社長さんの応接室で腕を掴まれてから、私は敦賀さんに引き摺られるような形で事務所を後にしていた。
押し込められたのは、駐車場に停めてあった敦賀さんの愛車。
有無を言わさず助手席に座らされ、シートベルトをがちりと付けるその指先は熱があるのかと疑うほど熱い。
「つるがさっ」
「黙って」
指先の熱とはうらはらに声は固く、どこまでも冷気を帯びている。
BJの時にだってこんな敦賀さんにはお目にかかったことはなくて、私は体を縮こまらせて助手席に収まるしか道が残されていなかった。
敦賀さんはそのまま運転席に乗り込み、荒々しく急発進させる。
(どこへ行くの…?と言うか、何の敦賀さんの地雷を踏んでしまったの……?)
完全に私語厳禁状態の車内で一人、必死に頭を働かせる。
しかし、横目に盗み見る敦賀さんの表情があまりにも険しくて、なのに怨キョも反応しなくて。
敦賀さんの考えが読めない。
こわい………
そうこうしているうちに、車は敦賀さんのマンションの駐車場に辿り着いてしまった。
助手席から無理矢理引きずり出されると、再び手首を掴まれエレベーターホールへと向かう。
「や!いたっ…敦賀さんいたいっ!」
今の状態の敦賀さんが『話し合い』なんて出来るとは思えなくて、腕を押さえつける手を掴み必死で足を突っ張るが、ずるずると体はエレベーターへと引き込まれる。
エレベーターへと体が完全に乗ってしまった瞬間、敦賀さんに腰を掴まれ、荷物のように肩へと抱えあげられた。
「きゃっ!?やだ、降ろしてください…!」
この体勢ではどうにも抵抗が出来ない。
あっという間にエレベーターは最上階に到着し、敦賀さんはスタスタと玄関のドアへと向かう。
「離して、降ろして敦賀さん!」
広い廊下に響くのは、敦賀さんの靴の足音と、私が抵抗のためにと敦賀さんの背中を叩く音。
それから自分が敦賀さんを拒絶する声………
カードキーで難なく自室の鍵を解除した敦賀さんは、私の靴はそのままに、抱えた私を下ろすこともなく真っ直ぐ寝室へと入っていく。
お付き合いが始まってから寝室に立ち入るのは、実は初めてのことで。
でも寝室に入ることが何を意味するかは、いくら経験がない私でもうっすらわかる。
背中を叩いて足をばたつかせて必死の抵抗を試みるも、ベッドの上にぽいっと投げられてしまった。
「きゃうっ!!…あっ」
「逃がさないよ。」
お尻からぼふんっと落下して、すぐさま体勢を整えようとしたけれど、間に合わなかった。
敦賀さんが上に跨がってきて、体を押さえつけにかかってきたのだ。
焼くように熱い掌が手首を掴み、体をベッドに縫い止める。
『靴脱いでないからベッドが汚れます』とか、パニックになった今、この状況下でどうでもいいことが頭を掠めるが言葉にならない。
「………許さないから。」
無言で必死に続けた抵抗を止めたのは、恐ろしく低い敦賀さんの声。
「俺から離れるなんて絶対に許さない………絶対に別れないから。
別れるって言うのなら、キョーコが二度と離れていかないようにこの部屋に閉じ込めるから……」
今までにない敦賀さんの様子に、恐怖と戸惑いを覚えていると、敦賀さんの片手がリボンタイへと伸びてきた。
************
ああ、やっぱ次は限定らしいです。
でも大したことはしないですよ、本編は別館避難にしたくないから。
ちょっと蓮が乱暴なだけ…←十分限定行きな理由
押し込められたのは、駐車場に停めてあった敦賀さんの愛車。
有無を言わさず助手席に座らされ、シートベルトをがちりと付けるその指先は熱があるのかと疑うほど熱い。
「つるがさっ」
「黙って」
指先の熱とはうらはらに声は固く、どこまでも冷気を帯びている。
BJの時にだってこんな敦賀さんにはお目にかかったことはなくて、私は体を縮こまらせて助手席に収まるしか道が残されていなかった。
敦賀さんはそのまま運転席に乗り込み、荒々しく急発進させる。
(どこへ行くの…?と言うか、何の敦賀さんの地雷を踏んでしまったの……?)
完全に私語厳禁状態の車内で一人、必死に頭を働かせる。
しかし、横目に盗み見る敦賀さんの表情があまりにも険しくて、なのに怨キョも反応しなくて。
敦賀さんの考えが読めない。
こわい………
そうこうしているうちに、車は敦賀さんのマンションの駐車場に辿り着いてしまった。
助手席から無理矢理引きずり出されると、再び手首を掴まれエレベーターホールへと向かう。
「や!いたっ…敦賀さんいたいっ!」
今の状態の敦賀さんが『話し合い』なんて出来るとは思えなくて、腕を押さえつける手を掴み必死で足を突っ張るが、ずるずると体はエレベーターへと引き込まれる。
エレベーターへと体が完全に乗ってしまった瞬間、敦賀さんに腰を掴まれ、荷物のように肩へと抱えあげられた。
「きゃっ!?やだ、降ろしてください…!」
この体勢ではどうにも抵抗が出来ない。
あっという間にエレベーターは最上階に到着し、敦賀さんはスタスタと玄関のドアへと向かう。
「離して、降ろして敦賀さん!」
広い廊下に響くのは、敦賀さんの靴の足音と、私が抵抗のためにと敦賀さんの背中を叩く音。
それから自分が敦賀さんを拒絶する声………
カードキーで難なく自室の鍵を解除した敦賀さんは、私の靴はそのままに、抱えた私を下ろすこともなく真っ直ぐ寝室へと入っていく。
お付き合いが始まってから寝室に立ち入るのは、実は初めてのことで。
でも寝室に入ることが何を意味するかは、いくら経験がない私でもうっすらわかる。
背中を叩いて足をばたつかせて必死の抵抗を試みるも、ベッドの上にぽいっと投げられてしまった。
「きゃうっ!!…あっ」
「逃がさないよ。」
お尻からぼふんっと落下して、すぐさま体勢を整えようとしたけれど、間に合わなかった。
敦賀さんが上に跨がってきて、体を押さえつけにかかってきたのだ。
焼くように熱い掌が手首を掴み、体をベッドに縫い止める。
『靴脱いでないからベッドが汚れます』とか、パニックになった今、この状況下でどうでもいいことが頭を掠めるが言葉にならない。
「………許さないから。」
無言で必死に続けた抵抗を止めたのは、恐ろしく低い敦賀さんの声。
「俺から離れるなんて絶対に許さない………絶対に別れないから。
別れるって言うのなら、キョーコが二度と離れていかないようにこの部屋に閉じ込めるから……」
今までにない敦賀さんの様子に、恐怖と戸惑いを覚えていると、敦賀さんの片手がリボンタイへと伸びてきた。
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ああ、やっぱ次は限定らしいです。
でも大したことはしないですよ、本編は別館避難にしたくないから。
ちょっと蓮が乱暴なだけ…←十分限定行きな理由