ホルムアルデヒド ~安井至東大名誉教授のサイトに、私のブログ記事が引用されました! | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

いつもお馴染みの安井至先生の「市民のための環境学ガイド」で、ホルムアルデヒドについて、また鋭い記事を続けて書かれています。


まず6/2の記事「ホルムアルデヒドの水道水基準」
http://www.yasuienv.net/FormWaterSupply.htm

エッセンスだけ抜粋すると、以下のようなことです。

(抜粋開始)
 法令遵守」を無視することが可能だとすると、今回のホルムアルデヒドのように、マージンが最低でも1000倍はあって、毎日この濃度の水2000リットルを2年間に渡って飲み続けても悪影響は出ないという基準をもった規制対象物質があり、あるとき、その濃度が基準値の2倍程度になった。さて、水道水の供給を止めるのか。

 今回は、時期が良かったから何も起きなかったけど、真夏の炎天下、高齢者が列を作っていて熱中症にでもなって死亡でもしたら、社会問題になったのでは。

 水道水の場合には、なぜか、かなり厳しい値が基準値として決められているので、今回のような事態になると、住民に対して、水汲みのための行列といった、全く形態が異なる相当なリスクを課してしまうことになる。
(終わり)

なかなか凡人には思いつかない視点です。 
「リスク」についての鋭い考察とは、このような観点でモノを考えることだと感服しました。


最新の記事は、「放射線でホルムアルデヒド デマを見破るには?」
http://www.yasuienv.net/FormByRad.htm

私も5/27の記事「利根川水系のホルムアルデヒド問題 原因判明」で紹介した、放射性物質でホルムアルデヒドができたというデマについて、深く突っ込んだ考察をされています。

デマでホルムアルデヒドの原因とされたのは、
(1)原因はセシウムの除染作業?
(2)矢木沢ダムから放出されたセシウムによる有機塩素化合物の分解?
(3)セシウムは無関係で、塩素と有機物質が反応した?
で、それぞれなぜそれがデマとわかるかが、詳細に考察されています。
こちらはなかなか骨のある考察なので、元記事をご参照ください。

科学的な考察以外に、悪質なデマが拡散する原因として、TwitterやBlogの問題を挙げられています。

(引用開始)
C先生:大分古くなってしまったが、このように物理的・化学的に起こり得ないことを書く人がいる。Exiteニュースに書いているのは、これで原稿料を貰っている人なのではないだろうか。要するにある種のプロであろう。これだと、科学的に妥当でない有害な記事を書くプロでしかないことが明らか。

A君:このExiteニュースの記事でも「Twitterで拡散されているのが下記の情報」などと書かれているので、誰かが最初にそれを書いた。しかし、その際、何を根拠に「放射線の影響で何らかの自然環境変化が起きた」と推定しているのか、その理由について何も述べていない。それでも、このような情報が拡散してしまう。

B君:勿論、筆者の自然科学音痴と膨大な誤解(例えば放射線の線量の理解不足など)が原因なのだが、それ以外にも、単に情報を横流しするツールとして、TwitterやBlogを使っている人が増えたのが原因。
(引用終わり)

確かに、書かれていることの真偽を自分の頭で考えもせず、単純に拡散しているtwitterやブログが多いのは事実だと思います。ウソも百回聞けば真実に見えてくるので、検証なしでの横流しは害悪であると言ってよいでしょう。

自分はそうならないように気をつけているつもりですが、今一度肝に銘じたいと考えます。


そして、このような情報がデマかどうか判定するのに何が必要か。

(引用開始)
 今回、このようなデマ退治を目的とした記事を書いた訳だが、そもそも何を身につければ、デマであることの判定が可能なのだろうか。

A君:いずれも、量というものを全く考慮していないことですね。だから、量に対する感覚が有るか無いか。これがデマを打ち破ることができるかどうかということになります。

B君:現象を量を含めて考えることができるには、それなりの知識が不可欠。

C先生:最初の量は、利根川から取水している水を汚染するのに必要なホルムアルデヒドの量。これに対する感覚が全くないことだった。しかし、そんなに難しいことではないので、単に検討をサボっているとしか言いようがない。砂糖水の濃度を計算できる程度の知識でよいのだから、中学生級の考察力が無いということか。
(引用終わり)


自画自賛になりますが、私は、そのような考察を独自に行いました。

5/21の記事で、利根川水系の水量・ホルムアルデヒドの濃度・その継続時間から、放流されたホルムアルデヒドの量がおよそ50トンと推定しました。

そして、この量から、おそらく工場か何かからの流出であろうと推定しました。

その後、原因が判明し、5/27の記事で書いたように、流出したと疑われる量は、廃液が60トンで濃度がホルムアルデヒド換算で37%、その結果22トン程度とわかり、期待した精度でほぼ一致していたことがわかりました。

安井先生は、デマを見破るにはこのような考察が必要と言われています。

私も安井先生のサイトの十数年来の読者であり、先生同様、このような計算を自然と行ってみたくなる性分が身についてきたのかもしれません。

しかし、中学生程度ですか…。確かに(笑)。掛け算と割り算だけです。


ところで、大変驚いたことに、安井先生のもうひとつの「水道水にホルムアルデヒド事件」という記事
http://www.yasuienv.net/FormNews.htm

に、何と私の上記ブログ記事の一部が「優れたブログ:その2」として引用されていました!

報道されている「ヘキサメチレンテトラミンと塩素との反応」が、おかしいのではないか、というくだりです。


私は安井先生主宰のfacebookの「環境学ガイド」グループに参加させていただいていますが、ほとんど全く読むだけのメンバーですし、こちらのブログは匿名で行っているので、先生は誰とも知らずに引用されたようです。

しかも、常々、匿名のブログは信用できないと書かれている安井先生から、「優れたブログ」として紹介されるとは、何とも光栄なことです!

早速、安井先生に環境学ガイドのfacebookでご報告したところ、「全くの偶然ながら、大変に嬉しいことです」とお返事をいただきました。


いつも引用ばかりさせていただいている安井先生のサイトに逆に引用されるとは、誠に栄誉なことです。今後も精進いたします。


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