でしょ?

そして、また、静に戻るんだけど…
踊り疲れたレイさんからは、色気が漂うんだよね。

ママが言うには、“月夜の美しさ”だって。
そして、また、いつものふんわりしたレイさんに戻るの。

レイさんが、月夜の色気だったら…
私は、……なに?


『さ、子どもたち、時間になったよ!』

『ご用意はよろしくて?』






以上、めぐにゃん身勝手妄想劇場でした。ペコリー

(ステキな画像おかりしました)