いつも一緒にいられる時間が少ない俺たち。
デートと言えば、仕事が終わった彼女をだるまやまで送り届けるその時間くらい。
毎日会えるかどうかも分からないくらい、俺も彼女も忙しい。
だけど、やっと手に入った彼女の気持ち。
以前のように焦ることはもうなくなった。

「今夜も送ってくださってありがとうございました。」
「いえいえ。大事な彼女ですからね。」
「もう、敦賀さんってば…」

頬を染めてシートベルトを外すきみ。
俺もシートベルトを外す。
その手に小さな手がそっと添えられた。

「あと少しだけ…一緒にいたいです…」

可愛いことを言ってくれるきみの頬に、俺はそっと手を添えて。
運転席から身を乗り出して、触れるだけのキスを送った。


それは、二人がもっと近づく魔法。
その唇は夢見ていた通り甘かった。


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初ちゅー。
「告白した時したんじゃないの!?」とも思いますが。
ここは恋愛初心者同士、のんびりな展開希望。