tokusanのブログ

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咲き出しましたよと、ヘバーデン結節でお困りの手の片方で一輪挿しを抱え、もう片方で歩行器を器用に操りながらS様が見せて下さった。

91歳になるS様。夫は94歳になるがこの花を見せてくださった1週間前に緊急入院された。誤嚥性肺炎だった。病院に面会に行けないとの事。インフルエンザが流行しお二人共ご高齢でもありリスクも高く病院もこの流行期は制約しているとのこと。花の名前は時鳥。杜鵑草とも書くらしい。Sさんは、この紫の草花が大好きで、毎年庭に種から撒いて育てている。10月末から冬にかけて咲く。花弁の点々が、鳥のホトトギスの胸の模様に似ているからだそうだ。「この一輪挿しは、どこのですか」と伺うと「私が、八女(福岡)からお嫁に来る時のもの、柳こおりに入れてね」と仰った。戦後やっと日本が落ち着きだした頃の嫁入り道具の一輪挿しは、60数年毎日新しい水と一緒に彼女の好きな切り花を迎え入れていた。大好きな花と一緒に夫の無事を祈りながら新しい水を毎日取り替えている。命が続きますようにと願っているのだろうか.....。時鳥の花言葉は何だろうか.....調べようと思いながらも手を止めた。そんな野暮な....。91歳は、超越しているに違いない。