NHK大河ドラマ『龍馬伝』はいつもの大河ドラマより、
残酷なシーンが目に焼き付けられる。
そして、身分の差があるということはどういうことなのか、
リアルに考えさせられる。

今までの時代劇ではここまで感じることがなかった。

「そういえば、19世紀ロマン派に至るまで、
自分で職業を決めるなんてことはなかったよなあ。。。」

職業の選択だけじゃない。
作曲についても、昔はあれやら、これやら規則が多かった。

旋律とは、こうあるべき
和声は、このようにするべき
様式は、、、

それが、その時代、時代に現れた坂本龍馬のような「脱藩者たち」によって
変えられていったのだ。(なんていうのは、大げさか。(笑))

クラシック音楽の場合は、その片鱗が曲の中に残っているから面白い。
たとえば、ベートーベンのRasumovsky Quartet Op.59, no.1 in F.
この曲は音楽愛好家で、ヴァイオリンの名手であったウィーン駐在のロシア大使、
ラズモフスキー公爵に捧げられているのですが、その伯爵自身、
「???ジョークでしょ???」かお
と思ったという逸話が残るくらい、その当時の人々では理解できない、
「奇怪な」音やモチーフやフレーズだらけの曲だったそう。
今、私たちが聴くと、何がそこまで奇抜だったんだろうと思うけど、
それがベートーベンの狙い。

大学の音楽史に載っていた話。
クレメンティが覚えていたベートーベンのことば。
"Surely you do not consider these works to be music?"
(まさかこれを「音楽」だと思ってないよね。)
そう問われて、ベートーベンがいつになく抑えめにこう告げた。

"Oh, they are not for you, but for a later age."
(あれ、この曲はあなた達の(理解できる)曲じゃないよ。もっと後の時代の人たちに。)

ベートーベンさん、あんたはえらい。
まさにそのことば通りになりました。。。