「夏と言えば、まずこれです!」

そう言って彼女が持ってきたのは、色とりどりの具材が乗った冷やし中華。

「へぇー…ずいぶんカラフルなんだねぇ。お店で見るのとはまた違うなぁ。」
「具材は家庭や店によって入れるものが違いますからね、今日は敦賀さんバージョンです!」

ニコニコ差し出される皿に目をやるが、ふと最後の言葉が引っ掛かった。

「…俺バージョン?」
「ですよ?いっぱいお野菜も摂れるようにしたんです。」
「キョーコバージョンもあるの?」
「私が昔から食べてたのは、カニカマが入ってたりしてこんなに具も多くないので…」
「じゃあ、今度はそれ作ってね?」

にっこり笑って「次の夏の味」をもう指定してしまう。

「え?でも」
「俺も食べたい。キョーコが小さい頃から食べてきた味。」


それは君を知る魔法。


それが例えばすでに『過去』となったものでも、大好きな君の事は余すことなく知っておきたいから。

だから教えて?
頑張って嫉妬しないようにするから………



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今回の夏の美味しいもの『冷やし中華』。

具材は本当に、家によってちょっとずつ違いますよね。
小さい頃と今の好みも変わってたり。
わが実家はカニカマ→ロースハム派にいつの間にか変わってました。
まぁ変わった原因は恐らく私にあるんですが。
(家庭科の授業で見たビデオのせいで、カニカマが嫌いになった女)

蓮なら「これが昔、不破と一緒に食べた味なのか…」とか勝手に想像して、勝手にヤキモチ焼いちゃいそうな気がするんですよねー。
でもキョーコの事はぜーんぶ知っていたいから、文句言いつつ食べちゃう☆
もちろん今回の「自分の為のレシピ」も密かに喜んでますw

うぬぬ、相変わらず短い文章に纏めるのは難しい。
あとがきの方が長いとかひどいwww