植村花菜の「トイレの神様」、どのくらいの人が知ってるんだろう?
僕は最初、7月のTV番組「情熱大陸」でたまたま見て、完全にやられました。
初めて聴いたのに、もう涙が止まらなかった(オヤジのくせに・・・)。
曲を聴いただけでこんなに涙があふれたのは、初めての経験かもしれない。
すぐにCDを買い、本も買い、周りの人たちにもさかんに勧めました。
自分の母が亡くなったのはもう10年以上前。
ある日、珍しく父から電話。母が集団検診に行って胃ガンが見つかり、精密検査で肝臓にもガンも見つかった、医者は、残念だが回復できる可能性は低いと言っている、と。
昭和の男の父は、気丈な声ではあったが、ときどきうわずった涙声が混じる。
大学時代から親に電話すらろくにしないで、きままに過ごしてきた自分。
その当時は、遠く離れた土地で仕事をしていた。
週末には、できるだけ夜行バスで郷里の病院に通うことにした。
もうすでに十二分に大人だったけど、母にとってはいつまでも子ども。見舞いに来た息子の顔を見て喜ぶ母の顔が嬉しかった。初めての親孝行かも。
父・姉・弟だけでなく、おじ・おばもみんなで協力して看病してくれた。ありがたい。
看護婦さんたちの優しく献身的な仕事にも、感謝の気持ちでいっぱい。
母はもともと陽気な、誰とでも仲良くなる人で、元気なうちは、母のいる病室はここが本当に病室かと思うほど笑いの絶えない明るい部屋になった。
しかし、手術をし、抗がん剤の副作用の吐き気に悩まされるようになってからは、その笑い声も少なくなった。
ガン告知しないままだったので、余命わずかということを知らないで過ごす母の姿に、つい耐えられなくなって部屋を飛び出し、トイレで顔を洗うこともしばしば。
告知しなかったのがよかったのかどうかはわからない。
結局、ガンが見つかってから1年経たないうちに帰らぬ人となった。
4月の気持ちよく晴れた日、細く小さくなってしまった母を車いすに乗せて、病院のそばの小さな川沿いの満開の桜の下を散歩したことを思い出すと、今でもやばい。
「親孝行、したいときには親はなし」 聞き飽きた言葉でしょうが、本当です。
そんなこんなで、この歌。(こっちはおばあちゃんだけどね。念のため。)
「ちゃんと育ててくれたのにー♪、恩返しもしてないのにー♪」
・・・もうだめ。うるうる。何度聞いても。
カラオケで歌ってみたいなと思って、ひとりでドライブ中に練習していても、この辺の歌詞になるとだめ。視界がかすんで運転が危ない(笑)
予想通り、紅白歌合戦に出ることになりました。
しかし、短縮したらこの歌の良さがわからないよなー、と思ってたら、なんとノーカットで歌うらしい。NHKに拍手!
きっと植村花菜は、おばあちゃんを思い出して涙を浮かべながら、なんとか最後まで歌いきるんだろうな。その姿にまたうるうるしそう。涙腺、弱い。。。
紅白は妻の実家で観ることになるので、お義母さんに見られると恥ずかしい。どうしよう。。。
いい年をしたオジサンの悩みです。