―――ふろむ☆やしろびじょん!―――
…俺は社倖一。
芸能界一イイ男と言われる『敦賀連』のマネージャーだ。
最近では彼の愛しい最上キョーコちゃんとの仲を取り持ってやって。
(正確には彼女の親友琴南さんにもかなーり助けてもらったが)
これでやっと、胃薬が手放せない日々からオサラバできると思ってたんだ。
………。
俺は今、どうするべきなのか非常に迷っている。
今朝は蓮の自宅まで迎えに行く事になっていた。
…蓮。
お前は何故ゲストルームの前で、正座しているんだ?
そしてそのほっぺたの赤い手形は何だ?
察するに手形の犯人……キョーコちゃんはゲストルームの中だな?
昨日はキョーコちゃんが泊まりに来てたんだよな?
……………。
この二人に一体何があったんだ!?
誰か俺にわかるように説明してください!!!
「社さん、おはようございます……」
芸能界一いい男は、赤い手形を残した顔をこちらにちゃんと向けて挨拶してくれた。
………お願いだ、普通の顔してこっち向かないでくれ!!
今のお前のその顔を見たら笑いが止まらなくなりそうだ!!
「社さん…すみませんが、キョーコと少し話をしてもらっていいですか?
…俺とは話したくないって言っているので……」
………れ、蓮くん?君はいったい何をしたのかい?
「え、まあ。いいんだけど…」
………蓮が何をしたのかすごおぉぉーく気になるが。
とりあえず、蓮をいじるのは後だ。
今日は学校に行く予定のはずのキョーコちゃんを、部屋から出してあげないといけないよな?
「じゃあ、俺は少し離れてますので…」
そう言って、蓮はゲストルームの前から立ち去っていった。
「キョーコちゃん。俺だけど、大丈夫…?」
完全に蓮がいなくなってから、俺はゲストルームの扉をノックした。
すると、ドアをほんの少しだけ開け、その隙間からキョーコちゃんはチラリと俺を確認した。
「………あの。おはようございます……」
いつも礼儀正しいキョーコちゃんらしくない挨拶と態度。
ビクビク怯えちゃって…
るぇぇぇーーーん!お前は一体何をしたんだ!?
「えっと、詳しい事情が解らないんだけど…そろそろ出ておいでよ?
学校遅刻しちゃうんじゃない?」
「学校…そう、そうなんですよね……
そうだ。社さんに質問があるのですが、よろしいでしょうか?」
学校の鞄を持ち、やっと扉を開けて出てきてくれたキョーコちゃんは、また可愛らしく上目遣いでお願いをしてきてくれる。
…そんな可愛い顔されたら、お兄ちゃんは何でも叶えてあげたくなっちゃうじゃないか!
「うんうん、いいよー。何かなぁ?」
「あのですね…男の人のアレって、普段はどうなってるんですか?」
……………うん?
お兄ちゃん、ちょーっと耳が悪くなっちゃったかなぁ?
笑顔のままピキリと固まっていると、キョーコちゃんはさらなる爆弾を落としてきた。
「ですから、社さんのアソコはどうなってるのか教えてください!」
………Where is 清らガール!?!?
バタンッ!!
「キョーコっ!?俺のじゃダメって事か!?」
実はこっそりリビングのドアを薄く開けてこちらを確認していたらしい蓮が、慌ててやってくる。
「いやあぁぁーっ!!敦賀さんは怖すぎですからーっ!近寄らないでーっっ!」
〈どごぉっ!〉
たくさん教科書やノート(本当は辞書も)が入っているであろうキョーコちゃんの鞄は、蓮の鳩尾にクリーンヒットし、蓮はそのまま膝から崩れ落ちた。
キョーコちゃんはそのまますごい勢いで玄関まで逃げていくと、靴を履いてバタバタと出ていってしまった。
………………。
一体何があったんだ!?
誰か俺にわかるように説明してください!!!!!
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無知故のトンデモ質問!!
天然記念物乙女が危険物に変わる瞬間。
やっしーが叫びたくなる気持ちもわかります。
えぇ、わかりますとも。
結局胃薬は必要なのさ。
今日はあんまり限定色は少なめ。
…だよね?