今日は、あったかい。
ちょっと鼻水がでる。


ガムがうまい。
電車なう。


このくらいの時間だと、みんなせこせこしてないからいい。


まもなく、あかばね~



昔むかし、あるところに


おじいさんと
おばあさんがいました。


ある時二人は大金持ちで
ある時二人は貧乏でした。
たくさんの場所に住み
たくさんの人に出会い
たくさんのつらいことも
そしてまたしあわせも
本当にたくさん
二人して過ごしてきました。


そんな二人が住む
今の家には
ふわふわのベッドも
あたたかいストーブも
もちろん電気も
何にもありません。


外にはあひると
なぜか壊れた一艘の船と
揺れるベンチがひとつ
あるだけです。


月のきれいなある晩に
二人は
眠ったまま
天国に行きました。


二人が笑顔で暮らしていたのか
さみしい生活だったのか
誰にもわかりません。


そしてまたある日ある時
一人の青年が旅をしていました。
彼は砂漠をひたすら歩いていました。


青年は
砂漠の先の、ある場所を目指していました。


雲が覆い砂煙の舞う砂漠で
幾晩かを過ごしていた、
幾つ目の夜でしょう。


月の明かりが一艘の船を照らしました。


青年は、船の中に入りました。


そこは海の中でした。
様々な色の珊瑚が揺れました。
見たこともない魚と鳥と
見たこともない虫と光とが
海の中を飛んでいました。


しばらくすると
大きな貝が
魚と鳥と、虫と光とを
ゆっくりと吸い込んでいるのが見えました。


青年は近づきました。
魚も鳥も、虫も光も
青年を通り越して吸い込まれます。


もっと近づきました。
魚と鳥と、虫と光とが
青年の身体を透かして
通り抜けて行きました。


そして、自分は吸い込まれないのだと知ると
自らそこへ
入っていきました。


貝はゆっくりと口を閉じると
しばらくして、また
ゆっくりと口を開きました。


月がきれいな夜でした。


魚と鳥と、虫と光とが
また一点に向かって
流れて行きます。


それから先は、誰も知らない。


月がきれいな夜のことです。