最近すっかりやさぐれモードなので参加は遠慮しようかとも思っていたのですが…
まるっと1日経ってもどなたも挙手しなかったので、そっとそっと電柱の影から、ひっそり挙手をしてみました。

メロキュンのお題第6弾「しりとり」です。
前走者のピーチ様が最後「の」で終わってるので、マックは「の」から始まります。
そして書き進めてるうちになんだか前後編っぽく…
でも書き上げられるかわからないから、タイトルに(前編かもしれない)って入れたいwww

相変わらずメロキュンどころか自分に迷子ってますが…
まあ、お気になさらずw
あ、携帯から打ってるとリンク貼れないのでピーチ様とか研究所とか、リンク一切貼ってません。
不親切でごめんなさい―m(__)m


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最近、私の心臓は壊れそうなほどに音を立てる。

いつもって訳じゃないけど…

でも突然だから。
あの人に関する物事にだけだから、それは困るの………





「わぁ!蓮の新しいポスター、かっこよくない!?」
「ヤバイね、色気超ある~!」
「「さすが抱かれたい男ナンバーワンよね~~っ!!」」


目の前を歩いていた女の子達が、ショーウィンドウに飾られた1枚のポスターに賞賛を贈りながら、お店へと吸い込まれていった。

大型輸入雑貨店の店頭に貼られていたのは、最近日本に輸入され出した女性向けの香水のポスター。

『もっと若い人にも香りを楽しんでもらいたい』と、若手有名デザイナーとアール・マンディ氏がコラボして作られたその香水は2種類の香りが用意され。
1つはアルマンディの店舗のみ販売、もう1つは若手デザイナーがいつも販売を委託している某大型輸入雑貨店でしか販売していないのだ。

それでも、高級なアルマンディのコラボ商品なのに、若者向けにお値打ち価格だし(と言っても、私にはなかなか手が出ないお値段だけど…)
何より、この『俺を誘う香り』とフレーズが入った敦賀さんのポスターに人気が集まり、飛ぶように売れているらしい。

(……キレイ)

思わず足を止めてしまった私を迎えてくれるのは、夜の帝王の雰囲気を纏った、妖艶な笑みを浮かべる敦賀さん。
………のポスター。

(ポスター相手に何でこんなにドキドキしなくちゃいけないのよ…!)

〈ドクン、ドクン、ドクン…〉

さっきの女の子達が『蓮』と口にした瞬間からうるさかった心臓の音。
ポスターの中の敦賀さんと目が合うことで、ますます大きくなっていく。

最近はご本人に会えていない。

映画のロケで、山奥にある旧家を借りきっているらしい。
ずっとそちらに行ったままなので、ラブミー部への夕食の依頼も入らないのだ。

でも、それで良かったと思ってる。

だって、他人の口から名前を聞いただけで。
ただ街中に貼られてるポスターを見ただけで、こんなに心臓が音をたてるのよ!?
ドクバクしちゃうのよ!?

こんな調子じゃ、ご本人に会った時にはきっと、心臓爆発して壊れちゃうんだと思うの!

「~~っあぁ、なんて恐ろしい人なの…!」

人の往来する歩道ど真ん中で、思わず頭を抱えてしまう。

こんなに人の思考を捕らえて離さないなんて…
本当にタチが悪いったらありゃしない!

「ふぅーん…俺はタチが悪いんだぁ……」
「………へ?」

何だか今、後ろからおもいっきり知ってる声が聞こえたような…
背後から突き刺さるのは、きゅらっとしたお得意のあの空気…

「つふぐぁっ……!?」
「ハイハイ、バレちゃうから大きな声出さないようにね?」

叫び出した口を大きな手で塞がれ、挙げ句ぎゅうと背後から大きな体に抱き締められた。

――すみません、これでパニックになるなと言う方が間違ってますよ!

心臓が今までにない程大きな音を立てている。
敦賀さんにも聞こえちゃってるかしら…!?

と言うか、私の独り言はどこまで聞かれてたのかしら(汗)

「うーん、俺の話を聞いたりすると『心臓が大きな音を立てる』…あたり?」


ギャーっ!!?つまりほとんど最初からじゃないですかぁ!

うっかり独り言を本人に聞かれていた恥ずかしさも手伝って、体中から嫌な汗がぶわっと噴き出す。

………だけど、それ以上に心臓が、痛いくらいに激しく動いてる。
体の中に心臓しかないんじゃないかってくらい、ドクバク跳ね回ってる。

やだ…こんなの知らない。
こんなの、私じゃないみたい…!

「……最上さん。その症状、何だか知ってる?」

敦賀さんの大きな手が、そろりと口元から外れていく。
その温もりが寂しくて、唇がじんと痺れた。

「……いえ。」
「そう?それは『恋』って言うんだよ。」
「っ、嘘!!」
「大きな声は出さないで…ね?」

痺れていた唇が、再び大きな掌に包まれる。

「ねぇ…俺の名前を聞く度に、俺の姿を見る度に、ドキドキするんだよね?」

それはもう独り言で聞いてたんでしょう?と思いつつ、コクコクと首を縦に振った。

「俺の事考えてくれる時間も、ドキドキするんじゃない?」

…まぁ、それも本当のことなので、首を1度だけ縦に振る。

「最近、俺に会えなくて寂しかった?…俺の事、考える時間増えた?」

本当は、寂しいと思ってた。
本当は、気がつけば敦賀さんのこと1日中考えてた。

ずっと気がつかないフリしてきたことを言い当てられて、思わずギクリと体を強張らせてしまった。
それが敦賀さんに伝わらないはずがなくて……

「うん、お返事ありがとう…それは君が俺に『恋』してくれてる証拠だから。」

ポスターが貼られたガラスの壁面では、帽子を被った敦賀さんの表情がなかなか写り込んでくれないけれど。

だけど、声でわかる。
敦賀さん、きっと今、あの神々スマイルで私を見てる。

その時、あの美月を愛しそうに見つめていたDMの演技テストを思い出した。

(何で今思い出す……あ。)


その予感は、だけど確かなもの。

気が付かないフリをしていた色んなことに気が付くまで、あと少し―――





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あれ?タイトルとの関係性が微妙…(汗)

でも『notice』の意味を調べた時に『認める』とか『気づく』とかあって。
キョーコが蓮の気持ちに土壇場(何の?)で気付いたらどうなるんだろうか…と思いながら書いてた話だったから、勝手に盛り上がってしまったと言う。

あ、蓮の気持ちに気づく前に、キョーコちゃんは自分の気持ちを認めましょうねぇ。


で、『恋』と認めるのはいいけど、先がまだ書き終わってない…←またかー!
最近、尻切れとんぼな話が多くていかんなぁ……