私は時々多摩川まるしぇに「出店」する。もう足かけ6年になる。多摩川まるしぇは2010年に東急多摩川駅で始め、今はJR蒲田駅前でそれそれ原則月二回開催される。
マルシェの日は、自分の出展準備に早朝から時間をとる。それでも早朝の散歩は欠席しない。私は駅前で多摩川まるしぇに関心を持って近づき、話しかけてくる人たちと接することで、日ごろのストレスがかなり散っていくのを感じている。いろいろな人と、食や農の話をすることで、人々のいきいきとした生活の実際と、いろいろな価値観や発想法を学ぶことができるような気がしている。昨日、新田神社の脇に出店し、友人農家から贈られた新潟産と鹿児島産のサツマイモそれぞれ焼き芋にして道行く人に食べてもらい話しかけた。入り口はサツマイだが、「クニはどこ?」「ああ、九州?」など故郷の話、、「俺は一生分芋を食べたよ」という老人の戦時中の飢えの話、「中国はものすごく、億トンの単位で芋を作っているよ、それはいざという時のためだが、今は豚や鶏のためだよ」などの情報提供をしてくれる紳士、童話の話、鋭い政治批判、はては「芋ばかり食わされた」と夫がぼやき、「あんたが稼ぎが少ないからよ」と応じた夫婦喧嘩の話など。取り留めのない会話、しかし明るい話題ががつながっていく。「うえっ、なんてうまいの、この焼き芋」と男のような声ではしゃぐ女の子や、芋を見ていちもくさんに駆け寄ってくる幼い兄弟、そして追いかけるママ、などと親しく話す。苦労することもなく、サツマイモは自動的に売れていった。ついでに、我が庭の「かりん」と「レモン」を若干収穫して装飾用に持参しておいたものも「売ってよ」という人が多く、結局、私の店を手伝う市民が、適当に値をつけてさばいてしまった。