http://www.asahi.com/politics/update/0429/TKY201104290314.html
内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東大大学院教授(61)が29日、東京・永田町で記者会見を開き、参与を辞任する意向を表明した。小佐古氏は菅政権の福島第一原発事故対応について「法律や指針を軽視し、その場限りだ」と批判した。
小佐古氏は会見に先立って首相官邸を訪ね、今月30日付の辞表を提出した。
会見では特に、小学校などの校庭利用で文部科学省が採用した放射線の年間被曝(ひばく)量20ミリシーベルトという屋外活動制限基準を強く批判。「とんでもなく高い数値であり、容認したら私の学者生命は終わり。自分の子どもをそんな目に遭わせるのは絶対に嫌だ」と訴えた。「通常の放射線防護基準に近い年間1ミリシーベルトで運用すべきだ」とも述べた。
私も子どもに年間20mSv=3.8μSv/hを適用するのは危険で、十分注意すべきと書いていました。
http://ameblo.jp/tomamx/entry-10867002839.html
この点、小佐古氏の抗議は正当だと賛成します。
テレビで記者会見の報道を見ていると、小佐古氏は声を詰まらせながら、抗議していました。
こんな良心的な人が辞任してしまうなんて・・・と思った人も多いかもしれません。
しかし、ちょっと調べてみるとどうも変です。
まず、この人の経歴ですが、完全に原子力村の住人、典型的な御用学者です。
Wikipediaによると、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E4%BD%90%E5%8F%A4%E6%95%8F%E8%8D%98
2003年以降の原爆症認定集団訴訟では、国側の証人として出廷し、国の主張に沿った証言を行った。特に被爆者の放射線量を評価するシステム、DS86とDS02については妥当性を主張しており、この点で原爆症の認定が不十分であるとする原告の主張と対立している(被爆者約25万人のうち、国が原爆症と認定した者は約2000人である)。
ちょっとググっただけで、こんなサイトがすぐに引っ掛かります。
http://www.tokuoka-miyatake.com/still_crazy/03.html
原爆症認定集団訴訟・近畿の公判傍聴日誌⑫
小佐古証人(国側)、「知らない」連発
司法判断への無責任な姿勢を露呈
(2005年3月2日)
2005年2月23日(水)・大阪地裁
驚いた。そして、無性に腹が立った。2月23日、大阪地裁202号法廷で開かれた原爆症認定集団訴訟・近畿の第11回公判。被告・国側がこの裁判で総論的観点から立てた唯一の証人、小佐古(こさこ)敏荘・東大原子力研究総合センター助教授に対する原告側弁護団の反対尋問が終わりに近づいたころ。長崎の被爆者・松谷英子さんの原爆症認定申請を国が却下したことを、最終的に不当と判断した2000年7月の長崎原爆訴訟最高裁判決についての質問に、小佐古氏から、投げやりで無責任な答えが次々に返ってきたのだ。
どうも、今回の問題で「容認したら私の学者生命は終わり」と抗議の辞任をするような人とは、人物像が一致しません。
案の定、枝野官房長官からこんな暴露話が出ています。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110502ddm003040131000c.html
枝野幸男官房長官は1日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故の政府対応を批判して内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘(こさことしそう)東京大教授が3月、1キログラム当たり放射性ヨウ素300ベクレルとされていた飲料水や牛乳の暫定規制値を、10倍の3000ベクレルに引き上げることを提言していたことを明らかにした。
枝野氏によると、小佐古氏は3月28日、3000ベクレルへの引き上げを求める提言書を、菅直人首相と内閣府の食品安全委員長あてに提出した。しかし、厚生労働省は食品安全委員会と原子力安全委員会の見解に従って、300ベクレルの暫定規制値を維持した。枝野氏は「専門家の意見もいろいろあるなかで、安全性を優先しながらそれぞれ判断している」と強調した。
「御用学者としてバリバリの仕事」をしようとしていたようですね。
では、今回の辞任は何なのでしょう?
どうも胡散臭い話が見えてきます。
毎日新聞の記事によると、小佐古氏の辞任記者会見に民主党の空本盛喜議員が同席していることがわかります。
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/news/20110430k0000m010073000c.html
記者会見には民主党の空本誠喜衆院議員が同席、「同僚議員に20ミリシーベルトは間違いと伝えて輪を広げ、正しい方向に持っていきたい」と語った。空本氏は小沢一郎元代表のグループに所属する一方、大震災発生後は小佐古氏と協力して原発対応の提言を首相官邸に行ってきた。
空本氏は東大大学院の原子核工学科、東芝出身で、小佐古氏は学生時代の恩師だそうです。
空本氏は、小沢グループ。
この子どもの健康の問題を利用して、小沢グループが菅政権を揺さぶるために小佐古参与を辞任させた匂いがしてきます。
菅首相が頼りないのは間違いないですが、一方で何でも政局にしてしまう小沢一郎、もうちょっと筋の通った政治家と思っていましたが、どうなんでしょうか・・・。
そんなことよりも大切なのは子どもたちの健康。
福島の方々、経緯はともあれ、放射線量 3.8μSv/h 近くの場所で、子どもたちを無制限に遊ばせないように、特に土ぼこりを吸ってヨウ素131による内部被ばくしないように、気をつけてあげてください。