こんにちは。東京・名古屋・大阪・福岡など大都市のロードバイク・ミニベロ・高級自転車盗難から愛車を守る、強力ロック専門店、TOKYO LOCK(トーキョーロック)店長のクニマサです。
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今回は大都市圏での基本的な盗難防止の方法についてお伝えします。(かなり長い文章です)
今回想定している自転車は、ロードバイク、ミニベロ、電動車などの高額車です(10万~100万)
あくまで店長クニマサ個人が考える、金属と切断の知識から見た防犯法なのと、盗難されないことを保障している訳ではないので、自己責任でお読みください
まず、耐切断性能はロックの価格次第です。私が調査のため切断テストを行った30種類以上のロック(チェーン、U字、多関節、鉄板)は一つの例外もなくロックの価格が上がると耐切断性能は上がりました。(ワイヤーロック・ケーブルロックを除く)
このタイプはこの切断手法には強いがこの切断手法には弱い、またはその逆。チェーン、U字、多関節、で興味深いデータが取れました(ワイヤーロック・ケーブルロックはその構造上弱いため対象外)。しかし内容は公開できませんのであしからず。
では、具体的な盗難防止をご紹介してゆきます。
≪ 必須事項 ≫
■ 1~3は施錠の仕方
高額車を停める場合、1~3を必ず行う必要あります
1~3の一つでも欠けるとロックが 無意味 な状態になります
■ 4~5は使用するロックの種類
一般的に、切断に使う道具は、小さな工具、大きな工具、電気の工具で、段々強力になります
4のロックを使うと小さな工具でロックを切断出来ますので、悪いことは言いません、高価なロードバイクやミニベロでの使用は止めた方が適切です
5は大きな工具や電気の工具を使った盗難への対処です
■ 6以降は、ケースバイケースのため、必須ではありません、使い分けも必要です
特に、大都市部での高級自転車盗難に対する対処です
前提条件は 「自転車を長時間停めない事」 まずこれを厳守しなければ話が終わってしまいます。 長時間とは出来れば10~30分以上は停めない様にする。 オートバイの世界では10分以上は長時間停車、そう言われています(窃盗団レベルに対し)。
この理由は、泥棒の目に留まらない様にするためです。
状況から考え、きっと長時間停める/停めている自転車と判断されれば、強力な道具を持って再び来る、仲間に連絡を取り強力な道具を持ってこさせる、自動車を持ってきて横付けして犯行に及ぶ。
翌日も同じ場所に高級自転車が停まっていれば、更に容易く盗難が可能。
結局は運が良い、悪い、と言う不確定な事が大いに関係してくるのですが、どうしても盗られたくない自転車であるなら、強力なロック+停車時間を最短にする、まずこの事を厳守する事が大切です。
≪ 必須事項 ≫
1.地球ロック
盗難防止の基本は、まず地球ロックから、そう覚えてください。
地球ロックとは、地面(地球)にコンクリートなどで固定されている超高強度の物と自転車とをロックする手段。 一言で言えばガードレールなどですが、条例で禁止されている事があるので注意が必要です。
注意点は簡単に切れる金網などを地球(地面)と思い込みロックしないこと、どんなに強力なロックを使っても金網を切って持って行かれます
2.フレームホイールロック
自転車を3つのパーツに分け、前輪、フレーム、後輪、この3点を全てロックする事が大切です。 これにプラスして地球ロックします(地球ロックしないと意味がない:窃盗犯が車で来られたら3秒で盗まれます)。
前輪or後輪のみ地球ロックした場合は、フレームとロックしてないホイールを盗られます。 同じくフレームのみ地球ロックすると、前後ホイールを盗られます。
よって、フレーム、前輪、後輪をロックするとベストですが、長いチェーンや複数のロックが必要なため、ロック出来ない方のホイールを外し、ロックする側のホイールと一緒にロックするか、慎重な方はロックのかからないホイールを持って用へ行かれる方もいます。
3.空中ロック
1mもある超巨大工具を使いづらくします。
出来るだけ空に近い位置=地面から離した状態でロックします。とにかく高い位置でロックする事が望ましく、最低でも路面から70センチ以上離してロックします。 この時、チェーンをタルませてはイケマセン。ロック全体を、最低でも路面から70センチ、可能なら1m離します。
超巨大工具は、片方の柄を地面につけた状態で使わないと力が入りません。どんなに怪力な方も物理の法則には勝てませんので、大変重要な事です。
力が入りズらい状態にしておく。
実はこれ、U字ロックや多関節ロックに比べ、チェーンロックの方が断然有利です。 何故なら、チェーンの1リンクの長さは数センチ。これを繋いだのがチェーン。ヘビの様にクネクネなため、切断時に力を入れズライからです。
逆に、U字ロックや多関節ロックは、ロック自体が金属の塊のため、ある点を探せばガードレールと直結したような点が見つかるため、地球と直結した状態もモノを切断する方が断然力が入れやすくなります。
≪ ロックの種類 ≫
4.高級自転車にワイヤーロックやケーブルロック(スチール製のケーブルロック)は使わない
これは店長クニマサが行っている個人的な事なので、そのつもりで読んでください
私は2万円で購入した折りたたみ自転車には、何時もワイヤーロックか、ケーブルロックか、安価なU字ロックを使います。 数秒で切断出来ることを知っていますが、楽で軽いため使っています。 地球ロックも併用しません。
しかし7万円以上で購入した自転車(アルミロードバイク、ミニベロ、クロスバイク)に、ワイヤーロック、ケーブルロック、安価なU字ロックは、決して使いません。 薄い鉄板でパンバードされた強化ワイヤーケーブルロックも同様、決して使う事はありません。 例えそれが強力と言われているA社製品でも同様です。
回りくどい言い方になりましたが、要するに適材適所、自転車の価格に見合ったロックを使っていると言う一例です。
しかし、どんなに安価な自転車でも、今日は絶対に盗られては困る、と言う時は自社の試作チェーンロックを使います。
5.強度(硬度)の低い製品、径の細い、厚みの薄い、製品を使わない
ワイヤーケーブルロックは 4.に書いた通り弱いので最初から除外しますが、U字ロック、チェーンロック、多関節ロックの金属について。
これ等の金属の材質や硬さはそれこそ何百何千種類もあります。
例えば皆さんチェーンとひとくくりにすることが多いですが、柔らかい物から硬い物まで数十~数百種類もあります。 同じメーカーの製品でも価格によって硬度と耐切断性能はかなり異なります。
単純に言えば、金属の硬さ×太さ=耐切断性能
従って、柔らかい金属を使ったU字ロック、多関節ロック、チェーンロック、または、細いチェーン、薄い板を使った多関節ロック、これらのロックは高額車を守るロックとしては意味がありません。
しかし一体どれが弱く、どれが強いのか? 一般の方は調べようがないですが、クニマサは定価1.5万円以下の製品を20万円もするロードバイクには絶対に使いません。
≪ 以下はケースバイケースで有効な場合とそうでない場合があります≫
※大都市部での高級自転車盗難に対する対処の説明です
6.車道から離す
車を横付けされ死角を作られ強力な道具で盗難されるのを防ぎます
ただし地球ロックは必須のため、そう考えると微妙な場合もあり、ケースバイケースです
7.道路から物色されない場所に停める
車、オートバイ、自転車、で獲物(自転車)を物色する場合、当然道路や歩道を通ります
従って道路・歩道から見えない位置に停めておけば見つからずに良い、と言う事になりますが、こちらもケースバイケース
物陰に隠れた場所では逆に人目に付かず隠れて作業しやすくなる場合もあるので注意が必要です
また獲物(自転車)の後をつけ(尾行)盗難に及ぶ輩もいますのでご注意下さい
8.人通りの多い場所に停める
これは大都市部では全く意味をなしません
実際、駅前、駅近くのスーパー、コンビニ、百貨店、駐輪場、交番の傍でも施錠している高額ロードバイクが盗難にあっています
人間心理として、人が多い場所ほど、人は他人の事を気に留めない、都市部に慣れていない方は特に注意が必要です
(警察官も人間です、怪しい動きが無ければ(=プロ)気に留めません)
9.停める場所を変える
盗難は、まず盗難したい自転車を見つける→ 道具があれば即→ 道具が無ければ後で若しくは後日、泥棒はこのよう考えます
即盗難されてしまう場合は強力ロックをしていない限り防ぎようありませんが、後日出直しとなった場合は停める場所を変えれば防げます
これは駐輪場でも同じで、とにかく泥棒の目に留まらない様にする、これが鉄則です
10.駐輪場も実は結構危ない
実は、自転車盗難の約半数は駐輪場で起こっています
無人は勿論ですが、有人でも怪しい素振りを見せなければ誰も怪しみません、防犯カメラが付いていても盗難を生業にしているプロや半プロには効果がありません、死角もありますし、これも8の心理状態と同じです
都心部では自転車は必ず駐輪場へ入れろと煩く言われますが、その駐輪場で高額ロードバイクが盗まれるなど現実に発生しています (盗まれた本当の原因は、安易で安価なロックを付けていた事で、ロック次第、これに尽きます)
11.店員さんの話をうのみにせず自分で学習する
クニマサは定期的に都内、神奈川、埼玉の自転車屋や専門店、量販店を回って店頭調査しています(高額ロードバイク、ミニベロを販売しているお店のみ)
残念ながら現在でも9割以上の店舗・店員さんは盗難防止の知識がほぼ素人さんです
しかし彼らは自転車のプロであると同時に、トーク(じゃべり)のプロでもあるため防犯対策に対しても説得力あります。 私は知らないふりをして聞きますが、残念ながら状況は変わりませんし、お店には強力なロックを販売されていないケースがほとんどでした
ロードバイクやミニベロ購入時に、盗難防止ロックを購入する場合、店員さんの言葉を鵜呑みにはせず、まず、お店に行く前にまず自ら防犯の勉強をしましょう!
本当に後で泣くことがあります、私はそういう人を見聞きしてきました、必ず自転車探しと同時期に、当ブログやHPで防犯について勉強して下さい
12.一番盗難に遭い易い人
一番盗難に遭い易い人は、高額ロードバイク、マウンテンバイクに、初めて乗る人。嬉しくて何処へでも乗っていきたい、しかし防犯の知識がほとんどない
原因は 11.の自転車屋の店員さんの防犯知識が乏しい(若しくは売りたくてもお店に商品が無い)ため現実を教えてくれる人がいない、そのため店員さんの薦める安全でないロックを使い、安全ではない停め方をしてしまう
初めての高級ロードバイク、ミニベロはとても嬉しいですが、自転車を購入する前に必ず防犯の勉強をしましょう
逆に遭い難い人がいます。これはその人の行動パターンから来ますが、何故か軽装備でもこれまで盗難されたことがない、と言う人がいます。しかし行動パターンは説明のしようがなく、残念ですがこれと言ったお話が出来ません。
13.自転車からなるべく離れない
これは強力なロックを使用している場合です。 弱いロックは論外、1秒~10秒あれば切断→ 持ち去りが可能ですので注意が必要です。
オートバイの盗難防止の世界では常識ですが、まずどんなロックも強力な工具と時間さえあれば切断される。 ではロックが切断されるまでどれだけ耐えられるか?このことを前提とし対策を考えます
しかし中古で100万円以上するハーレーや大型バイクとは異なり、自転車はそこまで高額ではないのと(最近は100万円自転車も珍しくありません)、オートバイは200キロ以上ある重量物のため盗む方も工場並みの重装備でやって来ます
この辺が自転車盗難とは異なり、特に大都市部の盗難手段とも異なる点です。 ですがこと切断に関してだけ言うと、オートバイも自転車も差はありません。 金属を切断する行為は、どちらも同じです。
-- 以上 --
以上、基本的な停め方と、弱いロックが簡単に切断されることをご理解頂けましたか?
・泥棒の目に留まったら非常に危険な状態になる、そうご理解下さい
・高額な自転車を同じ場所に数時間停めておくことは、放置している事に等しいです
泥棒に見つからないように停める→ 停める時間を短時間にすれば盗難防止に有効、と言う事です
但し、安価なロック、切断に弱いロックを使わない事が前提です
これを無視すると非常に簡単に盗難される確率がぐっと高まるので、注意が必要です
今後、当社製品を完成させ、皆さんへ販売してゆくのは勿論ですが、自転車販売店さんや店員さんに盗難防止の知識を告知啓蒙していく必要があると考えています。
・自転車販売店さんや店員さんの知識が現在のままでは、何時まで経っても盗難は減りません
・自転車乗り自身の防犯知識も、現在のままでは盗難は減りません
・数十万円のロードやミニベロを盗まれ泣く人も減りません
東京ではオリンピックを控え自転車意識が高まり、行政も後押しし通あります
自転車人口が増えれば、高級ロードや高級ミニベロ人口も増えるため、盗難は今後も右肩上がりになると予想しています
そため、上記の意識改革は、当社にとって、とにかく何とかしたい最重要事項の一つです
ただあまり過敏に怖がり過ぎるとロードやミニベロで何処も行けなくなりますし、出掛けても盗難が怖くトイレにも行けず、外乗りすら出来なくなります
それでは意味がありませんから、ですから過敏になり過ぎる事は禁物です
但し上記現実は現実として受け止め、常に頭の片隅に置いてください
※※ 最後に ※※
上記を全て行えば盗難に合わない、と言う事ではありませんので、誤解の無いようお願いします
では、心から楽しめる自転車ライフを!

