「あれ?やっぱり何だかきつい……?」

今日の衣裳は『演劇部の衣裳』という設定で、ドラマの撮影が始まる前の寸法で作られた、身体にぴったりフィットするもの。
あの時しっかり測ってもらってたはずなのに、胸の辺りが少し窮屈に思える。
…考えてみれば、最近ブラジャーもちょっと窮屈な気が…

「すごいわ敦賀さん!こんなに短期間で効果が出るなんて!」

あの時は敦賀さんのドラマ撮影が佳境に入っていた事で、なかなか会う事ができずに5日ぶりになっていたのだけど。
その後は比較的スケジュールも楽になっていたらしく、おかげさまでマッサージも2日に1回のペースでお世話になれている。
マッサージの後、毎回敦賀さんがトイレに籠もっちゃうのは不思議なんだけど…

「ちゃんとご飯の量とか食材の鮮度には気を遣ってるんだけどな…一体なにがいけないのかしら?」

敦賀さんは『食事が悪いとかじゃないんだから、気にしなくて大丈夫…』とはいうものの、気になるじゃない……
そろそろ寒くなってくるから、サラダも温野菜にした方がいいかしら?

「明日会う時はお礼の意味も込めて、ちょっと豪華におご馳走にしようかな~?」

今度は2泊3日でモデルの仕事の為、沖縄に行っている敦賀さん。
明日帰ってくるから、今夜電話で何が食べたいかリクエスト聞いておこう!

「あ、でも…効果出たら、もうマッサージも終わりなのかなぁ……」

自分でも毎日ちゃんとマッサージはしてるんだけど…
最近何か物足りないというか。
いえ、物足りないと思う時って、大体敦賀さんからマッサージ受けた後なんだけど…
何でかしら?
敦賀さんにふれられると、最近身体の違うところがぞわぞわするのよね。
それが気持ち良くてもっと触ってほしいというか、もっと違うところも触ってほしいというか………

あ、あれ!?何だか思考が破廉恥な方向にむかってる!?

「だっ、ダメよキョーコ!清らガールはまだ廃業しないわっ!」
「……………京子ちゃん?あの、何の話かわからないんだけど大丈夫かしら?」

はっ!いけない、またやっちゃった…

「ごめん、本田ちゃん。もう大丈夫だから後ろのファスナー上げてもらっていいかしら?」
「はい、じゃあ髪の毛巻き込まないようにしっかり持っててね?」

首もとまでしっかりチャックのある衣裳だから、楽屋が隣だった本田ちゃんの部屋で衣裳チェックをしてたんだったわ…
ホント、自分の世界にトリップする癖、なんとかしないとなぁ…

「…京子ちゃんの彼氏って、敦賀さんだったの?」
「へ?えっ、あ!!」

あっ……名前、声に出して……!!
どーしよう!ついにファンや同業者に殺されちゃう日が来た?!

「内緒で付き合ってるなら言わないわ。内緒の交際って結構あるしね。私も実は彼がアイドルだから秘密だし。」
「へっ?そうなの…?黙っててくれるの…?」
「もちろんよ。その代わり、私のことも内緒にしてね?」

みんな秘密で付き合ってるんだ…
頬をちょっぴり染めて、口の前でしーっと人差し指を立てる本田ちゃんは、女の私から見ても可愛い。
恋する女の子って、こんなに可愛いんだなぁ……
「恋愛なんて」って否定していた頃の私が知ったら、びっくりするんだろうな。
敦賀さんのおかげで、こんなふうに思えるようになったんだもの。

他の楽屋の子達が来るまで、私は本田ちゃんと内緒の恋バナに花を咲かせた。


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息抜きラブレボ。
もうこれ何度目の序章ですか?
でも、恋愛を前向きに捉えられてきた心の変化と、ちょっと破廉恥な(笑)思考になってきたきょこさんの変化は大事。
レボリューションですからね……!
生殺しシチュもエースとしてはどかんとどでかいの1つ入れたいし←開き直りました

そして男の生理を理解していないきょこさんのせいで、今や2日に1回生殺しタイムが発生中の敦賀氏。
可哀想…!w

次はとある事情から1話まるっと限定予定。
蓮は出てきませんよ?
ガルトーの中にグレーゾーンがチラリズムなもので…