福島第一原発 牛肉から放射性セシウム検出 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

福島県相馬市産の牛肉から放射性セシウムが検出されました。
原因は、屋外に保管されていたわらを餌として与えたことでした。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201107120046.html


(引用開始)
 福島県南相馬市の肉用牛11頭から放射性セシウムが検出された問題で、県は11日、餌のわらから1キログラム当たり7万5千ベクレルのセシウムを検出したことを明らかにした。県の推計では暫定基準値の約56倍に相当するという。食肉処理後の牛からは最大3200ベクレルが検出されていた。

 県はこの日、計画的避難区域と緊急時避難準備区域にある、すべての肉用牛農家約260戸への緊急立ち入り調査を始めた。最終的に県全域に広げ、餌や飼育の状況を再点検する。

 出荷元の南相馬市の農家は緊急時避難準備区域にあり、昨年秋に自分の水田で刈り取ったわらを屋外で保管。農家は福島第1原発事故後の4月上旬から、1頭当たり1日1・5キロを与えていたという。

 県によると、飼料の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)と比較するため、わらを乾燥前の状態に水分量を補正して計算した場合、基準の約56倍に相当するという。

 大塚耕平厚生労働副大臣は民放番組で「原因を調べた上で、全頭検査が必要なら、国民の食の安心のためにやらざるを得ない」との見方を示した。国は3月19日、屋外で保管していた飼料を家畜に与えないよう通達していた。

 11頭すべては出荷の際、体表に放射性物質が付着していないかスクリーニングを受けたが、問題ないとパス。東京都の芝浦と場で処理され、抽出検査の結果、暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)の3~6倍のセシウムを検出した。この食肉は市場には流通していない。

 同じ農場からは5~6月に、東京都に別の5頭、栃木県に1頭の計6頭が出荷されていることが判明している。これらの肉牛はすでに処理され、市場に出ている可能性があり、東京都などが流通先などを調べている。
(引用終わり)


6/13の私のブログ で、『週刊金曜日』に 鈴木千津子・たんぽぽ舎共同代表が書かれた文章を紹介した中に、こんな一節がありました。

(引用開始)
・これからも牛乳は要注意でしょう。群馬県産で5月半ばに計測した牛乳の場合、それまで数値はほとんど出ていなかったのに、いきなり88 ベクレル、222ベクレルと跳ね上がりました。これまでは昨年収穫して保存していた牧草を乳牛に食べさせていたのですが、検査前に半日ほど外に出して新しい牧草を食べさせたとか。やがて今年収穫した牧草を食べさせることになりますから、今後の汚染が心配されます
(引用終わり)

まさに、ここで鋭く指摘して懸念されていた通りのことが起こりました。
牛乳ではなく牛肉でしたが。牛乳も同様に危険かもしれません。


さて、もし既に出回っている可能性のある牛肉を食べてしまった場合の健康はどうなのか、気になるところです。
このような記事がありました。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110712/dst11071201150002-n1.htm


(引用開始)
 国の定める暫定基準値は、基準値レベルで汚染された食品を1年間継続的に摂取しても問題のない数値で設定している。食肉の場合、汚染された同じ牛を繰り返し食べ続けることは考えにくいため、厚生労働省は「健康へ影響を及ぼすことはない」としている。

 立命館大の安斎育郎名誉教授(放射線防護学)によると、1キロ当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出された肉を200グラム食べると、被曝(ひばく)線量は0・0016ミリシーベルトになる。今回最も数値が高い牛肉(3200ベクレル)で換算すると0・01ミリシーベルトだ。安斎教授は「毎日食べている食事にはカリウム40という天然の放射性物質が含まれており、人はカリウム40で年間0・2ミリシーベルト被曝している。0・01ミリシーベルトはこの20分の1。何回か食べても、放射線が目に見えて健康に影響するレベルではない」と話す。
(引用終わり)

「(ただちに)健康に影響するレベルではない」という専門家の言葉が出てくると、反射的に「やっぱり危険だ」と考える人が多くなっているものと思います。批判的に物事を見聞きすることは大変よいことと思います。
ただし、科学的に考える必要はあります。

今回のこの数字は、内部被曝とは言え、性質がセシウムに非常によく似ているカリウムで常に被曝していることと比較しての話ですので、私も1回食べてしまったくらいでは問題はないだろうと考えます。


ただ、だからといって食べるべきものでないのは明らかです。無用な被曝は少しでも避けるべき。
日本の「暫定基準値」は、従来の規制や外国と比べて非常に緩いものにされていることも、6/13の同じ記事に書いている通りです。

本来なら、何も悪いことをしていなかったはずの福島県の農家の被害は甚大です。

それでもこれは「風評被害」とは言えません。
消費者としては今のところ、福島県産の牛肉・牛乳は避けるべきでしょう。
全頭検査が始まれば、少しは安心して食べられるようになるかもしれませんが。

東京電力および国から農家への賠償をしっかりやってもらうべきです。


さらにいうと、そもそも南相馬市は「緊急時避難準備区域」に指定されていますが、住んでいる方の健康は大丈夫か、すぐに避難させる必要はないのか、心配になります。