トマト達の晩餐会

トマト達の晩餐会

トマトの村長として、小説?いや、自伝?的な事を書いていきたいと
思っています。
まぁ、想像力のない自分ですが、妄想力には自信があります。

トマト別に好きじゃないですから。

Amebaでブログを始めよう!
こんばんは。
初めましての方は、初めまして。


さて、初めてのカキモノになるのですが、これがベースであり、
基本でもある感じになっていきそうなので、結構慎重に書いていきます。

かっこよく言うと、自分の世界観を確定させ、認めてもらう。
かっこ悪く言うと、ベースをきっちり固め、それから逸脱しないように
ビクビクしながら書いて行くということ。

になりますね。


そして、今回のタイトルを見ての通り、ってよりもまぁこんな感じで
タイトルを見ても、内容をすぐに理解、把握するのは難しいかもしれません。
内容を読んでも、理解できるかどうかは、自信ありませんが。。。


●偉人についての考え方。
 まず、偉人といっても、そんなに歴史が詳しいわけではない自分なので、
その人についての知識であったり、細かい事までは書けません。
 そして、確実に居た!っていう事実がある人の事を書くわけでもないので
ほぼ自論になってしまうかもしれません。偶像崇拝的な感覚で、不明確なモノ
を明確な形で伝承していった事などに、感銘などを受けてしまいます。

 その偉人が何かをしたから、とかではなくて、こんな言葉を考えた人は
偉人なのではないか。という考え方ですね。そんな言葉を言った時の、心情、
状況、関係などを勝手に考えてみていきたいと思います。


●「灯台下暗し」
 この言葉を聞いた事のない人は居ないと思います。

簡単に説明すると、案外身近なモノ程見つけずらい。
難しく説明すると、灯台とは、昔の明かりを意味したもの、たとえばロウソクなど。
岬の端にある灯台ではない。ロウソクなどの明かりは、その足元を照らす事ができな
かったため、その下にあるモノが見つからないといった事からできた言葉である。

とまあ、こんな感じです。
 その時代に、ロウソクや、皿に油を入れたような照明器具しか無いからこそ出来た
言葉であると考えます。
 今現在、蛍光灯で上からの照明器具が多い時代なので、こんなことわざが出来る事
はなかったかもしれません。
 

 今現在風に言うと、「蛍光灯で照らされた机の下暗し」かな…。

 んー、語呂が悪いというかなんというか。。。

 でも、このことわざを考えた人っていうのは、ちょっとおっちょこちょいで、
すぐにモノを失くす性格だったのでしょうか。整理整頓ができない(耳が痛いですが…)
とか、部屋が広くて仕方が無いとか、色々と考える事ができますね。

 

 ある所に、整理整頓ができない一人の村人Aが居ました。
 その村人の家は、足の踏み場もないくらい散らかっており、近隣の住人に掃除を
しろと強く言われても尚、整理整頓をしなかったという。

 なぜ、そこまで部屋を掃除したくないのかと疑問に思う者も出てきたが、
それもそんなに長くは考えず、また自然と放任になっていった。

 村人Aに呆れる人も多くなくなってきた、そんなある日。

 「私が、これから毎日掃除してあげるね」

 と入り口の方から聞きなれない、そして澄んだ声が聞こえた。
 こんな自分に、そんな女が現れるわけがない。そう思ったAは無視をしていた。

 『たっ、たっ、たっ』

 こちらに近づいてくる足音、もちろん寝ているわけでもないAは、
そのまま、身をゆっくり起こしその足音の方へ、目を向けた。


 「あんたねぇ、人がせっかく掃除するって言ってるの、返事くらいしなさいよ!」

 「あぁ、でも俺、掃除できないからさ、てかする気すらなんねぇよ。頼んでねぇし。」

 初めから、突き放すような態度を取ってしまう。
 でも近づいてくる人なんて、相当な変わり者だろう。関わるのはダメだ。と自分の
中で、解決策を作っていった。その日、女は、入り口から綺麗にするんだと意気込み、
そのままホウキを持ち、玄関周りを掃除し、帰って行った。


 こんな自分に、どうして積極的にしてくるんだろう。何か利益があるわけでもないのに。

 女は、ごく普通の女と言い切れる程の顔立ちではなかった。
 自分自身の芯が一本通った性格が顔に出ているのか、凛々しい中に、どこか幼げな所も
ある感じだった。

 女が自分の家に来てから、一週間が過ぎ、家は見違える程になっていた。

 何年ぶりに見た床。何年ぶりに見た襖。何年ぶりに見た卓袱台。

 その一週間、Aはずっと寝転がったまま、そして掃除する女が来る時は、縁側で
ぼーっと鳥が飛んでいる空、雲が流れている空を眺めていただけだった。
 もちろん会話もあったのだが、それは会話らしい会話ではなく、女からの質問に
「はい」「いいえ」で答える程度だった。イエスノー会話ってのは子供がする事だ。
そうやって、毎日話しかけてくれる女に、Aは少なからず好意を抱いていた。

 自分には、何もないのに、これだけ面倒をかけている。面倒を見てくれている。
 自分は、こんなにも無愛想なのに、飽きずに、そして呆れずに話しかけてくれる。

 部屋が完全に綺麗になったら、この女はどこかに行ってしまうのではないか…
そういった不安もあったが、それも仕方ない事だと自分の中で解決していた。

 女が来てから一ヶ月が過ぎ、Aは女が来る前とは違った面持ちで女と接する様に
なっていた。自分からも話題を振り、笑うし、答える返事は、イエスノーではない。
 女にプレゼントを贈ろうとAは、働き始める。もちろん女は、毎日の様に掃除に
来てくれるのだった。掃除と言っても、ほとんど片付いた状態なので、その日に
貯まった洗濯物や、洗い物、ホコリをはたく程度の作業だった。
 Aが働き、その月の給料の半分以上はするであろう櫛を女に贈ると決め、購入した。
いつ渡せばいいんだろうか、自分は女を知らない。どういうタイミングが必要なのか。
色々な事を考え、女が来る朝を待ち遠しく夜を過ごしていた。

 そして、鳥のさえずる朝男は目を覚まし、いつものように、女が来るのを待っていた。


 しかし、


 女がAの家に来る事は、それ以来なかったのだ…


 Aは、絶望した。なぜだ。プレゼントくらい渡してもいいだろ。
 本当の自分の気持ちを相手に伝えさせる事すらできないのか。
 自分の存在は、いったい何なのだろう。

 女のために買った櫛を、部屋の中で強く放り投げ、泣いた…


 女が来なくなって、2ヶ月以上もの月日が流れ、Aは掃除もせず、働きもせず
部屋に一日中寝転がっているという以前の生活に戻っていた。
 女の事を完璧に忘れたとは言えないが、Aは、また堕落した人生を過ごしていた。
また女が現れるなんて事は絶対にない。


 また足の踏み場もなくなったその部屋で、寝ていると、夜にも関わらす、入り口から
物音がした。Aは、そんな物音がしても全く気にとめず、この家に取られてはダメな物
なんてないのだから、とそのまま寝ていた。

 『たっ、たっ、たっ』

 やけに、聞き覚えのある足音だ。聞き覚えもあるし、妙に心地良い足音だった。
そして、3ヶ月前にもこんな事があったと思い出し、その足音に目を向けた。


 「あんた、また部屋汚して。私が居ないと部屋がゴミで埋まっちゃうじゃないの」

 「お前、どうして?もう来ないと思ってた…」

 「また掃除しなくちゃいけないって思ってさ。他に理由はないよ…」

 何かを含んだ言い方だった。何か自分には言えない事でもあるかのように。


 隣の住人から聞いた話だが、女は、余命があと1ヶ月しかないそうだ。
不治の病だそうだ。2ヶ月前に、入り口でしゃがみ混んでいる女を見かけたそうだ。
そんな体調なのに、Aの部屋を掃除してたんだ。何故お前はその女に恩返しをしない。
そう言われた気分だった。
 Aは、女に対して

 「また掃除してくれるのか?今度は俺も手伝うからさ。」

 「あんた、掃除できるのかい?余計汚れちまうよ」

 「だから、掃除の仕方を教えてくれたら嬉しいかな。」

 女は、子供の様に笑いながら、教えてくれると約束した。

 掃除を始めて、2週間が経ち、部屋の半分くらいまで掃除が完了した所だった。


 女は、また倒れてしまった。


 Aは、必死に女を励まし、そして医者を呼んで半分だけ綺麗になった部屋で診てもらった。

 「まだ、掃除が半分しか終わってないや。起きたら掃除するからね。」
 
 「何言ってるんだよ、掃除の仕方教えてもらったから、後は俺がするよ。休めよ。」

 「ありがとう。まさかあんたが掃除するって言うなんてね。」
 
 「そこまで、憎まれ口叩けるんなら、全然大丈夫だな。絶対治せよ!その病気!」

 「・・・・。」

 Aは、女が寝ている逆側の散らかっている部分を掃除している。女は、倒れて以来
回復する兆しが見えていない。でも、Aは、綺麗な部屋にして女の回復を待っていた。

 「ねぇ、掃除できなくてごめんね。本当は、私が全部やろうと思ってたのに。」

 元気な声とは程遠い、か細い声で女は言った。

 「なぁに、心配するなよ。お前が来てくれて本当に嬉しかったし。
 掃除もできるようになったんだ。感謝しかできねぇよ。」

 「感謝だなんて、私が勝手にあんたの家の掃除をするだけなんだから。」

 「いや、本当に感謝してるよ。お前と逢う前の俺は、ダメな人間だったからさ。」
 
 「じゃぁ、これからは、部屋を汚したらダメだよ。約束だからね。」

 「あぁ、お前が居てくれたから、これからはずっと綺麗にしていくよ。」

 「そう言ってくれるだけで嬉しいよ。ちょっと眠たくなったから寝るね…。」

 「おい、まだ昼だぞ、今寝たら夜寝れなくなっちゃうじゃないか。」

 Aは、震える手で女を揺らしていた。なぜか、涙まで出てきている。
まるで、女が死ぬ事を悟ったかのように…ただ、そのまま揺らしていた。

 「なぁ。俺さ、お前にプレゼント買ってたんだよ。でもよ、掃除手伝ってても
  全く見つからないんだよ。どうしてだろうな、綺麗な櫛なんだぜ、絶対に
  お前に似合うよ。きっと、きっとだ。ちゃんとつけてくれよ。絶対に…。」

 涙が出て、呼吸もおぼつかないAの言葉は、文字通りの独り言になってしまった。


 女の葬儀に、Aは出席する事ができなかった。
 というよりも、その現実から目を背けたかったのかもしれない。

 Aは、女が死んでからも、ずっと掃除を続けていた。理由など考えずに、ただ
自分を痛めつける如く続けていたのだ。
 掃除がほぼ完了し、Aは、見覚えのあるモノを見つけ、手に取った。

 櫛である。
 女へ、プレゼントしようとした櫛だった。
 もちろんホコリで汚れてしまっていたが、袖でホコリをふき取った。


 「はは。今更見つかっても遅いよ。もう渡しても付ける事はできないんだから。」

 Aは、女との思い出が一気に蘇り、震える肩を押さえ、声を殺して


  泣いた。


 「あぁ、こんな所にあったのかよ。もっと早く見つかってればなぁ。あいつ
  きっと喜んだだろうな。きっと似合ってただろうな。またあの時のように
  入り口から足音しないかな。そうすれば、最初にコレを渡すのに…。」
 
 「ロウソク台の下から櫛が見つかるとはな。いつも布団の近くにあるのに、そこにある
  モノに気付けないとはさ。本当にどうかしてる。」

 

 Aは、その櫛を女の墓前に捧げ、両手を合わせて、祈ったのだ。


 

 「灯台下暗し。明かりの下は、暗くて何も見えないんだ。だからあいつは、俺にとっての
  光だし、その光に近づき過ぎたからこそ、色々なモノが見えてたんだろうな。」



 という感じで、「灯台下暗し」ということわざが出来たのではないでしょうか。


 Byトマト