誰も観た事のない、
その哀しさは理由を求めてる。
例えば水の中で沈みながら、
孤独になった泡は、
ゆるく伸びる光に吸い込まれていった。
愛を知って愛に泣く、
この砕けそうな想いは、
小さくて消えてしまいそうな気がして、
また一つ、
二つ夜を数えた。
例えばこの掠れ切った声も、
キミのためならまだ唄える。
嘘じゃない。
少しだけ早かった絶望。
深く深く沈んで、
まるで深海に眠る魚。
数え切れない擦り傷を、
不安と同じくらい、
大事そうに抱えたまま、
陽の射す辺りに浮かんでは崩れた。
途切れてしまいそうな、
空白の意図は、
立ち向かえない弱さを知っている。
情熱だけは殺さない様にして、
今も深く深く沈んで、
動けないままでいる。
降り始めた雨を見上げ、
全てが流れる事を願う。
孤独と不安。
愛を知って愛に泣く。
情熱を殺さない様に、
今もまだ絶望を睨みつける深海。