『太陽の塔』★★★☆☆
森見登美彦 著

(あらすじ)
彼女にふられた大学五年生(理系)が、なぜふられたのかを解明しようと研究にはげむ。
世の恋愛至上主義に強い反感を持つ男子大学生の、葛藤あふれる日常を描く。


いる。こういう人。

と思ったのが、最初の印象だった。主人公は京大農学部の五年生で、たいして学校には通わず、バイトと元カノの「研究」に打ち込んでいる。傍目からみたら、間違いなくストーカー。しかし、純粋に自分の心と折り合いを付けるために、行動しており、ちょっと不器用なだけかもしれない。

いません? そんな人。

あとは、京都の非モテ大学生の生態が見事に描かれていた。
『東京湾景』 ★★★☆☆
吉田修一著
新潮文庫

(あらすじ)
品川とお台場。東京湾を舞台に、男と女が出会い、愛す。もしくは愛そうと一歩踏み出す。

吉田修一の小説に登場する二十代はリアルだ。思考の道筋、会話のリズム、他人との距離感、ぼくが知っている世界と近い。
『東京湾景』においても、キャラクターが実にリアルだ。

とくに主役のふたりが、なかなか、お互いを信じられないこと、また、どこか自分自身を引いた目で見ていて、自身も信じていないこと、などは共感できる。

ただ、恋愛小説なのに、恋の喜びやせつなさ、熱さ、があまり伝わってこなかったのが残念。もっともクールで透明な感じが作者の持ち味であり、「いまっぽさ」でもあると思うのではあるが。

一度、品川から海を見てみようと思った一冊。

-bonne journee-
自分を元気づける言葉は? ブログネタ:自分を元気づける言葉は? 参加中
誰にでもあることだとは思うが、ボクは将来を不安に思ったことがあった。

その時にある人から
「不安は行動でしか解消されない」

と聞いた。

なるほどな、と思った。

どんな悩みであれ、動いていかないと何も解決しない。不安に感じるくらいならやってみる。

シンプルで、真実だ。

いまもときどき迷った時は、この言葉を思い出している。

言葉の力は偉大だ。