とりあえず僕たちはSNSにアカウントを作った。
今はまだ何も機能しないかもしれないけれど、それがいつ役立つかは分からない。
できることは時間がある時にやっておくべきだ。
多くの人に僕たちの物語を知ってもらうためでもあるし、ひょっとするとその中から応援してくれる人だって出てくるかもしれない。
それは僕たち次第。
加速する時は自分たちだけの力ではどうにもならないことは知っている。
多くの人の力を巻き込むことがいずれ重要になってくるから。
TwitterとInstagramにアカウントを作った。
『TomKun2017』という名前。
「トムくん」は僕たちの飼っている犬の名前。
犬種はビション・フリーゼ。
人懐っこく、一人遊びが上手な、穏やかな男の子。
僕たち二人の子ども、唯一無二の大切な存在。
ちなみに名前の由来はハリウッド俳優のトム・クルーズから。
フォロワー数の目標は「まず1万人」。
とにかく数を増やせばいいと思ったから、僕はフォロー管理のできる『Follow Me』というアプリを使って、文字検索をして手あたり次第フォローした。
とりあえずTomKunアカウントをフォローして欲しいから、こちらがフォローすればフォローをお返ししてくれる人を探す。
つまり相互フォロー狙い。
「相互」というワードを打ち込むと、たくさん出てきた。
それをボタン一つで一気にフォロー。
便利な世の中だ。
「え!!?これ何!???」
朋子さんの声。
「どうしたの?」と聞くと、iPhoneを訝し気に見つめている朋子さんが画面を指さした。
液晶画面には数々のいやらしいアカウントが並んでいる。
「これ何?」
僕が聞くと返す刀。
「いや、こっちが聞きたいんだけど」
どうやらアプリに頼った僕がフォローした相手はほとんどがエロ垢(エッチな業者)だったらしい。
「あのね、ちゃんとした人に私たちのやってること見てもらいたいんでしょ?」
「うん」
「こんな企画をしている人が別にいたとして、私にフォローしてきたとしたら、どんな人なのかっていうことでフォローしている人とかフォロワーさんとかを見て確認するよ。
そんな時に変なアカウントばっかりフォローしてたり、されてたりしたらブロックするよ」
「うん」
「だから、ちゃんと血の通った人を選んでフォローしないと」
「うん」
「良いことや、面白いことを発信していたら自然とフォロワーは増えるから」
「うん」
「亮太くんは質の良い言葉を書いて」
「はい」
ということで、僕が文章を書き、朋子さんがフォロワーを増やすことになった。