最近論点は何かを考えることが多いので、論点とは何か、どういう論点をセットするのが良いのか?というのを考えるために読んでみました。

問題解決のプロセスは一般的に「論点設定 → 仮説立案 → 検証 → 打ち手の具体化 → 実行」という5フェーズで構成されますが、本書はその中でも最初のステップである「論点設定」に焦点を当て、「センスに頼らずスジの良い論点を立てる方法」を体系化しています。

再現性のある論点構築の5ステップ

本書では「論点を研ぐ」ためのステップが明快に整理されています。

  1. 同質化する
  2. 前提を自覚する
  3. 前提を問い直す
  4. 核心を突く
  5. 再構築する

この流れを、ひとつひとつ丁寧に繰り返すことで、偶発的なひらめきや経験値に依存することなく、「本質を突く問い」を導く力を高めていくことができると説かれています。


ステップ①:同質化する

最初のステップは、クライアントや上司が考えている論点や仮説の背景・思考の構造を理解し、自分自身の主論点として腹落ちさせるフェーズです。

この段階では、

  • 論点の定義
  • 必要最低限の情報収集
  • 論点・仮説の書き下し
  • 認識の点検

といったサブプロセスを通じて、「何を解くべきか」を明確にします。ここでは、経営インパクトのある論点を意志をもって選ぶことが強調されており、目的に合致しない論点は潔く手放すという姿勢が求められます。

ステップ②:前提を自覚する

論点や仮説は、必ずなんらかの前提に基づいています。

その前提が明示されていなければ、後続の検証も意味を持ちません。

ここでは、

  • 論点・仮説からのサルベージ
  • 「7つの観点」による抜け漏れチェック(定義/プレーヤー/セグメント/バリューチェーン/マネタイズ/シチュエーション/時間軸)
  • 前提のラベリング

を行うことで、前提の構造を可視化していきます。

ステップ③:前提を問い直す

ここで初めて、「本当にその前提は正しいのか?」という問いかけが入ります。

具体的には、

  • その前提は事実か、思い込みではないか?
  • 疑いを持った場合、どう調べるか?
  • どのソースで確認するのが妥当か?

といった問いを立てながら、「誤った前提に気づく」ことを目指します。

この作業は仮説検証ではなく、「クイックな調査や確認」による前提のアップデートであるという点もポイントです。

ステップ④:核心を突く

疑いのある前提をひとつずつ精査したうえで、「新たな前提」と「新たな問い」を導きます。

ここで生まれる問いこそが、核心に迫る論点となる可能性が高いのです。

  • 目的との整合性を再確認する
  • ソースを変えて1次情報を取り直す
  • 定量化・言語化で具体度を上げる

といった手法を使って、問いの質を一段上げていきます。

ステップ⑤:再構築する

最後に、導き出された「核心的な問い」を中心に、論点や仮説の全体像を組み直します。

主論点の定義を見直し、必要なサブ論点をイシューツリーで整理。

それぞれの仮説も、ここまでに明らかになったファクトや前提の変化を元に再設定します。

この再構築フェーズがあるからこそ、論点が「より現実に即し、かつ本質的」になっていくのだと思います。


おわりに:論点思考は、経験でなく技術で磨ける


「良い問いを立てる」ことの難しさは、多くの人が感じていると思います。

本書を通して得られた最大の気づきは、それが属人的なセンスの話ではなく、誰でもトレーニングできる“技術”であるということでした。


仮説構築や課題設定で悩んでいる方にとっては、非常に示唆のある一冊だと思います。


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