その猫には命の期限がありました。

誰も、何もしなければ…

殺処分という悲しい運命が待ち受けていたのです。

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

気がついたら、僕はずっとこのケージの中にいるんだ。

その前に、どこにいたかなんて、もう覚えてないよ。

でも、いつもお腹か空いてたってことだけは覚えてるかな。

僕、このままずっと、この中に入ったままなのかな?

僕、どうなっちゃうのかな?

誰かが、僕をここから出してくれたらいいのにな…

でも、そんなことできないって、僕は知ってる。

 

ある日、ケージのドアが開いたんだ。

僕はケージより小さな箱に入れられた。

僕、どうなるんだろう?

 

暫くして、嫌な臭いのする所に連れてこられた。

箱から出されると…

他の猫の鳴き声や、嫌いな犬の臭いがする。

 

「勘太郎。」

僕に向かって、人間が何か言ってる。

「勘太郎。」

なんだろう、なにを言ってるんだろう。

「勘太郎。今日から君の名前は、勘太郎だよ。」

かんたろう…

僕、ねこじゃなくて、かんたろう、なんだ。

それから、いっぱい体を触られたけど…

ごはんも、いっぱい食べた。

食べられないってくらい、食べた。

もう、お腹は空いてないよ。

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

勘太郎は、3歳くらいの、大きな男の子です。

殺処分ギリギリで愛護センターから、引き出しました。

体の大きさの割には痩せていましたが、

今は病院で健康状態を確認しつつ、去勢手術を待っています。

ご飯もしっかり食べているようです。

 

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