　ゼノア純正クランクシャフトのバランサー側(コンロッド大端部の180度側）の重量は8.9g程度であった。

　バランサー側を重くする方法として、実車やバイクのエンジンでは重い質量の金属を打ち込む動画が出ているが、コスト的に割に合わない。

　そこで、コンロッド大端部側の重量を削る方法が簡単だと思う。写真は、某有名エンジンのクランクシャフトだが、大端部の周りが研磨されている。

　このクランクのバランス重量は、11g程度となっていた。なお加工に際して、クランクシャフトを分解して行うようなので、極めて高価である。

　自分のクランクシャフトのバランサー重量は、10.97gで吊り合いが取れるように加工。問題は、削れた鉄粉がニードルベアリング内に入ってしまうので、加工前に入念にシールする必要がある。

　素人DIYなので、加工後写真はご勘弁を。

　計算すると、エンジンのバランス率は51％程度となった。

　エンジンの腰下(クランクケース)と腰上(シリンダー)を合体させてエンジンを組み上げるが、腰下側からシリンダー側にスムーズに混合気が流れ込むようにリューター加工する必要がある。何回も合わせながらの作業だ。

　また、組み上がったら圧縮比の調整も必要だ。1mm径のハンダ線をL字に曲げてシリンダー内へ入れる。

　ハンダ線をピストン上面で潰して、スキッシュエリアの測定を行おうと言うものだ。従って、ファン側とクラッチ側の２箇所を行う。

　クランクを回してピストンを上死点に移動させて、ハンダ線を潰す。

　潰れた所のハンダ線の厚みを測定。0.5mmであった。

　ピストン上面とシリンダー側の、一番狭い所の数値である。圧縮比の目安として測定している。

　調整はガスケットの厚みで行うので、数種類のガスケットをストックしておく必要がある。銅ガスケットは、液状ガスケット併用が必須。

　またネジの締め付けは、トルク管理で行うようにしている。

　ここの所、エンジントラブルも発生していないので、機会が出来たら慣らしを行うつもり。

G230エンジンの改造（３）