トム家ルール。

「本はいつでも買ってあげる」


子どもたちは欲しいものがあるとトムに交渉します。

「こういうオモチャが欲しい、こうやって遊びたい」

オモチャは却下されることも多いですが、トムに交渉し、納得させられれば買い与えます。自分が欲しいものを手に入れるやり方を、身につけさせたいからです。


(昭和か!)


本はいつでも買い与えます。

読書は大切だとトムは思っているからです。



トムが幼い頃、家にファミコンはありませんでした。

「皆持ってるし、俺も欲しい!」と言っても、トム父(以下、チム)は「よそはよそ、うちはうち」と買ってくれませんでした。

でも、小学1年生から本はいつでも買ってくれました。

外遊びから帰ってきた夕方以降に暇を持て余した少年トムは、しょうがないので本を読みあさりました。

読みたい本はトム父に直訴して買って貰い、それでも足りなくて兄や姉の本も読みあさりました。

そのおかげか、国語や現代文のテストは何もしなくても困ったことはありませんでした。

小学校低学年のときに、耳が大人だと褒められたことを覚えています。

ちょっと大人な話を先生がしたときに、トムだけがよく反応していたようです。

本で読んだ話だったからだと思います。


 
でもしばらく、読書から離れました。

体を使うことの方が楽しくなり、読まなくなってしまいました。

今思うと、頭も体も両方使っておけば良かったです。

新しいことをインプットし続けないと、人は現状維持どころか退化していきます。




開業して、読書の大切さを痛感し読みあさりを再開しました。

家でコッソリ楽しそうに読書をしていると、それを見て子どもたちが真似するようになりました。

子は親の背中を見て育つ。

今日も子どもたちに「本屋に行こう!」と連れて行かれました。




トムはシメシメ、狙い通りだとほくそ笑んでいます。


トムは今でも年間150冊以上本を読んでいます。

本を読み、自分と向き合う時間を作る。

色々な場面で取るべき、言動の予習。

相手の求めていることを察する。



トムの仕事に、読書は必要です。

整骨院の20代のスタッフに読書をすすめても、薄い反応です。

それでもしつこくすすめ、本を渡し、読み終わったら次持ってくるからと伝えます。

反応はありません。

一日5分でも読んでほしい。

私たちの仕事は、モノでなくヒトが相手です。

自分という人間が商品であり、技術だけでは人に認められません。

ご年配の患者さんを相手にすることも多く、会話の内容も多岐にわたります。

本を読み、自分と向き合い成長する。

自分の考え方の軸をつくる。

知識やマナーを身につけ、誰とでも会話が出来る、どこへ出ても通用する力を身につけてほしいと思います。

(このトムはややふざけています)