今日は、安井至先生が運営されているサイト、『市民のための環境学ガイド』 ( http://www.yasuienv.net/ ) を紹介します。
安井先生は、東京大学名誉教授で、現在は国際連合大学名誉副学長。
エネルギー問題、リサイクルなどの環境問題、化学物質や食品の安全性、などについて、タイトルの通り、一般市民に対してもわかりやすく解説されています。
特に、マイナスイオン、狂牛病、環境ホルモン、ダイオキシンなどについては、ヒステリックな報道や似非科学を冷静にかつ厳しく批判されています。
常に批判精神を持って、自らの頭で中立的立場から科学的に考える姿勢を貫かれているところが、このサイトの大きな魅力です。
東京大学教授時代の1997年からこのサイトの運営を開始され、現在まで週1回更新のペースで続けておられます。その継続力もすごいですね。
私ももうずい分前から、ずーーーーーっと、このサイトを定期的に訪問して読ませていただいています。
うちの会社に一度講演に来られたこともあるのですが、運の悪いことに出張が入ってしまって、直接お話を聞くことはできませんでした。10年以上前の話を、未だに残念に思ってます。
今週のテーマは、『プラズマクラスター・ナノイー・ストリーマ・ウイルスウォッシャー』
マイナスイオンについては、2000年から2002年頃、先生が無意味だとの主張を繰り返されていて、その後は下火になった。(それでもまだ亡霊がいるらしい。)
しかし、それに代わって正体不明な製品が勢ぞろいしているのが、空気清浄機だと。
各メーカーから販売されている製品について、その怪しい正体を探られています。
原理を詳細に検証されている部分は先生のサイトを参照していただくとして(そこが面白いんですが)、結論だけ転載すると、
・シャープのプラズマクラスターは、もっとも古典的なマイナスイオンの変形。何か効果があるとしたら、50万倍ぐらいも副生しているオゾンの作用。
・パナソニックのナノイーは、水滴がオゾン水もしくは次亜塩素酸水になっていれば、可能性があるが、それ以外だと効果がありそうなメカニズムが分からない。
・ダイキンのストリーマは、確実にオゾンの効果だと言える。
・三洋のウイルスウォッシャーは、大昔から知られている水道水を電気分解したときにできる次亜塩素酸水の殺菌力を使っている。
どれも、いいイメージの耳慣れないカタカナ語を使っているが、オゾンや次亜塩素酸という昔からよく知られている物質を使った仕組みに過ぎないようです。
では、なぜ、各メーカーがこんな似非科学的な説明で製品を売っているのか?
空気清浄機はその原価は公表できないぐらい低いボロ儲けの商品。それをカモフラージュするために、できるだけコストが安くて、訳の分からないカタカナ語の装置(単なる放電や電気分解だから、原価は100円から数100円程度)で、付加価値を付けることが必要。
要するに、空気清浄機はムード商品なのだろう。
と推定されています。
なるほどー、ですよね。
また、興味深い記事があれば紹介させていただきたいと思います。