不公平税制を正す会 〜不屈性の追求〜

湖東京至氏 「税が悪魔になるとき」
元静岡大学教授 税理士
(ジャーナリスト斎藤貴男氏との共作)より一部引用。

「派遣への置き換えや首切りが一層促進され、社会不安が深刻化することは間違いないでしょう」(斎藤貴男)

《湖東》
消費税は、外注費(派遣など)は仕入税額控除できます。

ところが人件費(直接雇用している従業員の給料『アルバイトを含む』)には消費税は不課税ですから、控除対象にはなりません。

そのため、人件費が大きい企業は消費税の納税額が大きくなります。

言い換えれば、消費税は人件費に課税される税金ですね。

この不況にあって、経営者は常に経費を減らすために、どうしたら良いか考えます。

手っ取り早い方法は、正社員の給料や正社員そのものを減らして、その分を外注や派遣労働者で賄うことです。

これで先ず、人件費そのものを抑えることが出来ます。

と同時に、仕事の外注費や派遣への支払いは、「人件費」ではなく、仕入れに掛かった経費の一つですから、「仕入税額控除」で差し引かれる部分の対象になり、その分、納税額が減ることになります。

〈斎藤〉
1997年に消費税率が、3%から5%に引き上げられた前後は、派遣労働法が改悪されていく時期とも重なります。

従来はまだ、派遣のような不安定な働き方は法律によって一定の歯止めか掛けられていましたが、96年の派遣法「改正」では派遣が認められる対象業務がそれまでの16業務から26業務に拡大されました。

この翌年に消費税率が引き上げられ、92年から国内でBIS規制(融資総量限度額)が適用され、翌年の93年から債権回収で景気が悪化して自殺者が3万人を大きく超えました。

自民党は、この経済苦で自殺者が増加する最中に、消費税率を引き上げ社会不安を増長させた訳です。


#消費税廃止
#インボイス制度中止


「落語 花見酒(ふるさと納税)
☆花見酒のあらすじは?

仲のよい兄弟分、花見に行きたいがお互いスッカラカン。兄貴分が花見をしながら湯呑み一杯の酒を五銭で売って儲けようと言う。酒屋で三升の酒と酒樽と五銭を借り、酒樽を担いで向島へ向う。

 後棒の弟分は朝から何も食べてなく、酒のいい匂いが漂って来るので我慢が出来ない。兄貴分はそれならさっき酒屋で借りた五銭で買って飲めばいいと言う。

 まことにごもっともで、弟分は兄貴分に五銭渡し、湯呑みに一杯ついで美味そうに全部飲んでしまう。見ていた兄貴分も飲みたくなって、今もらった五銭で一杯飲んだ。

 こうなると止まらない。お互いに五銭づつやりとりし、一杯づつ飲み続け向島に着く頃には酒樽は空に、二人はへべれけに酔っ払ってしまう。
 
 酒樽を降ろし、店開きをすると客が来る。柄杓で樽の中をすくうがむろん酒は入らない。客が樽の中をのぞくと空だ。怒って客は行ってしまった。

 全部売り切れたから売上げの勘定をしようと金を出すと、五銭しかない。

兄貴分 「三升の酒が売り切れて五銭とはどういうわけだ。おかしいじゃねえか」

弟分 「どういうわけって、はじめにおれが五銭で買って一杯飲み、次に兄貴が五銭で買って飲み、おれが買って飲んで、兄貴が買って、おれが買って、やっているうちに売り切れたんじゃねえか」

兄貴分 「ああ、そうか、勘定は合っているし、安い酒も飲めた。してみりゃ無駄はねえや」

○幼児残虐性、自己顕示欲の権化

自民党の政治家は門地の高い家に生まれた名門の出身ですが、幼児残虐性が抜けない人格の持ち主のようです。

ふるさと納税とは、「税額控除」で住民税の払う額を減らすと言う財政赤字の政策です。

ふるさと納税は、地方自治体に寄付をすることで自己負担額2.000円で寄付した金額が「寄附金控除」されるシステムです。

大元の総務省は、生まれ育った故郷で医療や教育を受けて就職して県外で納税する人が多い訳で生まれた故郷の財源が不足することになる。

そこで、生まれ故郷に寄付することで、税収が不足する地方自治体に貢献するこれが総務省の説明です。

○所得税の場合
((ふるさと納税額-2,000円)×所得税率
※控除対象は総所得金額等の40%が上限ふるさと納税額-2,000円)×所得税率
※控除対象は総所得金額等の40%が上限

○住民税の場合
(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税率)

寄付金額には制限がありますが、ふるさと納税は、寄付する自治体に制限がありません。

寄付する自治体数が5つ以内の場合は確定申告は不要になります。

総務省説明では、生まれ故郷の納税不足を解消する策としてですが、私の住む柏市の2022年度の実情は、ふるさと納税受入額に対してのふるさと納税の住民税控除額が約10倍程度になり、12億円の減収に陥っています。

ふるさと納税の悪影響は全国的で、特に都市部への影響は深刻で、東京都や横浜市、名古屋市、大阪市などでは、ふるさと納税を行った人の住民税控除に因る税収減が深刻化しています。

東京23区は2016年度のふるさと納税に因る減収額が前年度の5.4倍の129億円。

そのために、特別区長会は2017年3月に、高市早苗総務大臣(当時)に対して、「ふるさと納税に関する要望書」を提出しています。

減収額129億円は、区立保育所(100名規模)109箇所分の年間運営費に相当します。

待機児童対策に必死に取り組んでいる特別区にとっては大きな痛手になっています。

住民税の場合、(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税率)を税額控除する仕組みですが、そのために収入が多くなるほど所得税や住民税から「税額控除」される、ふるさと納税の納税額の上限が大きくなります。

寄付する自治体に制限はありませんから、寄付した人の自治体の「税額控除」の悪影響が大きくでる仕組みです。

また寄付を受けれた自治体も、返礼品の購入代金(寄付額の30%)と返礼品の発送代金、また返礼品に関わる係を開設する費用なども必要になり、寄付額の30%以上の必要経費が生じます。

花見酒の兄弟分ではありませんが、ふるさと納税をしたお陰で残るのは「負債だけ」と言う状況になっています。

高額所得者がふるさとの自治体に納税するシステムなら「所得の再分配」で自治体の援助にはなりますが、「寄付」ですから「税額控除」が税収減の原因になります。

また低収入で国保料の未納で保険証を取り上げられた母子家庭、障害者、年金受給者などの「弱者」への悪影響は甚大です。

待機児童対策に力を入れれば、国保料を改定しなければならない、アチラを立てればコチラが立たずの状態になり、やはり自治体の財政の悪化に繋がります。

私の住む柏市の市民税課の職員さんの話しでは、減収分は地方交付税交付金(国30%自治体70%)の借入金で75%を補填し、残りの25%が歳出見直しの受益者負担として弱者を虐める「税額控除」になるシステムです。

消費税にしろ0税率と仕入税額控除で輸出大企業に奨励金を出し、ふるさと納税でも「寄附金控除」で財政悪化を招き、国の税制は「税額控除」を財政赤字に繋げています。

国会の中継は最近、放映されませんが、お住いの市議会や定例会の質疑でもふるさと納税の悪影響など様々な問題を論議しています。

私が傍聴した定例会では、ふるさと納税を止めた方が良いのでは?最近ふるさと納税が激化して減収額が酷くなったと市議会議員さんが実情を訴えていました。