「き、京子ちゃん?そこまでしなくても………」
「いえ!いつ何時誰に見つかるかは分かりませんから!!」
私は今、本屋にて本田ちゃんと共にミッションを成功させようとしている。
みんなが読むという、あの手の本を買おうとしているのだ!
「だけどね、京子ちゃん?余計悪目立ちしてる気がするの……」
「そうかしら………?」
一応私達も顔の売れてる芸能人。
(本田ちゃんも実はCM何本も出ている新CM女王!)
バレちゃいけないから、帽子を目深に被り、目元はばっちりサングラス。
駄目押しのマスクとスカーフで、顔は完全に隠してみたわ。
完璧だと思うんだけどなー?
「そういう雑誌とかは、高校生の女の子たちがターゲットになってるから、案外普通にしていった方が目立たなくて良かったりするよ?」
はっ!そうか!普通の高校生を演じればいいのねっ!
慌ててマスクとスカーフは取る。これだけなら女子高生よね?
(でもキョーコさん、サングラスと帽子も取るべきですよ byマック)
「先日ようこちゃん達が見てたのはこれだったよ」
そう言って本田ちゃんが見せてくれたのは、一見そうとは見えない可愛らしい女の子のイラストが表紙の雑誌。
「え、本当に?」
「そうよー、最近は可愛い表紙のが多いのよ?」
確かにその雑誌は、隣のティーンズ雑誌と見間違いそうな表紙をしていて。
これなら普通にしてても一人で買いに来れるかも…と思えた。
「あと、本はこれが一応おススメかな…?」
と言って本田ちゃんが手に取ってきてくれたのは…こちらも表紙は可愛いイラスト。
だけど…タイトルが完全にそっち系(爆)
これは持ってる所を見られたくない!!
「ほ、本田ちゃん。これ…」
「あ、高校生が買うにしてはタイトルが結構あからさまだけどね。雑誌よりはまだ初心者向きだと思うよ?」
「し、初心者って!?」
「あ、雑誌とかのは結構中身が過激だったりするの。
京子ちゃん、まだなんでしょ?いきなり雑誌オンリーじゃちょっと抵抗が強いと思うよ?」
て、事はあれですか?本田ちゃんもこの手の本何冊も読んでるって事ですか???
普通の女の子たちってこういうのいっぱい読んでるんですか!
…何も知らなかった。
『~♪間もなく、閉店時間となります…』
あっ、もうこんな時間なのね!早く買わないと!
でも…これは躊躇ってしまうわ…
「どうするの?もし買うんだったら、カバーかけてもらえば外では読めるよ?」
いえいえ、レジのお兄さんに持っていくのが恥ずかしいんです!!!
こういう日に限ってレジは素敵なお兄さんとおじさん!
女の人はいないの!?
でも、こんな理由の為に京都に帰って保健体育の教科書1冊持ってくるのも如何なものだし…
本田ちゃんつき合わせちゃってるんだし…
えーい!!女は度胸!!
レジに走っていって、泣きながら本田ちゃんの所へ戻ってきた。
「私、もうこういうの買わないー!!(泣)」
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どえらい恥ずかしい思いをしてまで買うきょこたん。
マックも花ゆめ買う時、いつもレジのお兄さんに生ぬるい目で歓迎されます(爆)
本の中身は読んだら…もっと恥ずかしいのでは?
そしてこれも何話続くかな(汗)
まだ半年近く生殺しですよ…?