僕の少年時代、まだ多く、足袋で穿けばいいような鼻緒付のゴム草履を見かけた。
ちょっと近所へ買い物に、的な時に使っていたと思うが、その当時は和服で過ごすご婦人も
けっこういたので、足袋の需要も多かったのかもしれない。
僕は子供時代、突っ掛けといえば、青い色のビニールでできた、言わば便所草履を穿いていた。
だから、靴下であろうとタイツであろうと、何ら困る事はなかった。
そこで、鼻緒付の草履だが、僕も何度かは穿いた事がある。
タイツの時だと、爪先の部分を”おらよ‼”っと引っ張って緩め、足の指で挟んでいた。
前に出たYさん、隣のSちゃん、雑貨屋のKちゃん、他当時の近所の男の子たちも、
鼻緒草履を穿いているのを何度も見かけた。
黒タイツ茶タイツ肌色タイツ、白靴下に黒靴下。
真夏の素足の時期を除いて、季節に関係なく、みんな、あんな苦労(所作)を繰り返していたのか?
靴下でもタイツでも、少し大きめなら苦労も少ない。
でも、パンパンな状態のタイツや長靴下だと、足のサイズが気になる。
爪先から踵まで、キッチリと入らないと、と思い、爪先に合わせ力いっぱいに引っ張り、
爪先キンキンで穿く。
鼻緒元に指を入れようと無理に爪先部を引っ張ると今度は踵の部分が足の裏の方にずれる。
足元が乱れた靴下類は、みっともないのだろうか?
庶民的で微笑ましいのだろうか?
僕の少年時代、周りにいた人たちは、優しくいい人たちだった。
YさんもKちゃんも、無理やり爪先を突っ込んだタイツ足、とっても素敵だったよ。♡