―――やっぱりこうなる☆つるがびじょん!―――

「見たかぁ!?○○って雑誌。今日発売なんだけどさぁ…」
「ああ、俺つい買っちゃったよ!いつも立ち読みで済ませちゃうんだけどさ。」
「やっぱ買っちまうよな、あれは!京子ってあんなにエロカワ系だとは思わなかったよ、俺…」

映画の打ち合せ場所への移動中、愛しい彼女の名前が聞こえてきて思わずピクリと反応してしまった。
雑誌…そう言えば、以前青年誌で水着の撮影があったな。
あれは今日発売だったのか…
撮影後に会った日のことを思い出す。
あの日はキョーコに触ることが出来たのに目隠しで見せてもらえなくて、しかも触るだけしか許されなくて随分歯痒い思いをしたな…
でも触る事も出来ない今の状況から考えれば、まだ幸せな方か。
最近はライトキス1つで挙動不審になる、昔のキョーコに戻ってしまったからね…
お触りのお許しが出ない出ない!
このままだとキョーコ欠乏症で、俺がどうにかなってしまう!

俺の不穏な空気に気付いたのか、社さんが「ひぃっ!」と小さく悲鳴を上げる。

「社さん…キョーコの雑誌、今日発売って知ってましたか…?」
「いっ、いや!俺も知らなかったよ…っ!?キョーコチャンガウツッテルザッシネー…」

………相変わらず嘘が付けない人だ。
言葉がどんどんたどたどしくなっていく社さんに、嫌味なまでににっこり微笑みかけると、顔を真っ青にさせて後ずさる。

「すっ、すまん蓮ーっ!!社長に口止めされててぇ~っ!お前が打ち合せしてる間に雑誌買ってきておくから、機嫌なおしてくれ~~~!!」
「とりあえず5冊は確保してくださいよ?店にある分買っていただけるのなら、それがベストですが…」
「わっわかりましたあぁー!!」



そうして手に入れた雑誌を見ているわけなのだが………

(これはサービスしすぎだろう、キョーコ!!)

最初の2ページはまだ制服だったから良かった。
(いやこれもコスプレさせても燃えるかも…なんて想像を掻き立てられたが。)
だが次からのページは許さん!
可愛いキョーコによく似合う、ピンクと白の細いボーダー。
しかしビキニタイプの水着は、キョーコの細身の体を大して守れてはいない。
抜けるような白い胸元や、手を這わせると本当に吸い付くような肌理細やかな内腿がしっかりと写されている。
極めつけはキョーコの表情。
少し恥じらいを残した赤い頬。
しかしそれとは対称的に、溶けそうなのに挑戦的にとれる瞳と、少し開いた薔薇色の唇とその奥にチラリと覗く赤い舌。
そのアンバランスさがたまらなく彼女の「オンナ」の部分を艶めかせて見せる。
こんな表情、彼氏の俺だって見たことがない。
と言うかこんな表情を目の前でされたら、間違いなくTPO関係なく襲う自信がある! ←
これは少しお仕置きをしないと…

「社さん…彼女の明日のスケジュールってどうなっていますか………?」
「ひっ!……えっと、夕方からのバラエティー番組だけみたいだなっ!」
「そうですか…申し訳ありませんが、俺のスケジュール、午前中の物で動かせるものはありますか?」
「えと、明日は…そう簡単には」
「社さん………?」
「はい~~~~っ!動かします大丈夫です確認してきますぅ~~~~っ!!!」

そう一気にまくしたてると、社さんはゴム手袋を嵌めながら控え室から逃げていった。



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大魔王暴走フラグが立つ!
おほほほー☆