かれこれ3度ALL書き直しさせられてますorz

もう、保存できないってどういう事よ!

本気で泣いちゃう…(ノ◇≦。)


かぜっぴきver.でここまで書く予定が全然来れなくて…

結局前後編な状態です。


※成立後・同棲設定。ついでに言えばお互い全部ばれてる状態ですw






゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆あまえんぼ。―看病されちゃおうver.―゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆





普段であれば、まだ広いキッチンでせわしなく動き回っている時間。

キョーコはパジャマに着替え、主寝室のベッドの上に寝かされていた。



額には社が買ってきてくれた冷え○た。

頭の下には厚手のタオルに包まれた氷枕が敷いてある。


『頭も冷やしすぎてしまうといけないよね?』と蓮がわざと厚手のタオルを選んでくれたのだ。




今は蓮がダイニングで、冷凍庫にストックしていたおかずを温め食事をしているはずだ。

本当はレンジでチンするだけなのだから『それくらいはする』と言ったのだけど。

『絶対ダメ』の一点張りな蓮に、さっさと寝室へ押し込められてしまったのだ。



(もう、寒気止まったから熱上がる事ないのに…)


寝室でパジャマに着替えさせられる際、熱を無理やり測らされた。

体温計の数字は『39.4』

キョーコにしてはなかなかの高熱だ。


それでもキョーコは少しでも蓮の為に働きたいと、駄々をこねた。



(蓮さんの側にいたいな……)



一人じゃ本当にご飯をきちんと食べているか心配。

…という理由も少しはあったりするのだけれど。



熱でぼんやりとした頭は、元来悪い方向に考えがちなキョーコの思考を、さらに悪い方向へと導きやすい。



(私なんていらなくなっちゃうくらい、蓮さんが何でもできるようになっちゃったら…)


ベッドサイドのランプ一つしかついていないほの暗い部屋の中で、キョーコの思考も引きずられるように暗くなる。

暖色系のそのランプの灯りは二人で眠るときには温かく感じるのに、今は暗いと感じてしまう。




(熱で寝込んでるうちに、蓮さんご飯きちんと食べれるようになって、ご飯も作れるようになって………)



(そしたら私、やっぱりいらなくなるかな…?)


「キョーコ。大丈夫?」



昏い考えにじわりと涙が滲んだところで、蓮が静かに寝室へと入ってきた。



急いでシャワーまで浴びて来たのか、髪がオレンジ色のライトに照らされて元の金に近い艶を発色する。

ベッドサイドテーブルに手に持っていたミネラルウォーターのペットボトルを置くと、キョーコの顔を覗き込む。


「…キョーコ、泣いてるの?そんなにつらい?」

「ううん、大丈夫。」



ぐしっと鼻をすすりながら目元を隠そうとキョーコは試みるが、蓮の大きな手が両手首を掴み、上からのしかかるように覗きこまれてなす術がなくなった。


「今日は嘘吐きだね、キョーコ…何考えてたの?」

「別に何も」

「それも嘘。…キョーコの事は何でもわかってるよ?どうせ、何か悪い方向に考えてたんでしょ。」

「べ、つに……」

「『熱で何もできない自分は俺の足手まとい』とでも思った?」


蓮の見当があながち外れでもなくて、キョーコは思わず返答に詰まってしまった。

そんなキョーコの様子を見て、蓮は溜息を吐き、そのままキョーコの上に倒れこむ。


「キョーコ…俺、キョーコがいないと生きていけないんだよ?『足手まとい』とか『いらないかも』とか、勝手に思わないでくれないか?」

「でも…」

「今までキョーコの環境では『甘える』って事が許されなかったのはわかるけどさ。せめて俺には甘えてよ。」
「だめですよ…だって、甘えることに慣れちゃったら、私…蓮さんに頼ってばかりのダメな人間になっちゃうかもしれないじゃないですか……」


蓮の入室によって一度止まった涙が、再びじわりと滲み出してくる。


熱でもともと潤んでいた瞳からは零れ落ちそうになるのは簡単で、つぅ…と頬を伝い落ちる瞬間を狙って、蓮は涙の粒に唇を寄せた。



「俺はキョーコを甘やかしたいよ?キョーコをどろどろに溶かすくらいに甘やかしたい。だって、それがキョーコの恋人になった俺の特権だからね。」

「何ですかそれ…私、溶けちゃうんですか?」

「そう、溶かしちゃうんですよ。」



くすくすと笑いながら自分の上から退こうとしない蓮の重みと温もりに、キョーコは不思議と安らぎを感じていた。



(重いけど…でも嬉しい)



体重を全て掛けないようにさりげなくついている肘が、覆いかぶさっているけれど負担にならないように触れ合うだけに気を使ってくれている広い肩が。


全てが愛おしくて、ドキドキするのにホッとする。



「溶けたら私、どうなるんですか…?」

「そうだなぁ…俺も溶けて一緒になる?」

「…お仕事が困りそうです。」

「え、その心配なの?」

「ですです。」


視線を絡めて二人でくすっと笑いあうと、蓮はキョーコの上からのっそり起き上がり、ベッドの端に腰掛けた。



「じゃあ…今は私が眠るまで、手を繋いでいてくれますか?そばにいてほしいです…」

「勿論。ゆっくりお休み。」


差し出した右手が蓮の左手に包まれると、キョーコはふわりと身体が軽くなった気がした。



熱はまだあるけれど、きっと今夜はぐっすり眠れそう…


先ほどまで寂しいと感じていたライトの光がほんわりと柔らかく揺れていき、キョーコの意識もゆっくりと静かに閉じていった。





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一番書きたかったのは「どろどろに甘やかしたいんだよ」と言う蓮様の台詞~!

うん、今まで頑張ってきたきょこたんをぜひぜひどろどろに甘やかしてちょうだい…!



…と言うのが書きたかったのに、結局1話で収まらなかったという。てへw


むしろかぜっぴきver.いらなかったんじゃ!?

でも自分の中では必要だった…




季節柄甘めのお話が読みたい日々。

某所の企画も甘々ですから、今年の冬は甘~い蓮キョがたくさん読めるといいな。