個人住民税 特別徴収義務への対策ノウハウ
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平成29年度から個人住民税の特別徴収義務者に指定されると、事業主の方にとってどのような影響が出るのでしょうか。特別徴収が及ぼす影響を知らないと、大変な事態になることもあります。


まず、個人住民税は1年遅れでかかる税金です。平成28年1月1日~平成28年12月31日までに従業員に支払った給与の額を基に、各従業員の平成29年度住民税額が決定されます。つまり、平成28年中は会社の業績も好調で給与を多く支払っていた場合、平成29年度に従業員から特別徴収する税額はかなりの高額になります。


しかし、平成29年度になり、経済環境の変化など事業主の方の責任とは関係なく業績が悪化することもあります。会社として資金繰りが大変になっても、1年前に支払っていた給与額で計算した高い住民税額を、特別徴収税額として平成29年6月~平成30年5月にかけて市町村に納入しなくてはいけなくなるのです。


事業主の方にとって、資金繰りが厳しい中でも、従業員の給与の支払いや事業に必要な投資をしていかなくてはいけません。必然的に住民税の特別徴収税額の納入は後回しになりがちです。


ところが、役所側は、あくまで特別徴収税額は従業員の給与から天引きした個人住民税、つまり「従業員からの預り金」という名目のもと、事業主が納入資金のやり繰りに困っている状況を考慮してくれません。納入資金は、現実には会社の中で流動的に動いている現預金から捻出するものですが、納入が遅れた場合、従業員からの預り金を事業に使い込んだと役所側に認識されてしまうのです。


このように、事業主の方にとっては、1年前の利益から支払っていた給与にかかる高い税額を、翌年1年間かけて工面していかないといけないことになり、場合によっては苦しい立場に立たされることになるのです。