「それを許したら、私もずっと片想いでいなくちゃいけないんでしょう?敦賀くんの気持ちがせっかくわかったのに。そんなの、イヤよ…っ!」
「…………えっ?」
「だって、私が好きなのは敦賀くんなのに……」
ちょっと怒ったように尖らせた口から発せられる言葉が、一瞬理解できなかった。
ぽかんと開いた口が閉じられない。
俺、今きっと最高に間抜けな顔をしてるんだろうな。
だけど、最上さんの言葉が信じられなくて、思考回路が鈍くしか動かない。
『俺の事が好き』って…何かの聞き間違いじゃないのだろうか。
「でも『好きになっちゃいけない人』って…」
「だって、私は敦賀くんより3つも年上なのよ?敦賀くんには瑠璃子ちゃんみたいな、私なんかよりも年下で可愛い彼女がお似合いなのに…」
「もっ最上さんは可愛いです!」
また最上さんの『私なんか』が出てきて、思わず全力で否定する。
最上さんは少し頬を赤らめて、顔を少しだけ下げた。
「…敦賀くんは私よりずっと大人っぽくて素敵な人よ?だから、惹かれていく自分が怖くてモー子さ…琴南さんと先輩に相談してたの。」
「それであの日リック達は来たんですか。」
こくり、と小さくたてに揺れる頭。
『惹かれるのが怖い』って事は、『不破尚』のせいで負った心の傷はまだ癒えていないのだろうか。
と言うか…俺、最上さんに買いかぶられ過ぎてやいないか?
そんなすごい人間でも何でもないのに………
「俺、最上さんが思ってくれてるほど大人でもないし、全然素敵なんかじゃないんですけど…でも、本当に自惚れてもいいんですか?」
最上さんの前では自信なんか本当になくて。
どうしても後ろ向き発言になってしまう。
「敦賀くんのばか…っ!もっと自惚れてよ。敦賀くんはいつだって私に自信をくれる存在なんだから、敦賀くんがそんな事言わないで…!」
「すっ、すみません……」
ちょっと怒ってしまったのか、両手を胸の前で握りこみ、涙目になりながら語気を強める最上さんに、思わず謝ってしまう。
泣かせたくなんかないのに、結局また泣かせてしまうなんて…
数メートルの距離を、緊張しながら一歩ずつ進む。
最上さんのすぐ目の前に立つと、最上さんはぽろりと涙を一粒こぼした。
何てきれいな涙なんだろうと、昨日はテンパりすぎて記憶することすら出来なかった涙の粒を目で追い、新しく雫を作ろうと水気を溜め込む目元を指でそっと拭った。
「敦賀くんの事、本当に好きなの……だからもっといっぱい自惚れてよ……」
ぽつりと放たれるのは、年上らしい、俺を甘やかしてくれる言葉。
俺、本当に自惚れてもいいの……?
最上さんの言葉に背中を押されて、この夏一番言いたくて堪らなかった言葉が、ただただ拙く溢れてきた。
「俺、最上さんが好きです。初めて会った時からずっと………」
「うん。………うん、私も………」
あと一歩の距離を詰めてそっと包み込むように抱き締めると、小さな体はぎゅっと力強くしがみついてきて。
その力強さと華奢な体の柔らかさに、心が満たされていく感覚が嬉しくて、俺は壊れたラジカセのように「好きです」と何度も言葉を吐き出した。
************
甘いか甘くないかと言われると、何とも微妙な告白。
台詞回しとか、同じ言葉何度も使っちゃってない?とかで、珍しく書き上げるのにまるっと2日もかかっちゃった回。
そのわりに納得度が低いのは何故だろう…
言わせたかったのはキョーコの「もっと自惚れてよ…!」
恋をすると自信がなくなったりする事もあるけど、自信を取り戻してくれるのもやっぱり恋だったりするのです。
「…………えっ?」
「だって、私が好きなのは敦賀くんなのに……」
ちょっと怒ったように尖らせた口から発せられる言葉が、一瞬理解できなかった。
ぽかんと開いた口が閉じられない。
俺、今きっと最高に間抜けな顔をしてるんだろうな。
だけど、最上さんの言葉が信じられなくて、思考回路が鈍くしか動かない。
『俺の事が好き』って…何かの聞き間違いじゃないのだろうか。
「でも『好きになっちゃいけない人』って…」
「だって、私は敦賀くんより3つも年上なのよ?敦賀くんには瑠璃子ちゃんみたいな、私なんかよりも年下で可愛い彼女がお似合いなのに…」
「もっ最上さんは可愛いです!」
また最上さんの『私なんか』が出てきて、思わず全力で否定する。
最上さんは少し頬を赤らめて、顔を少しだけ下げた。
「…敦賀くんは私よりずっと大人っぽくて素敵な人よ?だから、惹かれていく自分が怖くてモー子さ…琴南さんと先輩に相談してたの。」
「それであの日リック達は来たんですか。」
こくり、と小さくたてに揺れる頭。
『惹かれるのが怖い』って事は、『不破尚』のせいで負った心の傷はまだ癒えていないのだろうか。
と言うか…俺、最上さんに買いかぶられ過ぎてやいないか?
そんなすごい人間でも何でもないのに………
「俺、最上さんが思ってくれてるほど大人でもないし、全然素敵なんかじゃないんですけど…でも、本当に自惚れてもいいんですか?」
最上さんの前では自信なんか本当になくて。
どうしても後ろ向き発言になってしまう。
「敦賀くんのばか…っ!もっと自惚れてよ。敦賀くんはいつだって私に自信をくれる存在なんだから、敦賀くんがそんな事言わないで…!」
「すっ、すみません……」
ちょっと怒ってしまったのか、両手を胸の前で握りこみ、涙目になりながら語気を強める最上さんに、思わず謝ってしまう。
泣かせたくなんかないのに、結局また泣かせてしまうなんて…
数メートルの距離を、緊張しながら一歩ずつ進む。
最上さんのすぐ目の前に立つと、最上さんはぽろりと涙を一粒こぼした。
何てきれいな涙なんだろうと、昨日はテンパりすぎて記憶することすら出来なかった涙の粒を目で追い、新しく雫を作ろうと水気を溜め込む目元を指でそっと拭った。
「敦賀くんの事、本当に好きなの……だからもっといっぱい自惚れてよ……」
ぽつりと放たれるのは、年上らしい、俺を甘やかしてくれる言葉。
俺、本当に自惚れてもいいの……?
最上さんの言葉に背中を押されて、この夏一番言いたくて堪らなかった言葉が、ただただ拙く溢れてきた。
「俺、最上さんが好きです。初めて会った時からずっと………」
「うん。………うん、私も………」
あと一歩の距離を詰めてそっと包み込むように抱き締めると、小さな体はぎゅっと力強くしがみついてきて。
その力強さと華奢な体の柔らかさに、心が満たされていく感覚が嬉しくて、俺は壊れたラジカセのように「好きです」と何度も言葉を吐き出した。
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甘いか甘くないかと言われると、何とも微妙な告白。
台詞回しとか、同じ言葉何度も使っちゃってない?とかで、珍しく書き上げるのにまるっと2日もかかっちゃった回。
そのわりに納得度が低いのは何故だろう…
言わせたかったのはキョーコの「もっと自惚れてよ…!」
恋をすると自信がなくなったりする事もあるけど、自信を取り戻してくれるのもやっぱり恋だったりするのです。