いつもぼくたちがフィールドにしている城山公園は、ある程度の人目があります。


 もし仮に、その中で貴重な生きものが生息していたとしたら、発見される確率も高く、環境が劣化していなくなってしまうまでの間に、何らかの手を打てる可能性もあるでしょう。


 ところがその他の場所の中には、人知れずいなくなってしまった、という場所がたくさんあるんじゃないかと思います。


 そこで、5月11日に、『誰も注目していない貴重な自然』を、トコロジストの会のメンバーで共有しておこうと、「極秘調査団」を組んで、市内の様々な場所を見て歩きました。


 今回見に行った場所は、4年間ぼくが一人で歩きまわって見てきた草地や荒れ地に住む鳥たちです。橋げたやスーパーの駐車場天井につくられた大量のイワツバメの巣、道路の中央分離帯で営巣しているコチドリやヒバリ、がけで営巣しているカワセミなどなど。


 稲城市にはまだ、開発途上のニュータウンがあり、開発予定地になっている場所や資材置き場のような場所がたくさんあります。こうした場所では、人の注目を浴びることなく、ひっそりと意外な野鳥が生活していたりするものです。


 そして、毎年のようにまったく意識されることなく舗装されたり、住宅が建ったりして、生きものの生活の場がなくなっていきます。


 今回の視察は、トコロジストとして、少なくともその事実だけは共有しておきたいという趣旨で呼びかけました。


 こうした情報を、今後の稲城の生物多様性を考える材料にしていきたい。そのためにはどうしたらいよいか。今度は仲間と相談しながら、少しずつ前へ進めていきたいと思います。