佐藤多佳子 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

佐藤多佳子・・・この地味なお名前(失礼!)。小説家です。

中学入試の国語の問題に、この人の小説が何度も出題されてると聞いて、興味を持って調べてみると、数年前に読んだ「一瞬の風になれ」の作者だった・・・。
高校陸上部という一見地味なテーマのこの小説、評判に惹かれて読んでみたら、すごく面白いいい小説で感動した。それなのに・・・作者の名前を全く覚えてなかった!(笑)

今回、「サマータイム」「黄色い目の魚」「しゃべれどもしゃべれども」を続けて読破。三冊とも、とてもよかったー。

サマータイム」は、小学生(~大学生)の姉弟と片手を失った少年、そしてジャズピアニストの少年の母やまじめで純粋な調律師たちが絡む、ピュアなお話。

黄色い目の魚」は、家族や周りとうまくいかない女子高生、彼女が唯一心を許す叔父の絵描き、絵の上手な彼女の同級生のサッカー部男子、そして男子高校生たちのアイドル的存在であり叔父の絵のモデルでもあるウエイトレスの女性が織り成す、挫折と成功、恋愛模様。

しゃべれどもしゃべれども」は、売れない落語家の周りに集まった、しゃべるのが苦手な4人:吃音に悩む内気なテニスコーチ、関西弁にこだわってクラスで孤立してる小学5年生、無愛想でミステリアスな美人会社員、口が悪いくせにいざとなると無口になる元プロ野球選手。落語を習う・教えることによって、それぞれが自分の問題に向き合う。そしてラストがとてもいい!


どの小説でも、登場人物は何だか問題をかかえている。作者の筆力のおかげで、その悩みがとても自然で共感できる。脇役も含め、人物描写が的確でリアル。そして計算された巧みなストーリーにぐいぐい引き込まれる。ちょっとひねくれた美人が登場して応援したくなるのも、続けて読んでしまう理由(笑)

いい年をしたおじさんがこんな青春小説?と笑われるかもしれないけど、今、マイブームです。
絶対にお勧めです!