NPOのつくり方教えます -2ページ目

事業報告書を提出しました

事業報告書とは?

NPO法人は、毎年の手続きとして、

決算後3ヶ月以内に、前年度の事業報告をしなければいけないんです。

事業報告書は、公開され、一般の方がだれでも見られるようにします。

これが監視の役割をはたすともいえます。


さて、事業報告には、会計記録もつけます。

財産目録、貸借対照表、収支計算書、です。

むずかしいというか、とまどったのは、

特定非営利活動に係る事業と その他の事業を 分けて経理するという、大原則です。

 これがいまいちピンとこないんですね。

だってNPOそのものは、ひとつの法人という意識でやっていますから、

経理も当然いっしょにやってしまうわけです。

そもそも、活動しているときに、

「これは特定非営利活動だ」、「こっちはその他の事業だ」、・・・なんて

考えてるわけじゃないんですね。


あくまでも、手続き上分けているだけです。

ところが、経理では分けて記載します。



そこへもってきて、今年度は、はじめての事業報告だったこともあり、

その他の事業のほうはまだなにも活動していなかったんですね。

そのため、経理的には、ゼロだったわけです。

これは別に違法でもなんでもなくて、

今年度は活動なし、と記載して報告すればいいだけなんですが。

ただし、作表だけしても、数字は全部ゼロが並ぶわけなので、

最初、その他の事業に関しては会計書類は提出しなくてもいいと思っていたんです。

が、都庁へ行きましたら、ゼロと書いて出してくださいといわれてしまいました。

そこで、仕方なくゼロがたくさん並んだ財務諸表を作成して、提出しました。

なんだかみょーな気分でした(笑)。


(個人的な感想ですが、)
ゼロの場合は、あわせて報告してもいいというようになりませんでしょうか?

人を雇うとき3

NPOでも人を・・・

はい。雇うのですが、

主要な手続きがまだありました。

健康保険および厚生年金保険です。

健康保険および厚生年金保険は、

使用される人が1人でもいれば、強制適用事業所となり、

届出(加入)が必要なんですね。

(大変ですねー。)


この保険料は、被保険者の報酬の額に応じた一定の額を、

事業主と被保険者が半分ずつ負担することになっています。


提出するのは、

「新規適用届」

と、

「被保険者資格取得届」。

提出先は、社会保険事務所。

また役所が増えましたね。


結局、

税務署、法務局、都道府県庁、労働基準監督署、公共職業安定所、

そして社会保険事務所


と、最低限これだけの役所をまわらないといけないわけです(汗)。





人を雇うとき2


NPOでも人を雇うことはできます。

でもそこにはルールがあって、

1人でも人を雇うと、労働保険の加入手続きをとらなければなりません。


労働保険とは、

労災保険と雇用保険とを総称したことばです。


この、労働保険に加入するには?

まず、労働基準監督署に、届出をします。

そして、その年度分の労働保険料を、申告、納付することになります。

(大変ですね!)


さらに、

雇用保険適用事業所設置届



雇用保険被保険者資格取得届



公共職業安定所に提出します。


(ひえーーー)



そこで、

経理の得意な人を役員にむかえたり、


専門家のご活用を、おすすめします。





この辺の(労務、人事などの)手続きは、たとえば社会保険労務士さんなどが、

専門ですよ。









人を雇うとき

NPOでも人を雇うことはできます。

でも、人を雇うということは、ちゃんと管理していかなければならないということでもあります。

そこで、どんな管理が必要なのか?ちょっと調べていきたいと思います。


NPOが人を雇うとき、

雇用主としての、義務が発生します。





まず、

労働者を使用するようになったときは、使用者(NPO)がわでは、

所定の様式で「適用事業報告」というのを、2部、所轄の労働基準監督署へ

提出しなければなりません。

また、

もしも労働者をいつも10人以上雇用するようであれば、

使用者は就業規則の作成」を義務付けられています。

(これも、労働基準監督署へ提出しなければいけないのです)


さてここで、

労働者が10人もいないから、まだ就業規則はつくらなくてもいい、

って思うかもしれませんが、

僕は1人でも雇ったら就業規則をすぐにつくるべきだと思います。

なぜかというと、

人を10人も雇うようになってから、あわてて作るのは大変だからです。

いきなり10人雇うというわけではないでしょうから、そこまでになるまでには、

おのずと独自のルールが既に出来上がっていると思います。

人間、最初からあったルールには従うけれど、
あとから決められたルールには、従いづらいものです。


だから、1人でも雇うときは、最初からルールを明文化して、示しておく方が、

あとで楽だと考えるからです。

NPOは非営利



非営利というと、

事業をして稼いだり、お金をいただいたり、給料を払って人を雇ったり
してはいけないのではないか?

と考える人がけっこういる。


なぜなら非営利だから。

でもこれは、本当は、おかしい。


ただたしかに、NPOは本当にお金があつまらなくて、苦労しているところが多い。

だから、その理念に賛同して、ボランティアでお手伝いするのは全く健全なことだと思う。

でもそれは、「NPOだから」ではなく、あくまでもそういう気持ちの部分の賛同だとか納得があるから。

別に、NPOだから貧乏な経営でなければいけないというきまりはないので、

NPOも、

1 事業性のあることを、ちゃんと経営戦略的にやるべきだと思う。
  
  非営利団体でも、事業をやっていい。というか、本来的な活動に必要なのだから、堂々と事業をやるべき。

2 しっかり寄付をあつめるための戦略を持つべきだと思う。

 寄付は、貴重な財源であるし、もらえたらラッキーというのではなくて、ちゃんと計画的に、寄付をあつめるための
 行動を起こすのがいいと思う。


寄付といえば・・・


 いいNPOには、寄付があつまるし、寄付が集まるから、いいNPOになっていく。
 

 具体的にはどうしたら寄付があつまるかというと、

 いくつかポイントがあると思う。

 たとえば、うまくいっているNPOは、

1 ホームページがしっかりしている。

2 経理がしっかりしている。

3 説明がこまやかである。

 といえると思う。

 1のホームページは、関係ないと思われるかもしれないけど、これくらい低価格に好きな編集ができる
 媒体はないのだから、使わないともったいない。

 そのうえでデザインがちゃんとしていると、信頼性が増す。

 そして、立ち上げたら、きちんとデザインして、こまめに更新して、管理していくべきだと思う。

 寄付に関しても、くわしく説明するページをつくり、質問にこたえるようなページもつくる。
 (これがないところも結構多い。)

 2の、経理は、使途がはっきりしていないと困るのはあたりまえなんだけれど、
 やはりホームページにも決算をのせるとか、アピールしてほしい。
 
 経理的な面がしっかりしているかどうかというのは、なぜか伝わるもの。


 3の説明は、重要。

 どういうわけか、NPOの内部にいると、もう説明しなくても相手がわかってくれているような錯覚におちいるみたいです。

 つまり、どういう活動を、なぜしているのか、実績はどうか、どういう理念なのか、というあたりが、
 自分たちが思っているほど実は伝わってないものなのです。

 ようするに、活動内容と主旨が、わかりにくいことが多いです。

 これは、慣れてしまって、客観的な視点がなくなってきているからだと思います。

 
 もちろん、ほしいのは、お金じゃない。

 だからこそ、資金面はちゃんと取り組んでいきたいですね。


わかりやすいサイト発見しました

内閣府、国民生活局による

NPO公式ホームページ

もう知っていましたか?

僕は今日知りましたw

すごいわかりやすい。

これは参考になりますねー。



あと、いろいろとりくみもあって、例えば

NPO法人の活動基盤強化に関する説明会

なんていうのもあり。

さすがに内閣府だけあって、タイトルがかたいw!

でもおもしろそうですね。くわしく読んでみると、

以下、引用します

「資金が足りないから、やりたい活動ができない」
「寄附を集めたいけど、どうすればよいのか分からない」
~こうしたNPO法人の声に応えるため、
内閣府では、寄附を集めるための方策をテーマにした
「NPO法人の活動基盤強化に関する研修会」を全国
15箇所で開催します。 

この研修会は、①寄附を集めるために必要な事務処理、

②認定NPO法人制度の活用策などについて学ぶことにより、
NPO法人の活動基盤の強化につなげることを目的としています。
寄附集めや認定NPO法人制度に関心があるNPO法人のかた、
このようなNPO法人の支援に関心のある税理士・会計士のかたに、
是非ご参加いただけると幸いです。

以上、引用終わり

だそうです。
うーん、行って見たいです。

ともかく、このページ。

いろいろ情報がとれて、いいと思います。

ご参考までに!



区分経理

先日から、毎年の事業報告書をつくっています。

NPOの経理のはなしなんですが、

NPOの場合は、

事業区分ごとに費用と収益をわけて、収支計算書にあらわします。



事業っていうのは、とうぜんNPOによってちがいますが、

たとえば ①出版事業と、 ②普及啓発事業 

というのをやっているNPOだったとしますと、


出版事業にかかった事業費を、出版事業費として。

普及啓発事業にかかった事業費は、普及啓発事業費として、

それぞれわけて載せるということです。


収益についても同じことをやります。


管理費は、まとめて記入します。

管理費とはつまり、

家賃とか、給料とかです。

なにがいいたいかというと、

こうやって分けて書くので、最初からそのつもりで経理をしていないと、

つまりNPOとしてひとつだからというので、

ひとつの経理ですませてしまうと、だめなんですね。


提出用の収支計算書だけを

わけるとなるとこれはもう大変な作業になってくる。

でも意外とこれは、

調べないとわからないことなんでして、


事実僕は、NPOを手伝うまで、知りませんでした。

もし、これを知らないで年度の途中まで経理をしてしまい、

報告書をつくる段階で気づいたら、大変ですね。

収益は簡単かもしれないけど、費用は全部一度振り分けてみないと
いけないので。





つくるのは簡単なNPO



NPOをつくるのは、

なんだかんだいって、簡単だと思う。

書類はたしかにややこしいし、
定款をつくるのは大変だし、
予算だってこまかく考えていけばきりがないし、
面倒くさいことはたくさんあった。

が、認証に時間がかかるので半年くらいはかかってしまうことをのぞけば、

書類の作成&提出のみで、できてしまうのだ。


NPOは、つくるのは簡単。

でも、続けるのが難しい。


営利法人と違って、

こころざしで、気持ちの部分でやっているところが多い気がする。



それは立派なことでもある。
でも、悪く言えば、分かりにくいということでもある。

分かりにくいということは、
協力しにくい、手を差し伸べにくい、ということでもある。

だからこれからNPOを、
本気でやられる方は、ぜひ「分かりやすい」運営をしてほしい。


つまり、コミュニケーションの密度を高めてほしいのだ。

ホームページやパブリシティにも力を入れる。

そういう、実質的なことと関係ないんじゃないの?と思われそうなことに、
積極的になっていただければと思う。


見せ方って、大事だ。

アウトプットが、すごく大事なのだ。


逆に言うと、見せ方がうまいNPOは、
すごく賛同を得られやすいし、

賛同を得られやすいと、

資金もあつまりやすい、

その資金のおかげで、社会的目標が達成しやすい。

いい循環を起こせばいいのだ。



つまり

NPOであっても、マーケティングや、CI (コーポレートアイデンティティ)が必要不可欠なのだ!


と、

僕はそう確信しています。


もっと分かりやすい書式にならないのか


毎年の事業報告書を書いていて、

少しややこしい、と感じました。


ネットで書式は手に入るのだけど、

なかなか完成しない。もちろん、僕の能力の問題もあるだろう。

でも、もう少し手続きを分かりやすく、簡単にできたらいいのにと思ってしまう。

それは甘えでもあり、建設的な要望でもあるのではないか。


もちろん、厳格な手続き、評価というものは、必要だ。

NPOのみならず、法人格をもった団体には、社会的責任というものがあるからだ。

報告をちゃんとして、情報は開示し、オープンにしないといけない。


けれど、より簡単な方法で、誰もが納得する透明性を維持できれば、
それに越したことは無いんじゃないか?




単なるわがままだけれど、どうかもう少し、毎年度の報告書は、柔軟なものにしてほしい。

集まった資金の使途は明確にする必要があるが、
各事業の実施状況などは、
もっと簡素な報告でいいのではないだろうか?

たとえば事業費を、定款に定めた事業ごとに科目をつくり、
分けて記帳することになっているけど、これはどれくらい重要な意味をもつルールなのだろう?

科目をわけるとは、つまり、・・

例えば あるNPOで、 ①ゴミ拾い事業と、 ②ゴミ拾いの必要を普及啓発する事業の、
ふたつをやる、と決めたとする。

そうしたら、帳簿上も、①ゴミ拾い事業に使った費用と、②普及啓発に使った費用とを、
別々に分けて記録するというわけ。

まあそれが筋だ、当然だ、といえば当然なのだけど。
これはまとめて「事業費」ということではいけないのだろうか?

もちろん、内部的に、分析したくなったときは、分けて考えてみるのもいいかもしれない。
どの事業が伸びているか、そういう観点で調べるのも、経営戦略上は有益なのだろう。

でも、事業の種類は、設立認証の段階で、NPOにふさわしいかどうか、厳しくチェックされる。

その認証をふまえて、活動しているのであれば、事業費は事業費、事業収益は事業収益と、
まとめてしまってもよさそうな気がしてしまう。

甘えたことかもしれないけれど
そんなことを思いました。




補足

実戦!NPOマネジメント
¥1,800
株式会社 ビーケーワン

「NPOのマネジメント」で検索すると、結構たくさん本がでてくるけど、

たいていは、手続き、つまり毎年出す書類の書き方とか、定款変更の手続きだとか、
あとは経理関係・・・の説明。

それはそれで大事だし、僕も5冊くらい買って読んでいまして、
実務ハンドブックとして利用しています。

けれど、もう少し大きな意味でのマネジメントを論じる本もほしい。

そういうのが、株式会社向けには、大量にあるけれど、NPO関連で見つけるのは難しいですよね。
また、ちょっと難解すぎたり、研究者向けで実践できそうになかったりします。

僕がみつけたなかでは、この本などが、バランスがいいと感じます。
もちろんまだまだあるのだと思います。

NPOの違った側面、魅力に気づかせてくれる本が、たくさん出てくるといいですね。