毎日たくさんの人々が参拝され、お祭りのように賑わっている神社さんも好きですが、
住宅地や人里離れた場所にひっそりと佇み、静かに人々を見守っている 村の鎮守さん的 神社さんも僕は大好きです
地元の人しか知らないんだろうな~
でも、地元の人にとってはとても大切な存在なんだろうな~
──なんて思いながらお参りすると、あらためて僕たちにとっての神社さんの身近さや尊さ、有難さを感じます
さてさて、自分でも驚くほどまじめなトークではじまった今回の東京神社めぐりですが
参拝するのは、まさにそんな神社さんです
そもそも最寄駅の 北綾瀬 の場所を正確に知っている方がどのくらいいらっしゃるでしょうかね
地元の方か、訪れたことのある方でないと、
「北綾瀬?どこ?」
「北ついてるけど綾瀬の近くだよね?そもそも綾瀬ってどこだっけ?」
──ですよね
僕もそうでした
以前近くに住んでいたので知っていますが、そうでもなければ「北綾瀬?どこ?」だったでしょう
駅ですらそんな感じなのですから、今回参拝するこの神社さんをご存知の方はさらに限られるかもしれませんね。
これを書いている僕でさえ、近くを何度も通っていながら知らなかったくらいです
でも、
生きているうちに出逢える神社さんの数が限られている中で、
知ることができ、参拝することができ、そして、
こうして紹介することができる──ご縁があったんですね、うれしい限りです
ということで参りましょう!
今回参拝するのは、
綾瀬 と 八潮(土地勘のない方はどちらの駅もどこ?という感じですかね)を結んでいる 東武バス
の
稲荷神社前 バス停 からほど近いところにある神社さんです
バス停から徒歩で数十秒。
もう見えてきました。近いですね
──と思ったら裏側でした
手前を右折して “左回り” に裏手(正面入口)へと向かいましょう
人口の滝(?)、小川(?)、用水路(?)沿いに進みます
中居堀親水水路 というそうです。花畑川を水源とし流れ、いったん地下にもぐっていた水がこの神社さん脇で 石垣の滝 となって地上に流れ出ているとのことです。
参道というか城下というか、なんとも味のある路地ですね
参拝気分が高まって ちょっとウキウキワクワクします
到着!
このブログでは長い道のりでしたが、
稲荷神社前 バス停から歩いて 2~3分ほど! 近いです
今回参拝するのは──
下谷中稲荷神社 さんです
江戸時代に開拓された 長左衛門新田の鎮守 として創建されたと言われていますが、
創建された年代は不詳だそうです
長左衛門新田 というのは、吉野長左衛門さんが開発(開拓)した土地(農地)ということですね
同じように、すぐ北隣(現在の環七の北側の地域)は久右衛門新田、その先は辰沼新田、西は嘉兵衛新田、南西は五兵衛新田などと江戸時代に開拓された地域は呼ばれていたようですが、
久右衛門新田は 上谷中新田 、長左衛門新田 は 下谷中新田 、
両新田を合わせて 谷中新田 とも呼ばれていたそうです。
鎮守(ちんじゅ)というのは特定の建物や土地を守るために神様を祀るということで、
こちらの神社さんは、新たに開拓された 長左衛門新田(下谷中新田)を守るために創建された神社 さんですね
まさに地域密着、地元のための神社さんですね
御祭神は?
稲荷神社 というくらいなので、御祭神はあのお方です
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)さん
倉稲魂命 、稲荷大明神 、宇賀御魂 、三狐神 、稲荷神 、お稲荷さん 、御食津神 、大物忌 など、たくさんの別称でも呼ばれている神様ですね
稲荷神社の総神様
宇迦之御魂神 さんと 倉稲魂命 さんは別神という説もあるようですが、
いずれにしても御祭神は 稲荷神社さんの総神様 です
古事記では 須佐之男命(すさのおのみこと・父)さんと 神大市比売(かみおおいちひめ・母)さんの、
日本書紀では 伊弉諾尊(いざなぎのみこと・父)さんと 伊弉冉尊(いざなみのみこと)さんの
お子さん と記され、お兄さん(大歳神)もいらっしゃるようです
神様も親子、兄弟関係あるんですね
稲・穀物・食物の神様、商売繁盛の神様 として、伏見稲荷大社 さん(京都府)をはじめとする 全国の稲荷神社 さんで祀られています
お名前で画像検索すると肖像画的なイラストがたくさん出てきます
そう、この方、女神さま・・・だと思われます(検索結果の中には長髭のおじいさんぽい画もありますが)
美少女系イラスト界隈では有名な女神さまなんでしょうかね
アニメのキャラ にもなっているようですね
ご利益は?
宇迦之御魂神 さんが御祭神だけに、
◎五穀豊穣
◎商売繁盛
は間違いないですね
ただ、もともとが 村の鎮守 として創建された神社さんだけに、「地元のための」ということかもしれませんね
◎地域発展
お近くの方は 毎日を幸せに平和に過ごせている感謝の気持ち を、
お近くでない方は この地を訪れることのできた喜び を伝えるとよいかもしれません。
お近くでない方にも、ずっと地域を守ってきたそのご利益を少しだけ分けてもらえるかもしれませんよ
僕の希望的コメントです
実際のご利益は、神様と参拝された方との関係性によると思うので、必ずしもご加護があるかどうかはわかりません
あしからず
さあ参拝しましょう!
参ります!
最初の鳥居。こちらが 一の鳥居 になるんですかね
この奥に、直角に右に曲がる形で 二つめの鳥居 もあります
最初の鳥居脇には 巡拝塔 と 庚申塔 が2基ずつ
向かって右端の小さな 角柱型の巡拝塔 は安政2(1855)年に、
その隣の大きな 舟型光背型の庚申塔 は元禄6(1693)年に、
小さな 駒型の庚申塔 は宝暦11(1761)年に、
一番左にある大きめの 巡拝塔 は安永8(1779)年に、
それぞれ建立されたものだそうです。
修行の場としても知られている 出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)の記述がある巡拝塔 は 山岳信仰 に由来するもののようですね
一つめの鳥居をくぐってすぐ右側には
愛郷之碑
土地区画整理事業完了の記念碑 が建立されています
碑文には、
「此処下谷中の里は古来長左衛門神殿と稱し 当時以来三百八十有余年の永きに亘り緑濃く稲穂波うつ豊穣なる農地として静かに栄え来れる処なり(以下略)
昭和五十年八月一日」と。
開発以来380年余り(当時)に渡って栄えてきた──この神社さんがしっかりと守ってきてくれたということですね
二の鳥居 です
昔は最初の鳥居から社殿まで直線だったそうですが、区画整理の際に現在のように L字の参道 になったとのこと。
鳥居は2基ともに昭和に造られたものだそうなので、現在の参道は昔とは違うところを通っているんですね
二の鳥居、くぐります!
小さな神社さんですが、社殿までの道のりはとても賑やかです
社殿改築記念碑 をはじめとした 碑、灯篭 などなど
御百度石 というのもありますね
二の鳥居 から社殿の向かう途中左手には
薬師堂 も
後ほど参りましょう
手水舎?・・・でしょうか?
社殿改築記念碑 がもう一基
さらに進むと二基めの 灯篭
その先には──
狐 さん
稲荷神社さんごとにみなお顔が違うのが何とも個性豊かでうれしく、楽しいです
こちらの 狐さん は シュッ としたお顔をされていますね
左の狐さんの後ろには 祠(ほこら)
下谷中稲荷神社 さんの参道、盛りだくさんです
社殿に参ります
二の鳥居をくぐってからもこのブログでは長い道のりでしたが
いよいよ参ります!
社殿(拝殿&本殿)です
大きくはないですが、神社さんらしいパワーを感じる佇まいですね
色彩豊かで華やかな彫り物もきれいで見応えありますが、
自然色の彫像も味があってよいですね
派手さがない分、よりストレートに魂を感じる気がします
屋根の上で躍動しているのは 狛犬 さんでしょうか?
しゃちほこじゃないですよね
保護のためでしょうか、僕が参拝した日はネットが被せられていました
神様に守ってもらうだけでなく、神社さん自体も大切に守られている感があって、何だか心が温かくなりますね
さあ、参りましょう
まずはこれから
よい音が鳴るとちょっとうれしいですよね
続いては賽銭── あ、賽銭箱がない
── なんて焦ったりはしませんよ
賽銭箱は社殿の中です
二拝二拍手──
参拝に行けない方、間接的にはなりますが、手を合わせてみてはいかがでしょう
今回もご利益があるかどうかはわかりませんが
・・・
・・・
・・・
──一拝。
日々の幸せに感謝です
失礼ながら社殿の周囲を一回り
昔ながらの木造建築にちょっと感激です
社殿に地番が付けられているのも地元の神社さんらしくてよいですね
豊かな緑に包まれた神様のいる空間──癒されます
薬師堂 にも参りましょう
ご本尊は 薬師三尊像
誕生釈迦仏 、阿弥陀如来 、不空絹索観音 、十二神将の像 もあるそうです。
元々、長左衛門新田開発者の吉野家の墓地にあったそうなのですが、土地区画整理事業の後、こちらに新築・移転されたとのことです。
薬師堂では拍手はNG
二拝二拍手一拝ではなく 合掌礼拝 が基本だそうです
ということで、
礼──
合掌礼拝
・・・
──礼。
いつもながら清々しいですね
地域に密着して地元の人々とともに時を過ごしてきた、そんな神社さんとの出逢いもまたうれしいものです
多くの人々が参拝する有名な神社さんだけでなく、地域のために佇む神社さんもどんどん紹介していきますので、もし機会があったら、興味をもたれたら、ぜひご参拝ください
ちなみに──
来たときは 手前の十字路を右折して“左回り”(水路沿い)で参拝しましたが・・・
バス停からは 逆回り・・・手前の十字路を直進し、神社の裏門の前を通過し、少し先を右折する “右回り” ルート の方が近かったみたいです
──失礼しました
道中のムード を求める方は左回り、近さ を求める方は右回りでどうぞ
下谷中稲荷神社
住所◆東京都足立区谷中1-12-8
アクセス◆東京メトロ千代田線「北綾瀬」駅より徒歩約4分、または東武バス「稲荷神社前」バス停より徒歩約2分
兼務社◆西之宮稲荷神社
※上記は僕視点の参拝記事です。実際と異なる点もあるかと思いますがご容赦ください。皆さんが気持ちよくご参拝され、幸せな毎日をお過ごしいただけることを心より願っています