福島第一原発 アレバ社の汚染水処理施設 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

福島第一原発の事故で、フランスのアレバ社のCEOは、同社の技術で汚染水を処理する施設を5月末までに稼動させたいと述べました。

http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041901001013.html

 フランスの核燃料会社アレバのアンヌ・ロベルジョン最高経営責任者(CEO)は19日、東京都内のホテルで記者会見し、福島第1原発で問題となっている大量の汚染水について「5月末までに処理施設を稼働させたい」と述べた。

 同社の提案は「共沈法」と呼ばれる手法で、汚染水に特定の化学物質を入れて放射性物質を沈殿+させた後、沈殿物だけ除去する方法。1時間で50トンの汚染水を浄化する能力がある設備を取り付け、浄化後の水は汚染の程度が千~1万分の1になるという。

 ロベルジョン氏は、東京電力から最初に受けた相談が、汚染水処理の方法だったことを明らかにし、「東電はわれわれの提案を受け入れた。稼働をできるだけ前倒しし、原子炉冷却に向け、(汚染水を外に出さない)閉じた系をつくりたい」とした。


「共沈法」で行うと書かれていますが、本当でしょうかね?

この技術そのものはしばしば使われる方法ですが、複数の放射性物質を除去しなければならないので、添加する「特定の化学物質」の選定がなかなか難しいと思います。

どんな放射性元素がどんな形態で存在しているかによって、共沈で除去できるかどうかわからないはずです。

セシウムは1価の陽イオンになっていて単純かもしれません。一方、ヨウ素はヨウ素分子、ヨウ化物イオン、ヨウ素酸イオンなどが混在している可能性があります。さらにこの2つ以外にも、ストロンチウムなどの放射性元素が存在しているはずです。

また、最近は冷却水として真水を使っていますが、海水を使っていた期間の汚染水や津波の海水も混ざっているとすれば、ナトリウムイオンや塩素イオンも含まれています。これらが妨害するかもしれません。

このような混合物から放射性物質を、共沈法で1万分の1まで除去できれば素晴らしいです。
そして、こんな難しい設備を5月末までに稼動させられたら、驚異的です。感謝感激ですね。

しかし念のため、本当に千~1万分の1になるかどうか、疑いの目も持っていた方がいいでしょう。
フランス人なんかに自信満々に説明されたら、単純に信用してしまいそうです。

残念ながら不満足な結果になった場合のプランB、プランCも同時並行で進めておいてくれたらいいのですが。
また後手後手にならないか、心配しています。


それから、前にも書きましたが、そもそも冷却水として使用する目的なら放射性物質の除去は不要なはずです。せっかく除去しても、原子炉に注入したらまたすぐに汚染されます。

冷却水として循環使用する場合に放射性物質を除去する必要があるとしたら、漏れの対応でしょうか。
ポンプのシール部からわずかに水の漏れはあるので、その対策は必要かもしれません。
ノンシールタイプのポンプを使うことも考えられますが、そもそもシールからの漏れは量的にはごくわずかなので、「近づかない」くらいだけでもいいように思いますが。

汚染水から放射性物質を除去して冷却水として循環使用すれば、たまっている汚染水の量は現状維持です。
汚染水をそのまま冷却水として循環使用し、別途、放射性物質を除去できた水は海に放出すれば、たまっている汚染水の量は減っていきます。

・・・ここも、どうもよくわからないところです。

まあ、とにかく英知を集結して、早く収束させてくれることを期待しています。