【ilvilletta(イルビレッタ)】へ。
スリーピースで仕立てる、という事以外に何も決めていなかった。
だから生地を吟味し、そこから湧いてくるイマジネーションで
コンセプトを決めて行きました。
ある程度の予算は決めていたのですが、妥協はしたくない。
来年、再来年に袖を通さなくなるような安物買いの銭失いだけには
なりたくない。
そういう思いの元、大量のバンチ(生地帳)を見て決めたのは
DORMEUIL(ドーメル)
【TROPICAL AMADEUS(トロピカルアマデウス)】
東日本大震災で、まだまだ大きな爪痕を残す被災地に対しての
支援プロジェクト【KIBOU311(キボウ311)】に賛同した
ドーメル社がこのプロジェクト用にブランドを代表する服地として
選ばれた服地がこのトロピカルアマデウス。
このトロピカルアマデウスの収益の一部を用いて宮城県南三陸町
に桜の苗木を寄贈されます。
一昨年はドーメル社170周年という事で170本、昨年は171本の苗木を
寄贈されました。
恐らく今年は172本寄贈される事でしょう。
この服地を用いてスーツを仕立てる事によって間接的ではありますが
自分もそのプロジェクトに加わり、被災地の方々に美しい桜を寄贈する
事ができるなら至極幸せです。
「本当に寄贈するんかな?」という意見もあるでしょうが、ドーメルの様
な美しい服地を作り続けるブランドがそんな姑息な真似をするワケない。
それを信じれない心の方が姑息で浅ましい。
そう思います。
勿論上記のプロジェクトがあるからだけでこの服地を選んだワケではなく、
世界最高峰品質を誇るドーメル社の生地に魅かれたから。
当初の予算は大幅に上回りましたが、自分も含め嫁、大上店長の3人が
満場一致でこの服地でした。
詳細は明かしませんが、今回はフレンチをコンセプトに。
打合せには3時間を要し、更には帰宅後にもまた電話で打合せ。
ミリの単位に拘ってこそオーダーの真価が問われます。
同い年のスーツ馬鹿2人で真剣に意見を出し合う時間は本当に
有意義な時間でした。
仕上がりは5/4(日)予定。
楽しみです。