川崎市の南部には、調味料でお馴染みの味の素株式会社の本社が自社工場とともにある。そこでは、個人、および団体を対象に無料見学ツアーを開催している。
見学所要時間は約1時間半だ。
最初に、一人1本ずつの飲み物付きで20分間、スライドによる味の素についての説明である。飲み物は好きなものが選べる。同社が原材料を提供している飲み物もある。
「味の素」は、97.5%の「Lーグルタミン酸ナトリウム」(昆布の旨味の素)と、2.5%の「5’ーリボヌクレオタイドナトリウム」によって作られている。
ひと頃、「味の素」は石油(由来原料のアクリロニトリル)から作られるから人体に害があるのだ、などとまことしやかに言われたこともあったが、現在は、さとうきびからとれる糖蜜やでんぷんを使っているという。
同社はさらに自然の味を追究していることを強調するため、「味の素」のことを「化学調味料」とはいわずに「旨み調味料」と呼んでいる。特に口に入れる者の場合、製品は中身だけでなくイメージも大切なのだ。
スライドのあとは、東京ドーム7個分の敷地内を工場内をバスで移動しながら見学。「クックドゥ」「ほんだし」など、実際に製品ができる製造工程を見せてもらうことができる。資料展示室には、「味の素」の懐かしい看板やパッケージ等が展示されている。
最後におみやげをいただいて解散だ。
現在発売されているいくつかの製品に加え、昔の「味の素」の復刻版が入っていた。渋い!
正直な所、これまでは「化学調味料」なんて体に毒だし、安易な味付けだなどと見ていた。しかし、製品を作る行程を見て、長く消費者に親しまれてきたものに対する信憑性が確認できた。来て良かったと思う。他社の調味料を使う方も、調味料は全く使わない方も、機会があれば見学されることをお勧めする。
もよりの駅は、京急大師線の鈴木町駅。会社は真ん前にある。ちなみに、鈴木町の「鈴木」は味の素の創業者の苗字であり、駅名も以前は「味の素駅」だったという。