私が生まれてきて良かったな、と思えること。それは、
オムライスのハートが赤いとか。
道路の隅っこに咲いたタンポポが黄色いとか。
わたがしの向こうの空は青いとか。
そんな、ことで。
あの頃はこれが一番だというように思っていた色も
今思い出すと鮮やかさは消えてくすんでしまっている気がする
私という人間は変わっていないはずなのに
どうやら一年前の私という人間すらここにはいないらしい
ターンオーバーを繰り返す肌は
生きている限り細胞分裂を行う
生まれた細胞は2週間後には剥がれ落ち、
私という肉体から消えてなくなるのだ
言わば2週間で新しい私が出来上がる
気持ちもターンオーバーする
輝いて見えたあの日々は残像として私の瞼の裏に蓄積されて
あの頃の気持ちもなにもかも忘れていって
私の手元に残るのは思い出のみ
アルバムを開いてもそこにあるのは違う世界で
私の存在を歴史を記すだけのものであって
鮮やかさはないんだ
だから今が大切で
何よりも大切で
この手から繋ぐものが
この口から紡ぐ言葉が
この胸が感じる気持ちが
永遠なんてないのだから
たくさんの色の中から私たちはお気に入りの色を選んで、重ねて、大人になってゆく。
重ねすぎて真っ黒になって、失敗も経験するけど、
それもまた、世界のひとつだと気付く。
人生を『彩る』ことは、こんなにも楽しくて。
こんな時間にお腹が減るのはデブだからでしょうか。
ついつい足が外へ向いてしまいます。
明日もがんばる、全力少年!




