2013年12月 * 拍手設置(加筆なし)

**原作沿い設定作品


※シリアス系・オリキャラ有・途中大人表現有(限定記事入ります)

特にオリキャラが蓮に絡むのが嫌いな方はご注意くださいませ。






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「あの、俺は本当に誰なんでしょうか?」

………その問いに答えるには、事情を知らない連中が多すぎた。

たまたま最上くんがこれから仕事だと言う事で、セバスチャンを臨時マネージャーに付けてマリアを一緒に帰し、社と松島には一度席を外させた。

「その問いに答える前に質問したい。本当に何も憶えてないのか?」
「………」

蓮は黙って頷いた。

…これはどこから話すべきか迷う。
『久遠』と『敦賀蓮』、複雑な現在の立ち位置は今の蓮に話しても理解できないであろう。
逆に下手に『久遠』の記憶だけを引き出してしまったら、またこいつは壊れてしまうかもしれない。

「…お前は『敦賀蓮』という役者だ。」
「『敦賀蓮』……役者?」
「そうだ。お前は芸能人として活躍する役者だ。そして俺はお前の所属する会社の社長だ。」
「………そうでしたか、それは社長さんにご迷惑をおかけした様で…」

目を伏せたまま少し考えた蓮は、俺に向き直るとそう告げた。

本当に何も憶えていないのか………。
少し寂しい気分になる。

「いや、俺はいいんだ。俺はお前が小さい頃から知っている、古馴染みなんだ。だから畏まる必要はない。」
「それより、本当に何も憶えていないのか?何かひっかかる事とか人はいないのか?」

とにかく記憶が本当にないのか、ないのなら思い出すきっかけになるものがあるのか知りたかった。

「…………誰かと大事な約束をしたような気がするんです。」
「約束?」
「はい。………何かはわかりません。でも大事だった気がするんです。」
「それはいつの事か思いだせそうか?」
「…いえ、そこまでは。だけど、忘れてはいけないような…」


それが何かは俺にも解らないが、何となくあの娘に関係しそうな予感がした。







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ざ・ローリィターン。
ナイスミドルなおじ様で好きっす。






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