福島第一原発 汚染水処理施設 不調の原因判明 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

福島第一原発の汚染水処理設備が、所定の能力が出なかったために稼動開始後5時間で停止されていた件、不具合の原因が判明しました。


まず、過去の報道ですが、当初はこのように報道されていました。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110619k0000m040081000c.html

(引用開始)
想定外の高線量が計測されたのは米キュリオン社製のセシウム吸着装置のうち、汚染水が最初に通過し、セシウムより先に油分と放射性テクネチウムを 取り除く部分。東電はこの過程で、油に溶解した放射性物質を想定以上に吸着し過ぎた可能性があると推測。吸着機能を担う鉱石「ゼオライト」の表面加工や性 質に原因があるとみて、異なる二つの鉱石を使って比較する。
(引用終わり)

この情報、私はどうしても理解できなかったので、こんなことを書きました。
http://ameblo.jp/tomamx/entry-10927751302.html

(引用開始)
「セシウムより先に油分と放射性テクネチウムを取り除く部分」というからには、この吸着塔ではセシウムは除去されないのでしょう。
この汚染水の放射線量の最も大きい部分が放射性セシウムであり、今までほとんど話題に上っていない放射性テクネチウムの濃度はさほど高くないはずと考えると、この部分の出口での放射線濃度は入口と比べて大した差がなくていいように思えますが・・・。何か理屈があるのでしょう。
(引用終わり)


それが、今日の報道ではこのようになっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110623/t10013712041000.html

(引用開始)
福島第一原発では、高濃度の汚染水の浄化設備のうち、アメリカ製の装置で、放射性のセシウムの濃度を1000分の1程度に下げる計画でしたが、試験運転で は100分の1程度にしか下げられていないことが22日に明らかになり、東京電力は、装置内部の汚染水の流れが偏っている可能性があるとみて調べていまし た。その結果、装置の4系統のうちの1系統で、汚染水がセシウムを取り除く「吸着塔」と呼ばれる部分を3台分通過すると決められていましたが、一部が1台 しか流れなかったことが分かりました。原因は、流れを手動で切り替える弁の「開閉」の状態を示す表示が誤っていたためで、東京電力は、同じ役割の弁を点検 したうえで、23日午前0時45分ごろ試験運転を再開させました。
(引用終わり)

結局、不具合が判明したのは「セシウムより先に油分と放射性テクネチウムを取り除く部分」ではなかったのですね。当初の情報(発表なのか、報道側なのか)が間違っていたようです・・・。

今回報道されていることなら、理解できます。


そして、これだけ世界が心配する大きな問題の原因は、表示の間違いだった・・。

わかってみたら、こんなものですね。

プラントではごくたまには(しばしば?よく?)あることです。
表示は本当に大切です。
改めて自分の仕事でも、こういう問題が起きないように対策をとらないと、と肝に銘じました。

結果としてこのような単純なことでよかった・・・とか悠長に言っている場合ではない。

梅雨に入って雨水も流入してきているようで、汚染水の量は待ったなしの状況に追い込まれています。
このまま無事に試験運転から本格運転ができるように祈ります。


ただ、何度も書いていますが、なぜそこまでしてきれいに除染した水を、循環冷却に使用してまた汚染してしまうのか、何度考えても不思議で、残念でなりません。
これを海に捨てないと、汚染水は減りません。増加を抑えられるだけです。
循環冷却に使う水は汚染されていてもいいのです。
全く理解不能です。


そして、処理設備に万一(千一か百一か十一くらい?)またトラブルが発生したときのプランB、プランCは準備できているのか、とても心配です。

たとえば、汚染水を送るタンカーを準備しておくことを、小出裕章先生や共産党も提案しています。
 http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/05/26/nhk-r1-may26/
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-06-04/2011060415_01_1.html

まともな思考能力のある人なら、このくらいのことは考えて当然で、予算の心配もほとんどいらないでしょうから万全の準備をしておけばいいはずなのですが、肝心の安全保安院が言っていることは、(最初の毎日新聞の記事)

(引用開始)
 経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は「一歩一歩解決するしかない。うまくいかないと別の選択肢を探さなければならない」と述べた。
(引用終わり)

・・・絶句です。

この西山氏、原発の問題が起きてから、それに対応させるため既に異動になっていたのに呼び戻したという「エース」らしいですね。しかも、娘が東電社員だということも報道されてます。ズブズブです。

日本の官僚が優秀だなどというのはもう完全に過去の話であることが、明々白々になっています。


ああ、どうしたらいいのでしょう?
西山氏を見習って、運を天に任せるしかないのでしょうか・・・。