「御馳走様、今日もおいしかったよ。」
「いつもと同じで良かったんですか?もっと色々作れましたけど…」
「いいんだ、今日はキョーコの作ったハンバーグが食べたかったんだからね?」

いつもと同じ食後のコーヒー。
いつもと同じ食後のやり取り。
結局、メニューは「ハンバーグがいいな」と言われ、普通の食卓になってしまった。
お礼がしたかったのにな…

「お礼って…別に良かったんだよ?俺としても役得なわけだし(できればその先までさせてくれると嬉しいけど…)」
「?え?なんですか?」
「あ、いや、なんでもないよ?」
「…ソウデスカ。」

キュラキュラ笑顔で返されるとちょっと怖くて、最後にごにょごにょ言った言葉は聞けなかった。

「でもやっぱり何かしらのお礼はしたいなぁと思ったんですけどね…」
「お礼ねえ……あ。そうだ。」

顎に手を置き少し考え事をしていた敦賀さんは、ふと名案を思い付いたと言わんばかりに提案を持ちかけてきた。

「今日は俺が持ってるマッサージジェルを使わせて?」



「本当にいいんですか?ベッド汚れちゃうんじゃ…」
「大丈夫大丈夫。今夜はそんなこと気にしないで、ね?」

そう言われても気になるものは気になる。
一応ベッドの上に大判のタオルは引いたのだけど…
染みちゃったりしたら洗濯大変だと思うのよね。
だけど敦賀さんはそんな事気にも止めてない…って言うか、心なしかうきうきしている様にも見える。
…いつものマッサージでそんなにうきうきしてるところ、見たことないんですけど…

「あ、お願いがあるんだけど。」
「はぁ…何でしょうか?」
「今日は目隠ししなくていい?」
「えっ!?でも…」
「その代わり、明かり極力落とすから。」

明かり落としても見えちゃうのは見えちゃうんじゃ!
どうしよう、見られるのはまだ少し恥ずかしい……

「いつものお礼と思ってくれるのなら…ね?」
「……わかりました。でもなるべく見ないでくださいね?」
「善処しますよ。恥ずかしかったらキョーコが目隠しする?」
「なっ!?それは嫌です!」

私が目隠ししちゃったら、何されるかわからないじゃない!
敦賀さんは基本意地悪だから、怖いものがあるわ!

「そう。じゃあ…これ位の暗さでいい?」

少し残念そうな敦賀さんは部屋の明かりをベッドサイドのルームランプ1つにした。

「はい…では後ろ向いていてくださいね?いいって言うまでこっち向かないでくださいね!?」
「クスクス、はいはい。」

敦賀さんが笑いながらも後ろを向いてくれるのを確認してから、いつも通りにシャツと下着を脱いでバスタオルの上に横になった。



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長いので切ってみた。
何をする気か火を見るより明らかな不憫敦賀氏の逆襲!
さあどうなる!
次はとーぜんながら限定公開。
ああ……限定多くなってきましたね………
不憫敦賀氏が報われる日は近い………?